第201話 「……私〈わたくし〉でしたわ」
「……え?私に戦えと、仰るの?」
……正気ですの?
ツインデール公国が誇る、二人の将軍。バラン将軍とクリストフ将軍が倒せないのであれば……。
──後はラミス姫様にしか、希望は残されていないのである。
「はわわわわわわわ……。0∩0」
……ぷるぷる。
──つまり、ラミス姫が戦うしか方法が残されていないのだ!
「イーヤーーーーーーーーーーーーーーーーァァアア!!?0□0」……あああああ!?
ラミスは小刻みに震えながらも立ち上がり、希望を胸に蛇王に挑む決意をするのであった。
「ムリー!!」
……ごろごろ。
ラミスは心眼を会得する為に、自ら勇ましく勇者の様に戦場へと向かって行った。……流石、ラミス姫様!
「はい、ムリー!!」
……ごろごろ。じたばた、じたばた。
この程度で屈する、我らがラミス姫様では無い。……さすラミ!
「もう、やーだー!」
……ごろごろ。
「もう、痛いのやだー!!」
……じたばた、じたばた。
「フヒヒヒヒヒヒィ……。久しぶりだなぁ、姫。」
「オラー!!0□0」ルァ。
──ばちこーん。
「ブヒィ。」
……ぼこぼこ。
只今、姫様がポンコツトリオをぼこぼこに絞めてらっしゃいます。……暫くお待ち下さい。
「何・で・す・の?……あのふざけた蛇さんはっ!?」
シュヴァイン王子の襟首を掴み、思いっ切りがくがくと揺さぶるラミス姫様。
「ヘ、蛇……。多分それは、第六王子のシュランゲだな。……ふがふが。」
顔がぱんぱんに腫れ上がり、少し喋り辛そうなシュヴァイン王子。
──ポイ、ポイポイ。
とりあえずポンコツトリオを牢の中に放り込み、ラミスは顎に手を当てて神妙な顔付きで考え込んだ。
「…………。」
……やるしかない。
──ビリっ。
ラミスは意を決し、スカートの裾を少し破った。
「……よし、ですわ。」
ラミスはスカートの切れ端で目を覆い隠し、強く拳を握り締めた。
「蛇さんを倒すまでは……。私、決して諦めませんわ!先ずは"廊下の兵士"こと、ゲイオルグから倒しますわよ!!」
──ラミス姫様。目隠し生活、一日目の開始である。
「…………。」
ラミスは呼吸を整え、精神を研ぎ澄ます。
……スカートの裾を千切り、目を覆い隠し、真っ暗で前が全く見えない状況にラミスは不安と恐怖を感じていた。
──だが、闘わねばならない。
この短く、限られた時間で心眼の鍛練に励めるのはラミス姫。……唯一人なのだから。
ラミスは蛇王に挑む為に、意を決して扉を開け放ち、そして走り出した。
──ガコォ!
「あいたー!」
「…………。」
……くー。
壁に頭をぶつけ、頭を手で押さえるラミス姫様でした。




