第222話 「墓場まで持って行きますわ」
「…………。」
──すたすたすた。
「はい、蘇生!!」
ラミスは神妙な顔付きで何時もと違う、ぎこちない動作でくるくる回り奇妙なポーズで決めた。
ぷるぷると震えながら両手と片足を上げ、摩訶不思議な舞をするラミス姫様。……その奇っ怪な動きから、ラミスの心の動揺が感じ取れる。
……むくり。
そして、復活を果たす姉リン。
「…………。」
どんな顔をすれば良いのか、判断に迷うラミス姫様。
「凄いわ、ラミス!これで、また戦う事が出来るわ。……貴女の力の、お陰よ!感謝するわ、ラミス。」
「…………。」
自責の念に苛まれ、良心の呵責に耐えきれず……。罪悪感に押し潰されそうになるラミス姫様。
「……うん?どうしたの?ラミス。」
「そうですわね!頑張りましょう、リンお姉様!二人で協力して、ホースデール王国を救うのです!!」
──キリッ!
「そうね、ラミス!よーし、お姉ちゃん頑張るわよー!!」
にこにこと微笑む仲良し姉妹。
……ラミスは深く考える事を止めた。ラミスは今日の日の事を生涯忘れず、この重い十字架を墓場まで一生背負い続ける事を誓うのだった。
「こっちよ!」
リンは剣を手に、意気揚々と走り出す。
姉を追うラミスとクリストフの二人だが……。その走る最中、二人は強烈な威圧感を感じていた。
二人は理解はしていた……。ラミス姫やクリストフ将軍程の実力者ならば、ある程度の実力を持つ強者が近く居れば、その存在を感じ取る事が出来るのである。
……ラミス達はその異様な強さを持つ存在が、すぐ近くに居る事を理解していた。
「そ、そんな……。」
そこには、敵剣士の前に沈むベルモント将軍の姿があった。
「"剣王"の称号を持つ、ベルモント将軍が倒されるなんて……。」
その光景に驚くラミスとクリストフ。……それも、その筈である。
"剣王"の称号を持つベルモント将軍に勝てる人間等、この世界にたった数人しか存在しない筈なのだから───。
「……あ?何だ、お前ら。戦場には大分似つかわしくない奴が居るな。」
「こいつよ……。こいつが現れた所為で戦況が一変し、ホースデール王国は苦戦へと追い込まれているのよ。」
クリストフ将軍は二人の姫の前に立ち、守る様に剣を構える。しかし、クリストフの表情は曇っていた。
……クリストフは、その男の恐ろしい強さを良く理解していたのである。
「姫様、お気を付け下さい。そいつはヘルニア帝国の"剣王"です。」




