第202話 「目隠し生活を始めますわ」
当然ではあるが……。何の武術の経験も無いラミスが、たった六日程度練習した所で、簡単に心眼を会得出来る訳が無い。
「とにかく、慣れるしかありませんわ!神経を……。五感を研ぎ澄まして、心眼を会得するのですわ!!」
──バッ!
勢い良く扉を開け放ち、先ずは"廊下の兵士"ことゲイオルグに闘いを挑むラミス。
「なっ、何だ貴様は!?」
……当然だが、ラミスには何も見えない。
本来であれば既にゲイオルグなど、ラミスの相手になる存在ではない。
だがしかし、この目隠しをした状態では、かなりの重圧がラミスに伸し掛かかってくる。
……ゲイオルグは、こんなにも恐ろしい存在だっただろうか?ラミスは暗闇の中で、底知れぬ恐怖をゲイオルグに感じていた。
そしてゲイオルグはドスドスと足音を立て、ラミスに近付いてくる。
相手はゲイオルグ、一人だけなのだ。落ち着いて戦えば、十分勝てる相手なのである。
……そう自分に言い聞かせ、ラミスは身構えた。落ち着いて対処すれば、目隠しをした状態でもラミスが負ける事は無いのだから。
ラミスは己の五感を研ぎ澄まし、ゲイオルグの気配を読む事に専念した。……そして、自らの拳に雷を集中させる。
「……行きますわよ!」
──バチッ、バチバチバチ!!
ラミスは大きく振りかぶり、ゲイオルグに渾身の一撃を放つ。
「プリンセス"マグナ─────!!」
「お主……。ひょっとして、目が見えぬのか?それは大層困っておる事だろう……。どれ、この俺が外まで案内してやろう。」
「…………。」
"マグナム"を途中で、お止めになられるラミス姫様。
「…………。」
……うん?
「……は?・□・」っ えっ!?
何故だか、理由は分からないが……。いきなり態度を変え、急にラミスに親切になるゲイオルグさん。そして、その行動に戸惑いが隠しきれないラミス姫様。
「目が見えなくて、不安じゃろう……。だがな、辛い事があっても挫けずに頑張るのじゃぞ……。」
……にっこり。
「……ほえ?」
「……いや。……は?ええ?」
……全く意味が分からなかった。ラミスは意味が理解出来ず、ぽかんと呆ける事しか出来なかった。
ゲイオルグは優しく、そっとラミスの手に添え外まで案内をする。
「お嬢よ、そこは少し段差になっておる。躓かぬ様に、気を付けるのじゃぞ。」
「…………。」
一体、何処から突っ込めば良いのだろう?……突っ込みが追い付かない。
ラミスはゲイオルグの不可解な行動に、頭を悩ませるのだった……。
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