第236話 「真っ白に燃え尽きましたわ」
「…………。」
すると突然、シュヴァイン王子は慌ててラミスの元に駆け寄り、ガタガタと震えながら涙を流し始めた。
「ラ、ラミスー!?一体誰が、こんな酷い事をー!!」
放心状態のラミスを抱き起こし、大声で泣き叫ぶシュヴァイン王子。
……いや原因、お前じゃね?
「畜生ー!!ラミスには絶対に酷い事をするなと、部下に言っておいた筈なのに!後で見つけて必ず、そいつを処刑してやるー!!」
……いや。目の前で父を処刑した上、こんな薄暗い牢屋の中に閉じ込めたのは、全て君だよね?
「…………。」
涙を流し、ラミスに抱き付くシュヴァイン王子だが……。ラミスには既に立ち上がる気力も無く、突っ込む気力すらも失われていた。
まるで魂が抜き出たかの様に、ラミスは虚ろな瞳で天井を見上げていた。
「後で必ず処刑してやるー!覚えてろー!ぬぎぎぎぎぎぎぎ……。」
……じゃあ何処でも良いので、勝手に野垂れ死んでくれ。
確かに今ラミスが気力を失っているのは、人狼王の強さが原因ではあるのだが……。
元々の原因を辿れば全て、お前の所為だよね?……と、ラミスは心の中で突っ込んでいた。
「…………。」
──パーン!
とりあえずイラッと来たので無言で、お殴りに遊ばせられるラミス姫様。
──パパパパパパパパ!
終始無表情で殴り、ラミスは三人をぽこぽこにして牢屋の中へと放り込んだ。
「いつまでも落ち込んでなんて、居られませんわー。」
頬に手を添えて深い、ため息を付くラミス姫様。……そしてラミスは、外に向かって走り出して行った。
──ドゴォ!!
激しい雷を脚に宿らせ、豪快に蛇王を蹴り飛ばすラミス姫様。
いつまでも、落ち込んなんかは居られない。道が無ければ、自らの力で切り開けば良いだけなのだ。
ラミスは、そう心に誓ったのだから───。たとえこの先に、どんな強敵が待ち構えていようとも……。決して諦めず、戦い抜くとラミスは誓ったのだ。
確かに人狼王は強敵なのかも知れない。"剣王"が二人掛かりでも倒せない、真の化け物なのかも知れない。
その人狼王を討つには、数え切れない程の修行の日々が必要になってくる事だろう。
──しかしラミスは、そこに一筋の光明を見出だしていた。
それは蛇王を倒した時の経験値が凄い事である。……それはもう、すんごい。
「たんまりですわー。」
経験値がたんまり貰え、ガンガン強くなっていくラミス姫様。
今までの長い鍛練の日々に比べれば、それはもうかなりの雲泥の差であった。……ラミス姫もほくほくで、にっこり微笑む程の経験値の量だった。
「ほくほくですわー♪」




