施設
ARCの本部に着いた。
試験の日以降来ていなかったので久々な感じだ。
「着いたけど、医療機関ってどこだっけ?」
「ミラさんこっちです。着いてきてください」
本部と言っても機密な場所以外は一般人にも開放されているので医療機関の場所も覚えている。
左肩を押さえながら頭の中のマップに従い目的地に向かう。
「ガルドはそろそろ会議終わった頃かな」
「もう9時ですしそろそろ終わってるでしょうね。」
「え、もうそんな時間?道理で眠い訳だ。」
ミラさんは眠そうに欠伸をする。
あれから眠ってないのだから無理はない。
「帰ったらゆっくり休みましょうか」
「うん」
雑談をしているとすぐに目的地に着いた。
受付に行き手続きを済ませる。
「直ぐに準備致しますのであちらの席に座ってお待ちください」
僕とミラさんはソファに座り呼ばれるのを待つ。
「アーク、大丈夫だからね。」
ミラさんがいきなりそんなことを言う。
今気づいた。
僕はずっと自分の手を見ていた。
あの感覚がまだ少し手に残っている。
「ありがとうございます。」
それ以外に言える言葉が分からなかった。
「アークさん。準備ができました。医務室にお越し下さい。」
丁度そこで医務室に呼ばれた。
「それじゃあ行ってくるので適当な所歩いて待ってて下さい。」
「分かった。近くのカフェで待ってる。」
軽いやり取りをしてから医務室に向かう。
「それではそちらのベッドに横たわって下さい。」
言われたようにベッドに横たわる。
「それじゃあそのまま治療の方初めて行きますね」
医者が左腕に医療を施す。
少し痛いが、槍が刺さった時程ではない。
心臓を貫かれた時もきっと痛かったのだろう。
鼓動の感触が未だ手に残る。
同じ雨は降らない。
同じ風も吹かない。
未だ自分の心臓は鼓動を続けている。
鼓動を感じながらも視界がぼやけていく。
そういえば僕もまともに睡眠を取れていない。
流れるままにぼやける視界と心臓の鼓動と自分の息を感じながら意識を手放した。
***
眠い、
アークが適当に歩いてていいと言ってたから近くのカフェに来たけど眠すぎる。
もう寝ようかな。
少しくらいならいいよね。
目を閉じる。
「あれ?ミラ。こんな所にいるなんてどうした?」
なんかよく聞く声が聞こえて目を開く。
「あ、おっさんとゼノンじゃん。会議は終わったの?」
「ああ、情報提供感謝する。」
「いいってことよ」
なんか少し眠気が吹っ飛んだ。
「そういえばアークも一緒に来てるのか?」
「うん。今は病院の方で手術受けてる。長くなりそうだから何処かで時間潰しててって言われたからここきた。」
「そうか。じゃあ少し相席してもいいか?アークに少し頼み事があってな。」
「いいよ。アークにはここで待ってるって伝えたから。あとおっさん奢って。」
「無理だ。そんな大金はない。」
眠気が飛ぶので一緒にいることにした。
「ところでその頼み事って?機密情報じゃないなら教えて。」
「研究部隊からアークの手伝いが欲しいと名指しで依頼された。詳細は直々に話すと言われたから私も分からない。」
「そっか。」
なんとなく深掘りはしないようにした。
深掘りはしてはいけない気がした。




