第66話 「私達の戦いは、まだこれからですわ」
……翌朝。
リンは伯爵を呼び、民や兵達を皆。北へと避難する様に指示を出した。
民達が避難する中、ラミス達三人は城壁の上から、ツインデール城のある方角を眺めていた。
「えーと、ヘルニア兵二千と、豚五匹だっけ?」
「ええ……。その筈ですわ、お姉様。」
「うーん、五匹かー。ちょっとキツいわね……。あの豚ちょっと堅すぎるのよ。」
…………。
城壁の上を、吹き抜ける風が気持ち良かった。吹き抜ける風は、三人の髪をかき上げその心を和ませる。
三人はただ静かに、外の景色をいつまでも眺めていた。
…………。
「ねえ、二人共。……次この景色を見る時は、四人一緒よ?約束よ。」
「……お姉様。」
そうこれは、決して終わりなんかではない。まだ戦いは始まったばかりなのだから……。
「さーて、一暴れするわよ!!二人共覚悟は出来てる?」
…………。
「何も、お姉様も付き合って下さらなくてもよろしいですのに。……ミルフィーまで。私一人死ねば、時間は戻りますわよ?」
「何言ってるのよ、ラミス!昨日、三人で話し合って決めた事でしょ?これからは何があっても三人一緒……。いいえ、四人一緒って言った筈よ?……貴女一人だけ死なせる事なんてしないわよ。」
「お姉様……。」
「わっ、私も頑張りますっ!」
「……ミルフィー。」
…………。
「ラミスー、ちょっとしゃがみなさーい。」
リンは妹二人に近付き、強く抱き締める。
「ラミス、よく聞きなさい。この戦いは、貴女一人の戦いじゃないのよ。何があってもずっと四人一緒だからね……。それを忘れないで。」
……ぐすっ。
ラミスにはその言葉が、何よりも嬉しかった。
「お姉様、ミルフィー。ありがとう。」
ラミスの頬にそっと涙が伝う……。リンとミルフィーは、そんなラミスににっこりと微笑みかける。
──ズシン!
突如地面が揺れ、あの足音が鳴り響く。
「……来たわね。」
リンは城壁の上からヘルニア軍を確認し、二人に話しかける。
「二人共、準備はいい?」
……二人は涙を拭き、静かにうなずく。
ラミス達三人は、伯爵や兵、メイド達には黙って出て来ていた。
勝てないと分かっている戦いに、わざわざ巻き込ませる必要など無い。
今頃、姫達の姿が見当たらずに、メイド達が騒いでいる頃だろう……。
ラミス達は、用意しておいた縄を使い下に降りる。
…………。
「うーん。やっぱりこの数は、少し無理があるわね。」
そう言いながら、チャッと双剣を構える長女リン。
「あわわわわわ……。豚さんがあんなにいっぱい……。」
巨大な化け物の姿に怯えて、手が震える末女ミルフィー。
「ミルフィー。今からでも遅くはないわ、貴女だけでも逃げて……。」
そして、ずっと妹の事を心配している三女ラミス……。
──チャッ。
リンはラミスの方に剣を向ける。
「なーに言ってんのよ!三人で決めた事でしょ?それ以上言うと、お姉ちゃん怒るわよ!」
「そっ、そうですよ。お姉様!」
……プンスカです!
「もう、仕方ないわね。二人共……。」
ラミスは少し困惑しながらも、幸せそうに二人に微笑んだ……。
…………。
「さあ、行くわよ。ラミス!ミルフィー!」
「お姉様、よろしくってよ。ラミスは何時でも行けますわ!」
「わわわ、私も頑張りますぅ。」
──ダダダッ!
そして三人は、一斉に走り出した。
恐らく三人では、二千のヘルニア兵と豚には、決して敵わないだろう……。しかし、そんな些細な事など彼女達には関係無かった。
例えここで死んでも、彼女達の戦いは終わらないのだから。
彼女達が死んでも、この物語は終わる事はない。彼女達が諦めない限り、この物語は何時までも続くのだから……。
もう一度、姉ナコッタに会うまでは。
もう一度、四人揃ってあの丘に行くまでは。
そして彼女達の国、ツインデール公国を救うまでは……。
彼女達の戦いが、終わる事は決してないのである。
そう。彼女達に戦いは、まだ始まったばかりなのだから……。
三人は死ぬ為に戦うのではない。希望の光を明日へとつなぐ為に戦うのだ。
この物語はまだ、終わってなどいないのだから。
彼女達の戦いは、今ここで始まったばかりなのだから……。
「そう……。私達の戦いは、まだこれからですわよ!!」
『猫缶』
───────────────────────
ここまで読んで下さった皆様。本当にありがとうございます。
作者が急遽、死亡の為。
この物語は、一旦ここまでとさせて頂きます。
猫魔神先生の、次回作にご期待下さい!!
死因 ガチャで爆死の為。……死亡。
理由 エリートみこちが出ない為。……死亡。
次回作。
「転生したらバーチャル◯ーイだった件。中古でポンコツの俺だけど、チートで頑張ってス◯ッチ君に無双!?出来る訳ねーだろ?えっ!?ここから入れる保険があるんですか?」
が、開始します。
猫魔神先生の力作に、そうご期待下さいませ!?
(ФωФ)ノ 頑張るニャア♪
大変申し訳ありませんっ。まだかろうじて生存しておりました。
まだ財布の中に、英夫と漱石が三人生き残っておりました。
今からコンビニに行って、魔法のカードを買ってガチャを頑張ります!
すいません、ごめんなさいっ。
という訳で、まだちょっとだけ続きます。
※この作者は、この様なふざけた内容ばかりやらかします。
読者様には、何卒これからも生温かい目で見守って頂きます様、よろしくお願い申し上げます。
すいません。
明日もきちんと、八時には投稿しますです。
すいませんでしたー!
(ФωФ)∩ ねっこ。




