第109話 「私〈わたくし〉は不死鳥フェニックス。何度でも羽ばたきますわ」
神々の力について話があると、お呼ばれし。ラミス達は、また四人集まって話し合いを始めた。
「……それで、何か分かったのですか?ナコッタお姉様。」
先程ラミスの部屋に、慌てて姉ナコッタが駆け込んで来たのである。姉妹で一番お淑やかな姉ナコッタの、あの慌て様……。一体、何が分かったと言うのだろうか。
「私達に宿る、神々の力について。……詳しい事が分かったわ。」
……え?
一体どうやって?神々の力について、その詳細はほとんどが不明であった。分かっている事と言えば、実際に私達が使っている力と。後は、書物に記載されている物だけなのである。
しかし、詳しい内容が分かったとの事なのだが。姉ナコッタは、その情報を一体何処から手に入れたのだろうか?
……まあ、しかし。流石は我が姉であり、公国一の才女と謳われるナコッタお姉様だと。感心するラミス姫様であった。
「……それは私に宿る、神々の力の一つ。"鑑定"の力のおかげよ。」
「……え?鑑定?」
……それはまた、何かと便利そうな響きの神々の力である。
…………。
「ええ、その力によって神々の力の詳細は勿論。他の人、例えば一般兵や将軍等の詳しい力も、事細かく識る事が出来る様になったの。」
これはかなり便利な神々の力である。この力により、これ迄把握出来なかった神々の力の謎が、一気に解決する事になる。
「それで、どんな事が分かりましたの?ナコッタお姉様。」
頬に手を添え、あらあら?まあまあ。……と、姉に問いかけるラミス姫様。
「それでっ!?私の背中に居るのは、龍なんですか?蛇なのですかっ?」
──バンバン。
必死に涙目で訴えるミルフィー。
「所で、ケーキまだー?」
あまり興味が無さそうな、リンお姉様。
…………。
「私、私ぃ……。可愛いウサギさんがいいですぅー!」
……ぅぅぅ。
どうやら、ミルフィーに蛇さんは死活問題の様だ。
「それなら私も、可愛い猫の方がいいわ。」
乗っかって行くスタイルの姉リン。やはり可愛いは正義の模様。
「私は、フッ……エニックスですから……。おフ……エニックスですから、気に入っておりますわー。」
……フェニックスでは?姫。何やらやたら、"フ"と"エ"を強調するラミス姫様であった。
しかし、そういう問題ではありませんぞ?姫様方。
「と、とりあえず……。鑑定の力で実際に調べてみましょうね。」
……どき土器土岐。
「先ずは、私に宿る神々の力から調べてみましょう……。」
そう言う、姉ナコッタだが。うるうると涙目のミルフィーと、そのミルフィーにひしっと抱き付いて何やら目で訴えているラミスの視線に気が付く。
「……と、思いましたけどぉ。最初はミルフィーの神々の力から、見てみようかなー?……あはははははー。」
……ぐすっ。
ぐすぐす泣いているミルフィーの、頭を撫でるラミス姫であった。
……よしよし。