表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/26

第23話 そしてそれから。

9月いっぱい屋敷で過ごし、領地に帰ってきた。


マルクさんが植林に勧めてくれた樹木の苗木はもう到着していた。

庭師協会で運営している苗物の会社があると言っていたが、仕事の速さに驚く。

堤防の幅を広げ、叩き、植林を行う。


10月の末に、ジルの誕生日がある。それまで一区切りつけたい。


正直…家に帰りたいと、何を買って帰ろう?こんなふうに思ったのも初めてかもしれないな。

庭は紅葉が始まっているかな?新しく植えたというどんぐりの木にはどんぐりが実っただろうか?あの日貰って帰ったブルーベリーの苗木は上手く根付いただろうか?

息子たちがエメリーヌと走り回って笑っているかな?



今までは平気で何か月も家を空けていた。ジャンもいるし、屋敷のことを心配したことはなかった。前の妻が何をしようとあまり気にしたこともなかった。

・・・今になると、もっと気にかけてやればよかったと思う。


まあ今さら、だからどうする、という気もないが。



さて、やはり10月に誕生日だといううちの庭師に、何をプレゼントしようか。


そんなことを考えながら、胸のあたりがほんわりする。




エメリーヌのことは、子供たちに色々聞いた。誕生日が10月だということも。


秋口からジルの入浴もしてくれているようだ。冬の間に乾燥してかきむしってしまうのも、恥ずかしながら知らなかった。ハーブのお湯にゆっくり入って、庭師お手製のクリームを塗っているらしい。


人見知りが激しいという彼女が、私に対して平気なのは、フェリにそっくりだから、ということまで聞いた。違うだろう?お前が私に似たんだろう?そう思ったが、貴重な情報なので黙って聞いておいた。


そうなんだ…。あのおやすみのキスは、本当にフェリだと思っていたのか?変な下心なしで。



そう、それから、なぜ、手袋が外せないかも。



ゆっくり変わっていく庭のように、私たち家族も、ゆっくり変わっていく予感がする。



領地の執務室で、庭師に持たされたよく眠れるというサシュを眺めながら、くすっと笑う。









本編 完です。番外編が続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ