第223話 「力を合わせ、挑むのですわ」
──!?
「"剣王"!?……そ、そんな。」
この大陸に四人しか居ない"剣王"。しかもその実力は、同じ"剣王"の称号を持つベルモント将軍をも上回る強者なのである。
……その恐ろしい闘気の前に、圧倒されるラミス達三人。
──しかし。
「ラミス!!」
姉の言葉で我に返り、ラミスは戦う覚悟を決める。
……ラミスは退く気は無かった。姉ナコッタに宿る神々の力"守護の力"を使えば、ラミス達は安全かつ確実に戦う事ができるのかも知れない。
だが、この三人なら───。
今の成長したラミスなら、たとえ"剣王"の称号を持つ強者であろうとも、僅かに勝てる可能性は残っているのでは無いだろうか?
「行きますわよ!」
「はっ、姫様!!」
「やってやるわよ!!」
剣を構え"剣王"に挑む三人。
「らっらー♪ですわ!」
ラミスは華麗な舞を踊り、死せる魂を死者の国から呼び寄せる。……黄泉返り、復活を果たす"剣王"ベルモント。
「馬鹿なっ!?……死者を黄泉返らせるだと!?」
流石に神々の力に驚きが隠せない、ヘルニア帝国の"剣王"。
「ふふふ、ですわー。」
……この、どや顔である。
この四人なら……。ラミス、リン、クリストフ。そして"剣王"の称号を持つ、ベルモント将軍が居るならば───。
たとえヘルニア帝国の"剣王"が相手だとしても、必ず勝利する事が出来るに違いない。
ラミスは雷を走らせ、稲妻と共に強烈な一撃を放ち。
リンは白銀色の闘気を煌めかせながら、神速の一撃を放つ。
クリストフは心眼で狙いを定め、風を斬り裂く剣閃を放ち。
ベルモントは大地を斬り裂く、凄まじい"剣王"の一撃を放った。
四人の放つ渾身の一撃が、ヘルニア帝国の"剣王"に襲いかかる。
──ザシュ!
……しかし四人の力を結集させようとも、その圧倒する実力を持つヘルニア帝国の"剣王"の前に、ラミス達は為す術もなく破れ去った。
……いや正しくは、ベルモント将軍以外が相手にすらならなかったと言うのが正しいのだろう。
「……むぅ。」
何時もの様に薄暗い牢の中で、一人寂しく寝転がるラミス姫様。……ラミスは神妙な顔付きで天井を見上げていた。
「バラン将軍と、どちらが強いのかしら?」
ラミスは先程の戦いを思い出す。そして身をもって痛感する。"剣王"を敵に回す、その恐ろしさを……。
この大陸に居る"剣王"の称号を持つ人物は、全部で四人。その内の一人、ヘルニア帝国の"剣王"がベルモント将軍より強い事は理解出来た。
……しかしその中で、バラン将軍は一体どのくらいの強さなのだろうか?と、ラミスは考える。
バラン将軍の強さ、そして先程の戦いでのベルモント将軍とヘルニア帝国の"剣王"の強さを想定し。ラミスは頭の中で何度も繰り返し戦わせ、その強さを測ってみた。
そしてラミスは目を見開き、ある結論に辿り着いく。それは───。
「バラン将軍に、直接聞いてみますわー!」
ラミスは元気良く走り出した。




