第206話 「効率が悪いですわ」
「おのれ……。優しくしてやったのに、何て野郎だ!テメーら、やっちまえ!!」
「イエッサー!」
「ヒャッハー!!」
ヘルニア兵達は急に怒り出し、次々にラミスに向かって飛びかかってきた。
「行きますわよ……。」
──バチッ、バチバチバチッ!!
──ドゴォ!!
次々とヘルニア兵達を吹き飛ばして行くラミス姫様。
目隠しをした程度で、ヘルニア兵如きに遅れを取るラミス姫様では無かった。
……ラミスは、この長い長い戦いの日々の中で。相手の気配を読む事により、この目隠しをした状態であっても、ある程度戦う事が出来る様にまで達していたのである。
「イヤッハー!!」
──プスッ!
ヘルニア兵士の刃が、プスリとラミスの胸に突き刺さる。
──!?
「ギャー!痛いですわー!!>△<」っ
……ごろごろ。
あまりの痛さに、転げ回るラミス姫様。体に痛みが走った瞬間にすぐさま反応し、瞬時に全方向カウンターを放った為、何とか致命傷を免れたラミス姫様なのだが……。
痛いものは痛い。……ラミスは涙を流しながら、ごろごろと転がった。
まあ、この程度ならラミスに宿る神々の力"再生の力"で、すぐに回復するので全く問題無いのだが……。
「ぐっ……。許しませんわよ、貴方達……。」
ラミスは怒りに震えながら立ち上がる。そして目隠しを取り、全ての力を解放した。
「もう許しませんわよ、貴方達!プリンセス"マグナム"!!」
──ズガシャーン!!
ラミス姫の"マグナム"が唸り、ヘルニア兵達を瞬時に血祭りに上げ……。
……ラミス姫様が、優しくぽこぽこにしました。
「…………。」
戦いが終わり、ラミスは気が付いた。
この様な、いつ死ぬか分からない戦い方をしていては、少し効率が悪い事にラミスは気が付く。
……やはりここは北の街で木剣等を使用し、クリストフ将軍達と鍛練した方が効率が良いのだろう。
……それに、痛くもない。
そしてラミスは、もう一つ大事な事を忘れていた事に気が付いた。
エインフェリアの召喚を忘れていたラミス姫様。……不味い、このままでは姉ナコッタや妹ミルフィーの身に危険が及んでしまう。
ラミスは急いでエインフェリア達を召喚し、西の村と北西の村へと向かってもらった。
「……もう一度、作戦会議ですわね。」
ラミスはミルフィーの待つ東の山へと向かい、そして北の街で全員が合流し、姉妹四人で仲良くラミスの部屋に集まっていた。
一応、目を潰す作戦は成功したのだが……。やはり目隠しをした状態では、バラン将軍とクリストフ将軍の力を以てしても、蛇王を倒す事が出来なかった。
「…………。」
三人の表情は重かった。……両将軍ですら倒せない強敵蛇王。
二人が倒せないのであれば、ラミスが強くなるしか方法は残されてはいない。
……しかしラミスが強くなり心眼を会得するまでの間、ラミス達は蛇王の前に敗れる未来しか待っていないのである。
一刻も早く、心眼を会得しようと心に決めるラミスだった。




