第214話 「蛇さんが硬すぎますわ」
「ギシャアー!!」
ラミスとクリストフの二人は、高速で飛んでくる毒液を回避し続け、攻撃を繰り出していく。
ザシュ、ザシュ!!
クリストフ将軍の放つ斬撃が蛇王の体を斬り裂く。……ラミスは毒液を回避し、天高く舞い上がる。
──バチッ、バチバチバチ!!
「プリンセス"マグナム"!!」
──ドゴォ!!
「……くっ。」
しかし残念ながら、硬い鱗に覆われた蛇王の体には"マグナム"が全く通用せず、クリストフ将軍の放つ斬撃もすぐに回復してしまう。
──しゅばばばばばばっ。
高速で飛来する毒液を、ラミスは残像を残し華麗に回避していく。
「……硬い蛇さん、ですわね。」
蛇王の持つ、厄介な強さの三つ目とは……。
その異常な迄の防御力であった。
この目の見えない状況の中では、流石のクリストフ将軍でも高速に動く蛇王に渾身の一撃が放てず、通常の斬撃ではすぐに傷が回復してしまい、致命傷には至らないのである。
これでは幾ら高速で飛んでくる毒液を回避し続けた所で、蛇王に勝つ事が不可能なのは明白であった。
──ドゴォ!!
ラミスは華麗に空中を舞い、凄まじい速度で回転し蛇王の体に強烈な蹴りを放つ。
「ギシャアー!!」
ラミスの脚に雷が宿り、蛇王の巨体を蹴り飛ばす。
悲痛な叫びを上げ、痛みでのたうち回る蛇王。
「…………。」
攻撃が通じないならば、新たな奥義を編み出すしか手段は無い。ラミスは新たな奥義を編み出す為に、最近は新奥義の特訓に励んでいた。
ラミスの新奥義が炸裂し、のたうち回る蛇王。……威力は申し分無い様だ。
ラミスが編み出した新たな奥義の名は"双牙"である。
ラミスは以前使用した"双牙"に改良を加え、"マグナム"の威力を更に上回る新たな奥義を会得していた。
プリンセス"マグナム"は、ラミスの拳一点に雷を収束させ放つ奥義である。その為、ラミスはその間は雷を纏っての移動が不可能となる。
この新たな奥義は、その応用でラミスの脚に雷を収束させるのだが……。
その前にラミスの体を雷で最大限加速させ、蹴りの威力を上げる荒業である。
雷に体を乗せ、稲妻の速度で加速し、そして瞬時に雷をラミスの脚一点に収束させ、そこから凄まじい威力の蹴りを放つラミスの新奥義。
──新たなる"双牙"。
……しかし残念ながら。この奥義は、まだ未完成であった。
体に纏う雷を、一瞬で脚一点に収束させる切り替えが至難の技なのである。
その為、少しでも加減を間違えば……。瞬く間に雷が暴走し、ラミスの体を感電させてしまうのである。
つまり───。
「あばばばばばばばばば……。◯△◯」っ
……こうなる。
「姫ー!!」
すぐに助けに入る、クリストフ将軍。
一応、蛇王には効いている様なのだが……。肝心のラミス姫が雷で痺れ、あばあばしてしまうのである。
「あば……。あばばばば。о△о」あばば
……ぴくぴく。




