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未確認来訪者  作者: 1N0R1
第一章
2/22

組織

彼は強すぎる。

危険度2の能力者を1人で片付けてしまった。

被害もこの建物以外には殆ど無く、彼自身の怪我もかすり傷程度だ。

しかし、不運な事に巻き込まれた一般人がいることも事実。

遺体はそれが遺体なのかも不確かな程、原型を留めない形へと変貌していた。

そんなことを思いながら私は、彼と一緒に戦場の後片付けをしていた。

「手伝おうか?」

聞き慣れている落ち着いた声がした。

振り向かすとも"シオン"の声である事は分かった。

振り向けば隣に"ノエル"がいることも分かった

「じゃあ、奥の方お願い。あ、後ここ研究所だったから危険物質があるかもしれないから気をつけて。」

「了解」

柔らかい声でノエルが返信をしてシオンと共に奥の方へと向かった。

「おじさん、この死体下敷きになってて動かせないから手伝って」

「あいよ」

頬から血を流す"ガルド"からは力強い返事が返ってきた。

そんなこんなで2時間ほどかけて全て片付け終えた。



***



僕は2度も家族を失ってしまった。

幸か不幸かまた自分だけは生き残ってしまった。

全てが空虚に思えた。

何も感じなかった。

ただ喪失感が僕のことを包んだ。

これから僕は何をすればいい?

何の為に生きればいい?

誰を頼ればいい?

誰の為に動けばいい?

その質問に答えを返してくれる人がいない事は分かっていた。

ただ、もし神がいるなら2度も僕を地獄に落とした神に理由を聞きたい。

悲しみも怒りも通り越して僕は何も感じ無いまま呆然と立ち尽くした。

そこに先程僕の手を引いた少女と、その少女と一緒にいた大男と、2人の女の子が来た。

どうやら生きる場所を失った僕を組織が保護するとのことだ。

僕はそこで初めて涙を流した。

涙で霞む視界とこの精神ではもう何も分からなかった。

力はもう完全に抜けてしまい、自身の体重を彼らのうちの誰かに預けた。



***



「目は覚めました?」

意識が戻り目を開けると知らない天井と先程、僕に説明をしてくれた女の子がいた。

「……はい。」

ここはARCの医療室の様な所だろうか?

眠ったことで少し落ち着いた精神でそんなことを考えながら、とりあえず彼女の質問に答える。

色々と聞きたいことが山積みだが、その殆どは彼女に聞いても意味はないだろう。

「ここは何処ですか?」

山積みの疑問の中からそんな無難な質問を選んだ。

「ARCの医務室です。私はあなたにいくつか説明する為にここにいました。まず先程も説明した通り。今日からあなたをここ、ARCで保護します。」

彼女からはそんな答えが返ってきた。

「あなたは誰ですか?」

また無難な質問を選んだ。

「私の名前はシオンです。ARCに所属する現場部隊の者です。私と一緒にいた人達は同じく現場部隊の者です。」

無駄のない回答が返ってきた。

「僕はこれからどうすればいいですか?」

少し感情的になりそんな質問をした。

「どうするかはあなた次第ですが、なんにせよ当分はここで過ごして貰います。ですが刑務所や病院ではないので外出などはご自由にしてもらって構いません。」

意外にもすらすらと優しい回答が返ってきた。

「ありがとうございます。」

僕は軽くそう返した。

その後は沈黙が続いた。彼女からも説明したい事はし終わったのだろう。

なので少し思い切った質問をしてみた。

「僕は組織の現場部隊の一員として皆様を手伝えますか?」

深い意味はなかったがそんな質問を選んだ。

「……えぇ、入隊試験を合格すれば」

そんなぎこちない回答が返ってきた。

彼女からしてもその質問は予想外だったのだろう。

だがその返事によって命以外に全てを失った僕に生きる気力が少し蘇った。

「ありがとうございます。」

その言葉を発すると共に、僕の様な人をこれ以上増やさないということを、心の中で決心した。



***



「報告は以上です。」

「そうか、任務ご苦労であった」

ガルドの報告が終わり私は彼に労りの言葉をかけた。

「最近、A,B,C,Dエリアでの能力覚醒が増えている。また、その前にはE,F,Gエリアで活発に起きていたなど、段々能力事件の件数はこの国の中心部に近づくような動きを見せている。

それだけで無く、能力者事件自体の数も増えている。それを対策する為に現場部隊を中央エリアに集めたい。EエリアとLエリアとSエリアの現場部隊は中央エリアへの移動をお願いする。

また、それに伴い。F,GエリアとK,M,エリア、Q,Rエリアの現場部隊はE,L,Sエリアへの現場出動をお願いしたい。このことはチームメイトと相談して決めてくれ。」

「うちのチームの移動だと色々時間がかかりますけど中央エリアの準備はできているんですか?」

Sエリア担当チームのリーダーがそう質問してきた。

「チームを合併する形で対応しよう。」

「了解しました」

「他に質問が無ければ会議は以上とする。」

他のリーダーはメモをとりながら沈黙を選んだ。

まだまだ拙い部分はありますが、今後ともよろしくお願いします。

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