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The Tale of Tai  作者: Shadow
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第一章:物語の始まり

Welcome to the world of Tai. This is a dark fantasy novel that explores the depths of human pain and revenge. I hope you enjoy the journey.

物語は、Tai という一人の男から始まる。

幾度となく人生に裏切られ、理不尽に蹂躙され、それでもなお立ち続けてきた男。

そしてある日、彼は抗う術もなく、この異世界へと召喚された。


それでも――彼には守るべきものができた。


二人の子の父となったのだ。


四歳にも満たない長女・シン。

生まれて一年をようやく越えたばかりの幼子・ユウタロウ。


あの小さな笑顔を見るたびに、

どんな地獄も、どんな屈辱も、どんな絶望さえも、

Tai にとっては取るに足らないものになった。



ある晴れた日。

空は不自然なほど澄み渡り、静寂が世界を包んでいた。


Tai が日用品を買いに出ようとすると、

シンが小さな足で駆け寄り、拙い声で言った。


「パ……パ……おかし……かってきて……?」


Tai はしゃがみ込み、娘を抱き上げる。


「ああ。パパが、甘いお菓子をたくさん買ってくる」


シンは満面の笑みを浮かべた。


その時、妻のミコが現れ、Tai の腕を掴む。


「……気をつけて。嫌な予感がするの」


Tai は彼女の頭を撫で、微笑む。


「大丈夫だ。俺は帰ってくる。必ず」


――それが、最後の会話になるとも知らずに。



買い物を終え、王国の門を抜けた瞬間。


Tai の足が止まった。


空気が重い。

森の奥で、何かが息を潜めている。


金属の擦れる音。

規則性のない足音。


影の中から現れたのは、鎧を纏った大男。


「俺は山賊の頭だ。任務で来た」


Tai は瞬きすらしない。


「……任務?」


男は歪んだ笑みを浮かべる。


「殺す対象は――Tai だ」


その瞬間。


世界が、凍った。


矢が放たれる。


だが次の瞬間、Tai の身体から噴き出した黒い魔力が空間を歪ませ、矢を粉砕する。


地面が震え、森が軋む。


「殺せぇ!」


夕焼けは血の色に染まり、風は鉄と血の匂いを運ぶ。



戦いは、一方的だった。


セーベンの盾が衝撃を受け止め、

リアナの聖剣が閃光を描き、

ダロンの大鎌が肉と骨を断ち切る。


だが――


誰よりも異質だったのは、Tai。


彼は動かない。


ただ観察している。


首領が迫る。


巨大な斧が振り下ろされる。


Tai は片手で受け止めた。


衝撃波が地面を割る。


「……遅い」


蹴り一発で肋骨を砕く。


槍を掴み、魔力を流し込み、肉体を爆散させる。


曲刀の男は、闇の一閃で上下に分かれた。


内臓が滑り落ちる。


血が雨のように降る。


Tai は――笑っていた。


楽しんでいる。


敵の絶望を、悲鳴を、恐怖を。


ゆっくりと壊していく。



膝をついた首領が叫ぶ。


「お前は何者だ……!?」


Tai は満月を背に、囁く。


「俺は――始まりであり、終わりだ」


心臓を貫く。


戦いは終わった。



だが。


彼らが来た方向を見た瞬間、

Tai の鼓動が乱れた。


――家の方角。


その直後。


遠くから、魔力爆発の波動。


嫌な予感が、確信に変わる。



燃えていた。


家が。


黒煙が空を裂いている。


「……嘘だろ」


呼吸ができない。


足が重い。


一歩が地獄。


中に飛び込む。


そこにいたのは、

ユウタロウを庇うように倒れたミコ。


「……聞こえるか」


彼女はかすかに笑う。


「息子は……守ったわ。でも……シンが……」


Tai の視界が滲む。


「死ぬな。頼む。死ぬな」


彼女は頬に触れる。


「愛してる……ずっと……」


手が落ちる。


光が消える。


世界が、壊れた。



ユウタロウも、もう動かない。


Tai は静かに言う。


「……守ったのに、守れなかったのか」


感情が、消えた。


いや。


底へ沈んだ。



内側から声がする。


『奪われたな。全てを』


『ならば、お前は何を望む?』


Tai の目から血の涙が流れる。


「復讐だ」


大地が裂ける。


魔力が暴走する。


髪が白く変色し、瞳は血より赤く染まる。


それは怒りではない。


憎悪でもない。


――喪失そのものだった。



雨が降る。


タバコに火をつける。


笑う。


壊れた笑い。


「人間は、痛みを知らない」


「なら教えてやる」


「喪失とは何かを」


その笑いは、もう人間のものではなかった。



王国へ向かう。


仲間が止める。


「どこへ行く!」


「関係ない」


「王女殿下、離れて!」


Tai の目が揺らぐ。


「……王女?」


次の瞬間。


首が宙を舞った。


血が雨に混ざる。


「友人だと思っていた」


静かな声。


「少し遊ぼう」


恐怖が支配する。


Tai は二つの核を取り出す。


「魔王の核だ」


「今日から俺の僕だ」


魔王が跪く。


「名を与えよ」


「お前は Diablo。お前は Draculina」


圧倒的支配。


そして最後に。


Tai はかつての仲間たちを見下ろす。


「楽しませろ」


「俺を退屈させるな」



✦ 第一章 完 ✦

(第3章の終わり)

Thank you for reading the first chapter. What do you think about Tai's beginning? 26 new chapters will be published daily. Please support the story if you like it!

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