第218話 「ヘビさん墓場〈パラダイス〉ですわ」
「…………。」
「…………。」
辺り一面を静寂が包み込む。……殺ったのか?あの蛇王を、バジリスクキングを討つ事が出来たのだろうか?
……いや。その答えは既に、ラミスとクリストフの二人には分かっていた。
「やっ、やったわ!ラミス、クリストフ……。貴方達二人の勝利よ!!」
──ズシーン!
首を真っ二つに斬られ、大地に沈む蛇王。……そして蛇王が動き出す事は、二度と無かった。
心眼を会得している、ラミスとクリストフには分かっていた。
蛇王の気配が消え、その命の伊吹が潰えた事を既に二人は理解していたのである。
……勝った。ついにラミスは王の名を持つ獣、蛇王を討つ事に成功したのである。
ラミス姫の長い長い修行の日々が、ようやく終わりを告げるのだった。
「……やりましたわね。」
「姫様……。」
そう言って力尽き、その場に倒れ込んでしまうラミス。
「お姉様ー!!」
神々の力"守護の力"を解かれた瞬間、ミルフィーは急いで目隠しを取り、倒れているラミスの元へと駆け出していった。
「お姉様ー!!……って、ギャァァァァアアアアアアアーー!!?0□0」あああああ
……ぶくぶく。
またもや、その壮絶な光景を目の当たりにして、泡を吹きながら卒倒する末っ子ミルフィー。
「あわわわわわわわわ……。0∩0」ヘ、ヘビ……。
……がくがく。
へび、ヘビ、蛇……。そこは大量の蛇の残骸が横たわる、蛇の墓場と化していた。
見渡す限りのへび、ヘビ、蛇。死屍累々……。
……そしておまけに、ぐったりしている巨大な蛇王〈バジリスクキング〉付き。
……ぐったり。
これを見れば、たとえ蛇が嫌いなミルフィーで無くとも卒倒してしまう事だろう。
「ミルフィー!」
ナコッタは急いで倒れているミルフィーの元に駆け寄り、ミルフィーの体を抱き締める。
「お願い、ミルフィー!怖いのは分かるわ……。でも、このままではラミスが死んでしまいそうなの。……リンお姉様も、きっと今頃危険な目に遭っているわ。お願い、ミルフィー。今は貴女に宿る、神々の力"治療の力"が必要なのっ。お願い、勇気を出してミルフィー!」
「はわわわわわわわわ……。0□0」っ
……ぷるぷるぷる。
「うわーん!」
ミルフィーは泣き叫びながらも勇気を振り絞り、大量の蛇の亡骸の中を潜り抜けラミスの元へ走り出した。
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらも姉を助ける為、必死に走り続けるミルフィー。
「ラミスお姉様……。死なないで!」




