第200話 「真のバジリスク、今こそ私〈わたくし〉達の"絆"をお見せする刻ですわ」
「…………。」
バラン将軍とクリストフ将軍の二人が今、懸命に蛇王と戦ってくれているのだろう……。
必死に戦う二人の将軍だが……。その後方でラミスとリンの二人は、何もする事が出来ず歯痒さを感じていた。
たった数日の鍛練で、目の見えない状態で戦う事など出来る筈が無かったのである。……ラミスは暗闇の中、何も出来ない自分の無力さを呪う事しか出来なかった。
「ああ、そんな……。」
姉ナコッタの声から察するに、あまり良い状況では無いのだろう……。
「ナコッタお姉様、状況を詳しく教えて頂けるかしら?」
「…………。」
たとえどんなに辛い状況でも、ラミスは未来を知っておかなくてはならない。……次に繋げる為に、未来を変える為に。
少しの沈黙の後、ラミスの耳に姉の哀しそうな声が届く。
「二人共、懸命に戦ってくれているのだけれど……。あの化け物が強すぎるのよ……。バラン将軍は蛇王の放つ毒液で、もう動けないみたい。クリストフが一人で頑張って戦ってくれているのだけど……。もう……、一人じゃ限界よ。」
姉の、今にも泣いてしまいそうな哀しい声がラミスには辛かった。戦う事が出来ず、何も出来ない自分が悔しかった……。
ラミスとリンの二人は、その悔しさに唇を噛み締める。
元々戦いの経験が全く無い二人なのだ……。たった三日の鍛練で戦えれば、誰も苦労はしないだろう。
ラミスとリンは只、クリストフ将軍が勝つ事を信じて祈る事しか出来なかった。
……せめて、せめてもう少し蛇王の動きが遅ければ、姉ナコッタの指示で蛇王に攻撃する事くらいは出来たのかも知れない。
しかし、戦いの経験が全く無い姉ナコッタでは、蛇王の動きを追う事が出来なかったのである。
「──────────!!!」
姉ナコッタの耳を劈く悲痛な叫びが聞こえ、ラミスとリンの二人は全てを理解した。
──────────。
『42125回目』
「…………。」
無言で天井を見上げるラミス。自らの目を潰し、石化を防ぐ事には成功した。
……しかし、たった三日と言う短い期間では、蛇王に勝つ事は敵わなかった。
あのバラン将軍ですら太刀打ち出来ない、古の怪物|蛇王〈バジリスクキング〉。……その強さは、豚王を遥かに超える強さだった。
しかしクリストフ将軍は、かなり戦えていた様である。目が見えないと言う限られた状況の中では、クリストフ将軍の方が真価を発揮するのかも知れない。
……しかしバラン将軍とクリストフ将軍の二人が勝てないのであれば、全く勝つ術が無く万策が尽きてしまった事になる。
「…………。」
いや、それは少し違った。……答えは、既に出ていたのである。
たとえ公国最強のバラン将軍であろうとも、心眼の才を持つクリストフ将軍であろうとも……。たった三日間と言う限られた時間で、真の心眼を会得するには時間が足りなかった。
……たった三日では。
しかし、たった一人だけ……。たった一人だけ、その日にち制限を受けず、たとえ何日でも鍛練に励める人物が存在するのである。
「何だか、嫌な予感が致しますわ……。」
……だらだら。
何故か、額から汗が止まらないラミス姫様。
──それは一体、誰なのか?
「まあ、誰かしらー?」
……にっこり。
現実逃避して、にっこりと可愛く微笑むラミス姫様。
──そう、それはラミス姫様です。
「イーヤーーーーーーーーーーーーーーーーァァアア!!?0□0」
ああああああー。0□0っ
あ"───────!!
(。・_・。)ノ
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