合格
分身達の攻撃が飛び交う。
何体か分身を倒したがそれでも分身の量は一向に減らない。
それどころか段々増えていっている気がする。
また地面を蹴って走る。
分身達が攻撃をしてくる。
攻撃を誘導して分身同士で消させあう。
本体を見極めたいが、分身が増え続けたら避難した住民の方にまで分身が行ってしまうかも知れない。
それだけは絶対に避けなければならない。
僕はもう一度分身の群に突っ込んだ。
***
私"シオン"は今、この分身の本体を探している。
分身は増え続けているが少し分かっていることがある。
分身は本体の近くにしか発生しないのだ。
それだけ分かれば十分調べ上げれる。
みんなが分身を倒して凄い勢いで減らしていく一方で分身が増え続けている場所が一つだけ存在する。
私はその一点を目掛けて走った。
周りにいる分身の量が明らかに増えていく。
量的に言えば倒すこと自体は難しくはないが、倒している間に本体から距離を取られるだろう。
分身を消滅させる。
だが、道は開けない。
「手伝うよ」
そんな言葉が聞こえると同時にその声の正体であるミラは次々と分身を倒して行く。
分身が増える早さよりも分身が消える早さの方が上回った。
今なら本体を倒せる。
私は硬いコンクリートを蹴って本体までの距離を一気に詰めた。
***
僕が分身の群に突っ込もうとすると分身の群は一気に全員消えた。
誰が本体を倒したのだろう。
突っ込もうとした群があった場所の中心にはシオンさんとミラさんがいた。
きっと彼女達が本体を倒したのだろう。
よく見るとそこには本体と思われる死体が転がっていた。
ドゴォォォオオオオオン‼︎
関心していると大きな音が聞こえた。
ガルドさんとゼノンさんが戦っている方向からだ。
僕らは急いで彼らの方へ向かった。
***
「よし、片付いたな。そっちはどうだ。」
「はい、僕の方も片付きました。」
俺がゼノンの方に目を向けるとさっきまで能力者が戦っていたとは思えないような光景が広がっていた。
被害はほぼ0だ。
「ナイスだゼノン。建物の被害も殆ど無いな。」
「あなたの方も先程まで戦場だったとは思えませんけどね」
ゼノンはジト目気味にこちらを見つめながらそう言った。
「向こうも大方片付いたみたいだな。ゼノン、指揮を執ってくれ」
俺がそう言うとゼノンは仕事モードに切り替えて指揮を執った。
***
物音の方に走ったがそこにはいつも通りの街の中にいるゼノンさんとガルドさんしかいなかった。
ゼノンさんの空気が変わると他の組織の人もゼノンさんの話を聞く体制になった。
「皆様お疲れ様です。EチームとSチームは現場の後処理をお願いします。また新入生はここでチーム決めを行います。」
ゼノンさんはそう言ってチームの発表を始めた。
「その前に皆さんにはARCの専用端末を配布します。また、所属チームは既に端末の組織の情報共有システムの中に書いてあるので各自確認しておいてください。」
そう言うとゼノンさんはガルドさんの所へ戻った。
早速端末を確認する。
僕はBチーム所属になるらしい。丁度あの事件の日に僕を助けてくれたチームだ。ガルドさんやノエルさんと同じチームなのは心強い。
「君うちのチームになったんだ。これからよろしく」
同じチームのミラさんが話しかけてくれた。
「はい、よろしくお願いします。」
僕はそう返事を返した。
こうして僕は晴れて組織の一員となった。
***
「リーダーは全員集まりましたね。」
私"ゼノン"は集まっていただいたリーダー達の出席を確認した。
どうやら全員来ているそうだ。
「先日、試験会場付近で危険度2の能力者が3体同時に出現する事件があったのは知っていますね。」
無論、能力者出現の情報は組織全体に行くので確認するまでもないのだが本題はここからだ
「その能力者が全員"身元不明"でした。」




