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第13話 おでかけ。

「エメリーヌさん、困ったことがおきまして。」


と、さほど困っていないような様子の執事さんに呼び止められる。


「どうかしましたか?」

「旦那様のご帰還の予定が、また伸びまして。」

「まあ。」


領地に愛人とかがいるのかしら?

で…子供が邪魔だったり?


「実は春先の雪解け水で貯水池の堤防が決壊してしまいましてね。補修工事に行っていたのですが…。」


あら。疑ってすみません。ちゃんとした理由があったんですね。


「堤防の補修工事が長引いているようで、」

「・・・・・」

「もうしばらくは戻れないので、このままエメリーヌさんに家庭教師を続けていただきたいと思いまして。」


あら。楽しかったし、忙しかったからすっかり忘れていましたが、そういえば1か月のお約束でしたね。


「構いませんよ。二人共、とてもいい子ですし。ただ、庭の仕事が予定より遅れてはいますが、大丈夫ですか?」

「いえ。見違えるほど良い庭になりました。中庭も、楽しい庭になりましたし。満足しております。これからも気長ーーにお願いしますね。」

「はい。ありがとうございます。」


きながーーーーにね?うふふっ。執事さんも随分と柔らかい対応になってきましたね。


堤防ねえ。そう言えば東洋の土木工学の本におもしろい堤防の話があったわね。

師匠の所で読んだ覚えがあるわ。

今度、借りに行こうかしら?



おばさまとマルク師匠の所に手紙を出したら、すぐに返事がもらえた。

お茶会の招待状付き。

お屋敷の小さい紳士たちをご招待。うふふっ。おばさまったら。



執事さんに招待状を見せたら、すぐに了承してもらえた。

「社交のお勉強の成果が見れますね。」

そうね。お茶会もいいお勉強よね。


お誘いを受けた当日。

正装したお坊ちゃまたちに震える。もう!惚れてしまいそう。


ジルは夏用のベージュのベストに白のタイ付きブラウス。タイ止めはエメラルド。半ズボンにハイソックス。か、かわいい!!


フェリは白のスタンドカラーのシャツにモノトーンの格子柄のベスト。タイはエメラルドグリーンにタイピンが銀。ジャケットとスラックスは黒。髪を流して押さえてある。か…かっこいい!!


マノンと侍女の皆様が、力入れたわね。本当に、力作よ!!


「エメリーヌも可愛いよ。いつもそんな格好してればいいのに。」


いつもありがとう、フェリ。でもこの格好では庭仕事は難しいよね?


夏用の白いワンピースに、薄い緑のリボン。

公爵家のお茶会に呼ばれていくには地味だが、今日はお坊ちゃまたちの侍女役。

執事さんもバリっと正装。


アシル侯爵家の家紋が入った馬車が用意されて、出発。

使用人の皆さんがお見送りに来てくれた。二人共楽しそうに手を振っている。


・・・そうよね、私がここに来て4か月になるけど、この子たち、外に出たりしていないわね?そう言えば。

たまには出たいわよね。











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