Because I Love You , …… and You Loved Me.
[with忘れられないあの味先生&水城の士官先生]お正月企画
この小説は、忘れられないあの味先生の作品に登場する5人と、水城の士官先生の作品に登場する3人をお借りして書いています。まだ読んだことがない方はそちらの方を先に読まれてから本作を読むことをおすすめします。
新年、元旦。
一月一日、朝。
額に当たる柔らかな感覚で目を開けると、一面肌色だった。
頬にかかるさらさらの髪。
まさか。
瞬きを繰り返すと、
「おはよう、千早。Ein frohes Neues Jahr」
笑う軍人さん。
おはよう千早のあとが聞き取れません。
数回瞬きをして、軍人さんを見上げる。
「ごめんごめん。あけましておめでとう」
「あー…………、あけましておめでとうございます」
さっきのは何語だったんだろう。
……というより、とりあえず。
「退いてくれませんか?」
「今からヒメハジメしよう」
「どこからその単語を学びましたか!」
軍人さんは、効果音で言えば「てへっ☆」と笑って。
「ネット」
と言った。
あなたの時代にそんなものはないはずなのに、使いこなしてるって……。
末恐ろしいです。
「姫始めなんかしません。大体私たち恋人でもないのに」
「細かいことは気にしな――――
軍人さんが視界から消えた。
その代わり、お腹のあたりに重いものが。
恐る恐る下を見ると、目を閉じて気絶していらっしゃる軍人さん。
何が起こった?!
「くっかっかっかっか。少女よ! 久しぶりだな! しかし危ないところだった」
軍人さんを卒倒させるような能力と、この特徴的な笑い声と、私を少女と呼ぶ人は一人しかいない。
「…………あけましておめでとうございます、北村さん」
「ん? ああ。あけましておめで
「なあ水野。ここどこなんだ?」
北村さんの声を遮った声。
「俺に聞かれてもなぁ……。知らん」
複数……、いや、二人の男性。
「いやー、こんごうにクローゼットに押し込まれて気がついたらどこかの部屋……って、おかしいだろ!?」
「「クローゼット?」」
私の声と北村さんの声が重なった。
北村さんの、“獲物発見!”的目線で私は一瞬にして理解した。
彼らも、どっかの世界の住人だと。
「なあなあ、このカレンダー、古くね?」
「そうだなあ……2013年だし」
呑気に会話する二人の男。
古い……ということは、未来人か。
「どっかの映画のセットとか」
「いえここに住人がいます」
しゅばっと手を挙げると、ドアの向こうの男性は瞠目した。
「女の子がいる」
「まじか」
北村さんの笑顔が怪しい。
「まあまあ諸君。落ち着こうじゃないか」
そう言って、私のベッドに座るよう促す。軍人さんを足蹴にして。
軍人さん、最近扱い酷いなぁ。
「この人誰?」
「さあ」
二人が座ったところで、恒例の自己紹介タイム。
私は服を掴んで違う部屋で着替えた。
「あ、はじめましてここに住んでる佐和千早です~」
「ああ、あのチハし
「黙れ」
「はい」
にっこり笑う。
なんだか顔がひきつってますよ。
「俺は神谷幸次。んで、こいつが」
「水野舜だ。とりあえず今日は元日らしいから」
私にチハなんとか、と言おうとした方は水野さんでしたか。
「「あけましておめでとう」」
にっこり笑う二人。
「では私も。北村一秋だ。君たちが入ってきたクローゼットは、私が開発してみた」
「そ、そうなんですか」
顔を引きつらせて笑う神谷さん。
「で、何年からやって来たんだ」
「2019年ですけど」
「近未来だな」
ふむ、と言って白衣のポケットから取り出した手帳に書き込んだ。
そして、軍人さんを部屋の隅に投げた。北村さん魔王化してますよ。
そして私に向かって怪しい笑顔で、
「少女、君も退いて」
言うので、私も部屋の隅っこに避難した。
北村さんはポケットから手榴弾的何かを取り出して投げた。
ボンッ、音と白煙。
「逃げろ、神谷ッ!!」
「水野?!」
二人の叫び声。
その後、北村さんが窓を開けて白煙を散らすと。
「みみみみみ水野、お前…………っ」
その声で、私は理解した。
北村さんまた何かやらかしましたね。
「俺、ないんだけど」
「は?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
「ついてたものがなくなってないはずのものがある」
そういう声もどこか高い。
「女になった……」
「ええええええええええ!!」
叫んだのは神谷さん。
水野さんを見ると……、確かに女性だ。
長い髪が、風になびく。……って寒いです。
それに、悲しくなるほど大きいです。
何がとは言いません。
「北村さん」
「おまっ、水野に何したんだ?!」
北村さんに突っかかっていく。
と、水野さんがにやりと笑った。
「神谷~」
「なんだみず、の? …………っ!」
むにゅ、と言うべきかな。
神谷さんの頭を引っ掴んで自分の胸に埋めた。
「みみみみみ水野! やめ
ドガッ!!
バキィッ!!!
「ぐはあっ……」
神谷さんが床に倒れた。
「お前は何してるのよ!」
「破廉恥な」
「変態です~」
三人の女性が現れていた。
その内、二人が戦闘態勢に入っている。一人は拳を構え、もう一人は木刀を抜いていた。
ここは白兵戦の戦場ですか。
三人の視線は、神谷さんと水野さんに向けられる。
「おお、君たちはなんだ?」
北村さんがキラキラした目で聞く。
「私たち、艦魂なんです。私は覇月で、こっちがお姉ちゃんの絶覇。っていうかあなたも私たちが見えるんですね!」
黒髪ロングストレートの可愛い女の子が、ポニテの子を指して言う。
「珍種か? まあいい。私はこんごうだ」
「ふむ。艦魂か。私は北村だ」
こんごうさんは木刀を仕舞い、女の子化した水野さんを見つめる。
「お前…………」
「かかかか神谷の変態!」
言葉を遮って言った絶覇さん。
神谷さんは上体を起こして、
「…………そいつ、水野、だよ」
満身創痍のまま言う。
「水野?」
「くっかっかっかっか。彼は元々男だ。私が(魔)改造した」
北村さんが眼鏡を光らせて楽しそうにしている。
「男?!」
こんごうさんは険しい表情でつかつかと歩み寄り、水野さんの胸を握り潰した。
「ぎゃぁぁあああああ!!!」
断末魔の悲鳴が木霊す。
こんごうさんは手を見ながら一言。
「本物、だな」
「ふざけんなお前! 超痛え!」
女の子の声で言わないでください水野さん。
すると、今まで黙って見ていた覇月さんが、
「でもね、やっていいことと悪いことがあるよ。神谷さんにもお仕置きです。えいっ」
股間を蹴り上げた。
神谷さんが悶絶する。
…………それ、お仕置きじゃなくて拷問ですよね。
いつの間にか気づいた軍人さんが、それを見ていた。
「たまには殴られるのも楽しそうだ」
とかなんとかM発言をする。
そして、神谷さんをボコり終えたこんごうさんが私の方に近寄り、
「千早殿、迷惑をかけ
「ねえ、君。こんごうって言った?」
軍人さんがこんごうさんの言葉を遮る。
…………なんかもう、悪い予感しかしません。
「ああ。貴様は何だ」
「こんごう、俺はザシャ。これからお茶でもどう?」
怪しく笑って、こんごうさんの手をとって口付けた。
「凄く可愛い」
数秒見つめあったあと、こんごうさんが俯いた。
そして一言。
「断るチャラ男が!!!」
バキィッ、と音がして、軍人さんが倒れていた。
右手には木刀。
「…………手加減したなお前」
ぼそっと言う神谷さんに、こんごうさんは黙って攻撃した。
マンションの一室に、神谷さんの切実な悲鳴が響いた。
「で、俺の体はいつ戻るんですか」
「その内だな。くっかっか。なかなか似合ってるじゃないか」
「嬉しくねー……」
魔王のように笑う北村さんの背中に、何かが激突した。
そして北村さんがあっという間に縛られていた。
「確保完了。義龍ぅ~」
「ん、お疲れ、赤峰」
深沢さんによしよしされている赤峰さんがいた。
…………前々回(初回)と違いすぎる。
「赤峰、久しぶり。どう? そいつに飽きたら俺と飲まない?」
にっこり笑って近寄る軍人さん。
深沢さんが赤峰さんを背に隠し、
「結構だ」
にっこり笑って言った。それに赤峰さんが顔を赤くする。
赤峰さん可愛い……っ。
「北村、暴走はそこまでだ。あかね、強制帰還だ」
厳しい口調で言う深澤さん。
しかしその瞬間、北村さんは拘束を解いていた。
凄い。
しかし義龍さんはそれを気にもせず赤峰に指示を飛ばす。
「あかね! 手を握れ。帰るぞ」
「はいっ」
三人は仲良く手をつないで、薄れていった。
消える直前に義龍さんが言った。
「あ、佐和くん。あけましておめでとう。そこの変態に気をつけろよ」
「じゃあ、私たちもそろそろお暇します」
覇月さんが言う。
「そ、そうね。もう神谷にきっちり落とし前は付けたし」
「そうだな」
神谷さんは痛む体のあちこちを摩りながら言う。
本当に痛そうです。可哀想…………。
「水野……、お前ホント、」
「なに?」
振り向いた水野さんが、また神谷さんを抱きしめた。
むぎゅっ。
その場にいた艦魂三人が固まった。
「学習しろ」
バキッ。
「へ、変態! 馬鹿!」
「その通りだね、お姉ちゃん。てか、顔すっごい険しいけど」
にっこり笑う覇月さんに、
「べべべべ別にあんたなんかどうでもいいけど」
口ではそう言いながらも、拳はしっかり入っていた。
そして、
「戻ったら再起不能になるまで痛めつけるんだから!!」
言って、絶覇さんが神谷さんの股間を蹴り上げた。
呆れ顔で見ていたこんごうさんは、皆の手を繋ぎ合わせて(水野さんと手を繋ぐときちょっとだけ困った顔をしていた)、帰っていった。
「迷惑をかけたな」
「ごめんな~」
「いやあ、神谷らしい最期だなっ」
きらっと笑う水野さんに、
「最期とか言うなよ不吉だろ!? つーか俺だけ損な役回り……」
神谷さんはぼやきながら。
「さて、」
「ん?」
軍人さんの声に嬉しいものが混ざる。
嫌な予感しかしない。ホント。
「千早を食べるのは無理そうだし、今日は飲む」
「は…………はは、そうしてくれるとありがたいですね」
お母さんが置いていった焼酎を出すと、嬉しそうに飲む。
そして私を見つめて、ふっと笑う。
なんかむかつく。
そして軍人さんは私にお屠蘇を注いで言った。
「俺は子供に手は出さないよ」
「そうですか」
別に私は軍人さんの性癖を聞きたいわけでもないんですけどね。
軍人さんはぽんぽん、と私の頭を撫でて続ける。
「だから安心しなよ。あれはからかってるだけ」
「はあ?」
からかってるだけ、って。
それに軍人さんはくつりと笑う。
「だって反応が面白いんだもん」
「男が『もん』とか言わないでください気持ち悪い」
一月一日、元旦の朝。
結局、騒がしいいつも通りの非日常でした。
びこーず作者VS登場人物あとがきこーなー!!
作者:あけましておめでとうございます、一発目からグダグダですみません。
ザシャ:よくOKもらえたね。
作者:この度はありがとうございました。
ご不満な点がございましたら淡へメッセください。
いつでも腹を着る覚悟は出来ております。
ザシャ:死に装束?
作者:そうです。
お二方とコラボできるって聞いて、舞い上がってキャラぶっ壊してしまいまして。
有頂天だったんです。
ザシャ:うん。
作者:しかも水城の士官先生に関しては、もう何度お借りしたかわからないほどで…………っ。
ザシャ:迷惑かけっぱなしだね。
作者:あの味先生に関しましては、私が連載開始当時から大ファンで。
魅力的なキャラクターの書き方で、参考にさせていただいている次第なんです。
そんな作品からお借りできるって聞いて、もう幸せすぎて。
ザシャ:うん。結局何が言いたかったのか完結に言いなよ。
作者:お願いだから嫌いにならないでください。
ザシャ:それだけ言えれば十分じゃないの?
作者:だって、…………。
ザシャ:作者が崩落したので、ここは俺から。
[仕事モードON]
今回は、のあの味先生も、今回も、の水城の士官先生も、拙作への暖かい支援及び甚大なご協力、深く感謝致します。
作者淡は超チキンでコミュニケーション能力が皆無な人間ですが、あれでも一生懸命書いていますので、どうか生温かい目で見守ってやってくださると幸いです。
[仕事モードOFF]
作者、これでいいかい?
作者:[ぐすっ]ありがとうザシャ。もちろんお前も大好きだよ。
ザシャ:ん、まあ生みの親だしね。感謝してるよ。
作者:ではこのへんで。またお会いしましょう。
最後に作者の口からもう一度。
忘れられないあの味先生&水城の士官先生、拙作へのご協力感謝します。
本当にありがとうございました!
お二方は勿論ですが、この小説を読んでくださる皆さまに幸多からんことを。




