第232話 「ここまま殺〈や〉られる訳には行きませんわ」
「グヌッ……。」
だが先程まで勝利に勝ち誇っていた筈の人狼王の表情が、次第に固まり恐怖の表情へと変わっていく。
「一人では死なんよ!」
──!?
ベルモント将軍の目は、まだ死んではいなかった。
「人狼王よ、冥土へは貴様も道連れだ!今だ、バラン!俺ごと、人狼王を斬れ!!」
「グッ……。放セ、貴様ァ!!」
その場を離れようと必死にもがく人狼王だが、時は既に遅かった。
……いや"剣王"の刃から、最初から逃れる術は無かったのである。
「許せ、ベルモント!貴殿の死は、決して無駄にはせぬ!オオオオオオオオオオ!!!」
──ザシュウ!!
流石に王の名を持つ獣であろうとも、"剣王"の放つ渾身の一撃には耐える事は出来なかった。
"剣王"の刃により、その首は断たれ……。人狼王は、その場にドサリと崩れ落ちる。
古の獣であろうとも……。王の名を持つ獣であろうとも───。
流石に首を斬り落とされては動ける筈も無く、この長い戦いは遂に終わりを告げる事となった。
「ぐっ……。」
重症を負い、その場に崩れ落ちるバラン。
「バラン将軍!」
そんなバラン将軍の元へ、ラミスは急いで駆け寄っていく。
「ぐっ、姫様……。俺は後で構いません。先にベルモント将軍の蘇生を、お願いしてもよろしいでしょうか?」
バランは祖国を守る為、その身を貫かれながらも身を挺して勝利を掴み取った、ベルモント将軍の身を案じていた。
「……ええ、やってみますわ。」
神々の力"蘇生の力"により、再び死の国から舞い戻るベルモント将軍。
「終わったのですな……。」
「ああ……。貴殿の、お陰で何とかな……。」
戦いが終わり、静かに微笑む両雄。
「すぐミルフィーに来て貰いますわ。」
ラミスは神々の力"伝達の力"を使い、遠く離れた姉ナコッタに話し掛ける。
そして神々の力"治療の力"を持つミルフィーを、こちらに送って貰う様に姉に頼んだ。
「終わったのね、ラミス……。」
「……ええ、その様ですわね。ナコッタお姉様。」
「ラミスお姉様ー!!」
"転送の力"で、こちらにやって来るミルフィー。笑顔で手を振り、はしゃぎながら勢い良くラミスの胸に飛び込んでくる。
「ミルフィー。すぐにバラン将軍とスレイヴ将軍の治療を、お願い致しますわ。」
ミルフィーに宿る"治療の力"で瞬く間に回復するバランとスレイヴ。
「終わったのね、ラミス。」
「……ご無事でございましたか、姫様。」
姉リンとゲイオスも"転送の力"でラミスの元へ駆け付けた。
「……ええ、お姉様。」
「貴方も良く戦って下さいましたわね、ゲイオス。感謝致しますわ。」
ラミスはゲイオスに労い感謝の言葉を述べた後、次に身を挺してラミスを庇い、力尽き倒れたクリストフを黄泉返らせる。
「姫、ご無事で何よりです。」
「ええ、クリストフ。貴方のお陰ですわ。」
その後、城門の外でヘルニア帝国軍の足止めしていたレティシア将軍と五人の隊長達も無事に戻り、ラミス達と合流した。
皆の無事を確認し、安堵するラミス。
「良く戦って下さいましたね。皆、無事で何よりですわ。」
「姫様……。」
皆の無事な様子を見て安心したラミスは……。ようやく、この長い戦いが終わった事を実感した。
( ̄□ ̄;)!!「殺れー、バッコロ!オレが死んでも朱雀の力で甦れる!!」
( ・∇・)っ────о
「許せ、モン!あの世で恨むなよ!魔貫光斬法!!」




