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第10話 夕食。

夕食の準備が整うまで、外国語のお勉強。今は隣国語。

部屋に戻って隣国語で絵本を読みながらの時もあれば、そのまま中庭で遊びながら隣国語だけを話す時間になる。ゲーム感覚よね?

この国の言葉で聞いた質問に、隣国語で答えることもある。

フェリックスはかなり詰め込まれたらしいけど、書く読むは得意でも、声に出すのは苦手みたい。いい機会だわ。

ジルはまだ小さいから、耳が慣れてくれたらいい。


着換えて、7時から夕食。

テーブルマナーを学びながら。

侯爵家の夕食は本格的だわ。いいお勉強になるわね。美味しいし!


どさくさに紛れるように、昼も夕食も同席している。


前の家庭教師は、部屋に運ばせて一人で食べていたらしい。と、いうことは?

この広すぎるダイニングで、子供二人でご飯を食べていたってわけ??


「そうです。」


そうですって…執事さんが一緒に、というわけにもいかないのよね?

朝食はマノンが付き添ってくれているけど。


いたし方なく、ね、私も同席することにしたの。仕方なく、ですけどね。


マナー教育はよほど厳しかったらしく、フェリックスは7歳にして完璧。

ジルは、扱う食器と自分の体格が違い過ぎるから、まだ大変だよね。

もう少し大きくなったら、そうしたら上手になるからね。心配しなくていいから、沢山食べなさい。


お料理が出るその隙間時間に、好き嫌いのお話を聞いたり…ほら、うちの弟はニンジンが嫌いだった。そんな感じの?この子たちは基本的に、出されたものは食べる。

これきらーい、とか言う甘えも許されなかったのかな?


デザートは小さなプリン。

美味しい。バケツ一杯くらい食べてみたいわ。

「おいしいね。」

「うん。ぼく、これ好き。」


そうね。みんなで食べると、美味しいわよね。


食後は簡単なボードゲームをしたり、しりとりゲームをしたりしてゆっくり過ごす。


今日はフェリックスが妙に静かね?

プリンも残したし。

毒舌もなりを潜めているし。

どうした?


8時半になると、マノンがお坊ちゃまたちを呼びに来る。

お風呂に入って、就寝。時間通りだ。


この後、使用人用の風呂を使わせてもらってから、庭師小屋に戻って私も寝るのがこのところのルーティーン。また明日早起きだし。


「おやすみなさい。良い夢をね。」

「おやすみなさい。せんせい。」

ジルがお休みのキスをして、マノンに手を引かれて出ていく。


「フェリックス?どうしたの?」

珍しく、私のスカートを掴んで離さない。顔が…赤い?

「あら?あなた、熱があるのかしら?」

あわてて手袋を外して、フェリックスのおでこを触る。熱い。


抱き上げて、フェリックスのベッドに運ぶ。

執事さんに医者を呼んでもらって、水の入ったたらいを用意してもらう。おでこにしぼったタオルを上げる。

「いろいろあったから、疲れがでたのかな?お姉ちゃん今日はここにいるから大丈夫だよ?」

横になってもスカートを放さないフェリックスにそう言うと、ようやく手を放してうなずいた。


程なくしてきてくれたお医者さんは、水分を取ってゆっくり休めばいい、とのこと。

指示された通りの、水にお砂糖と塩を入れた物にほんの少しオレンジを絞ってもらったものを用意してもらう。


「エメリーヌ様、私が代わりますよ?」

「マノン、大丈夫よ。フェリックスと約束したから、今晩は私が見るわね。あなたもおやすみなさい。ね?」

執事さんとマノンを帰して、ベッドわきの椅子に座る。


さっき少し吐いて、水分を取ったから幾分スッキリしたのかも。

濡らしたタオルで、顔を拭いてあげる。

寝息が少し静かになった。大丈夫そうね。


ジルの部屋でも感じたけど、大人と同じ仕様の子供部屋。殺風景だ。

本棚には、7歳には難しすぎないか?という感じの蔵書が並び、なんていうの?子供らしさが無い。今度、暇が出来たらぬいぐるみでも作ってあげよう。


あとは…体力づくりね。体力ねえ…。まさか、私の仕事を手伝わせるわけにはいかないしなあ…。


寝ているフェリックスの頭を撫でる。

寝ていると、可愛いなあ。起きてるときは生意気だけど。


あ、生意気だけど、元気なほうが良いぞ。


長いまつげ。綺麗な銀色に輝く髪。白い肌。整った顔かたち。

目が覚めたら、ぱっちりとした緑の瞳。いい男に育ちそうね。将来が楽しみだわ。毒舌だけど。



おでこのタオルを替える。











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