表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
古の怪物と龍の巫女編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/312

第51話 「絶対に許さないわ」

妹を……。ミルフィーを助けないと。

そう思い必死に妹の元に駆け出すラミスだが、当然の如くヘルニア兵達に阻まれてしまう。

「へっへっへ……。何処に行くつもりだ?お嬢ちゃんよぉ。」

「お願い、通して……。」

「へっへっへ……。」

当然だが、その様な頼みを聞いてくれる敵兵士など一人もいる筈がない。


「……退きなさい!!」

──ドガガッ!

ラミスは華麗に空中を舞い、ヘルニア兵に回転蹴りを放つ。

「プリンセス"円月"!!」

真空飛び膝蹴りの体勢で飛び上がり、そのまま脚を一回転させる蹴り技。

──プリンセス神拳(しんけん)奥義六式、プリンセス円月脚。

その華麗な脚技は弧を描き、複数人を抹殺(ジェノサイド)する大技である。

──ガキン!


……妹を助ける為、(あせ)りながら必死に蹴り技を放つラミス。

しかし、その場凌(ばしの)ぎで放った技など何処(どこ)に当たるかすら見当が付かず。ラミスの放つ技は、(むな)しくも鎧や兜に阻まれてしまう。

……残念ながら、まだ改良の余地がある未完成技と言わざるを得ない。


「ぐっ……。」

未完成なのも実力不足なのも勿論、両方あるのだろう……。だが、やはりラミスの戦い方では、どうしても鎧と兜が邪魔なのである。

──ドカッ!

ラミスはヘルニア兵を蹴り飛ばし、その隙にミルフィーの元へ向かう。

──したたたたたたっ。

「へっへっへ……。どうした?嬢ちゃん。」

更にヘルニア兵士二人が気が付き、ラミスの前を(ふさ)ぐ。


「邪魔ですわ、貴方達!」

──ドカカッ!

ラミスは二人の兵士を、思い切り蹴飛ばす。

「ぐわっ!」

ラミスが先程まで戦っていたヘルニア兵達とは違い。城門より入って来たヘルニア兵士達は、まだラミスの事を知らず油断をしていた。

しかし吹き飛ばされた兵士を見て、隊長らしき人物が声を上げる。


「何をしておるか?さっさと捕らえよ!」

その声に反応してヘルニア兵士、五十人に囲まれるラミス。

まだラミスのその麗しい姿に油断しているのか、それとも数の有利に安心しているのか……。ヘルニア兵士達は、まだラミスを舐めて掴みかかってくる。


──ドガガガッ!!

瞬時に、凄まじい蹴りを放つラミス。だが、やはり兜が鎧が邪魔をし(はば)まれる。

ラミスは仕方がないので、戦法を変えヘルニア兵士を蹴り飛ばす。

……やはり鎧と兜が邪魔をする。


ラミスが今、出来る事は三つ。蹴り飛ばす、兜を外して頭部を狙う。残るは────。

「…………。」

ラミスは戦いながら、鋭い目付きでヘルニア兵達の姿を観察する。

「……首が狙える敵さんが、いらっしゃいますわね。」


──ギュオォ!!

ラミスは蹴りの軌道を変えた。

──ゴキィ!!

回転蹴りが命中し、首が折れ吹き飛ぶヘルニア兵達。

「ぐあっ。」

「き、貴様ァ!」

剣や槍を持つヘルニア兵達の目が急に殺気立ち、一斉にラミスに襲いかかり始める。

──ドガガガッ!

何とか脚技で凌ぐラミスだが。……やはり多勢に無勢。鎧が兜が邪魔をし、やはり戦い辛いと言わざるを得ない。


「弓だ!弓で足止めをしろ!!」

兵士の一人が、そう叫んだ。

──ヒュン。

「うっ……。」

ヘルニア兵士が放った、その矢は。無情にもラミスの体に突き刺さっていく。


……ラミスは、己の非力さを嘆いた。(みずか)らの無力さに、絶望していた。

そして妹ミルフィーを助ける事が出来ない、自分の未熟さを呪っていた。

しかし、流石にラミス一人では限界があるのだ。


どれだけラミスが華麗な脚技で(さば)いても、どれだけ屈強なヘルニア兵を蹴り飛ばしても……。

百人以上の鎧を身に着けた兵を、一度に相手にすると言うのは。土台(どだい)、無理がある話なのだ。


「何を、ちんたらやってやがるんだ?お前ら!!」

威勢のいい声を発しながら、筋肉隆々の大男三人組が。前に居る兵士を押し退けて、ラミスの前に立ちはだかる。……その内の一人は、(ゆう)に二メートル超える巨躯(きょく)であった。

──ドカッ!

ラミスは渾身の蹴りを放つも、その屈強な体に阻まれぴくりとも動かない。

「……なんだぁ?蚊でも止まったかぁ?」


「そっ、そんな……。」

その大男は明らかに廊下の兵士こと、ゲイオルグよりも遥かに強かった。

大男の、巨大な戦斧がラミスに襲いかかる。

「くっ……。」

流石に、これを喰らっては一溜(ひとた)まりもないだろう。ラミスは必死に、これを回避する。


「お姉様ー!!」

姉を心配し、悲痛な叫びを上げるミルフィー。

「ミルフィー、待ってて……。すぐに助けるから……。」


──バキッ。

「うるせぇんだよ!!」

ミルフィーが指揮官らしき人物に顔を殴られ、地面に倒される。……口の中を切ったのだろう、ミルフィーの唇からは血が滴り落ちていた。


ななななななななっ……。

「ゆっ、許しませんわよ!貴方!!」

怒りに震えるラミス。急いで倒れているミルフィーの元に向かうラミスだが……。当然ながら、ラミスの前には巨漢三人が立ち塞がり通る事が出来ない。


退()きなさい!」

──ドカッ!

ラミスは必死に蹴りを放つが、やはり屈強な体を持つ大男には全く通じていなかった。


「お退()きなさい!!」

──ドガッ!!

残念ながら、ラミスの渾身の蹴りが全く効かず余裕の表情を見せる大男達。

「へっへっへ……。」

大男達は(たま)らず笑い出す。


退()け──────!!!」

──バリバリバリッ!!

突如稲妻が走り、辺り一面に凄まじい轟音が鳴り響く。


「プリンセス"雷帝(らいてい)"!!」


──ドガシャーン!!

まるで(いかずち)が落ちた様な、雷鳴音が轟いた。

ラミスの放つ、その一撃は。稲妻を走らせ爆音を轟かし、鎧もろとも三人の巨体を砕き撃ち貫く。


──プリンセス神拳(しんけん)究極奥義、百七式プリンセス雷帝脚。

しかしその大技は、まだラミスが扱える様な代物では無かった。……ラミスには、まだ早過ぎたのである。

その雷帝(インドラ)の如く脚技は、ヘルニア兵を撃ち砕くと共に。……ラミスの脚も吹き飛ばしていた。

ラミスは、そのままミルフィーを殴り付けた兵士に飛び掛かり殴りつける。

「……貴方だけは、許しませんわよ!」

「ひいぃぃぃぃぃ!」

──ドガッ!


……ラミスは、ぼろぼろになりながらも。ゆっくりと立ち上がり、妹ミルフィーに微笑みかける。

「待ってて、ミルフィー。貴女だけは、必ず助けるか……ら……。」


──ザシュ!

ラミスは背後からヘルニア兵に斬りつけられ、そのまま無情にも大地に沈んで行く。

「い、いやぁー!お姉様ー!!」

そんなミルフィーの、その叫び声すら。……もう、ラミスの耳には届いていなかった。


「ごめんなさい、ミルフィー……。助けてあげられなくて、ごめんなさい……。妹一人救えない、無力な(わたくし)を許して……。」


ラミスは薄れ行く意識の中、何度もミルフィーに謝り続けた……。

ヘルニア兵達は、倒れているラミスに集まり。ラミスの首を狙いを定め、そしてその刃は無情にもラミスに向かって振り下ろされる。

──ザシュ!


ごめんなさい、ごめんなさい……。

助けてあげられなくて。……ごめんなさい。

──ザシュ!


……ラミスは何度も謝り続けた。

──ザシュ、ザシュ!!


「うぐはぁっ!!」

「がはっ!」

悲痛な叫び声を上げるヘルニア兵士達。その双刃により、幾多のヘルニア兵達が切り裂かれ吹き飛んでいく。


…………。

──!?


「……え!?」

その者は双剣を手に。


「……ま、まさか!?」

一度に、十数人のヘルニア兵を(ほふ)り。


「……そんなっ!」

その背中からは、白銀色の闘気(オーラ)が煌めき立ち。


「そんな事って……。」

敵陣の真っ只中、悠然と(たたず)むその姿は────。


「お姉様!?」

四姉妹の長女、リンの姿だった。


挿絵(By みてみん)


「貴方達……。よくも私の可愛い妹達を、こんな目に!絶対に許さないわ!!」

k様より、リンお姉ちゃんを頂きました。

ありがとうございましたー!

゜+(人・∀・*)+。♪

わーい♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
プリンセス真打ち登場か!? しかし、ラミスは死なないと再生しないだろうから、今後の活躍の為に止めを刺されないとなあ(゜ω゜)
絶体絶命のピンチに、リン姉さんが来てくれましたね! それに強い! ということは、ナコッタ姉さんが幻術系の力なんですね♪
姉リンの能力はなんだろ? 双剣を強く扱える達人になるとか? (´・ω・`) とりま姉の居場所が判明ですね〜! (・∀・)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ