第2話
魔界の神殿。
ここは、大金貨1000枚分支払うことで、死者の蘇生は勿論、毒もしくは猛毒、沈黙、石化、呪い、難聴、盲目といった類いの治療を行う場所である。
神殿は、地上・魔界問わずと人間の神官を派遣され、ここ魔界だとしても人間の神官が派遣されていることから、神殿の利用者は、大金貨1000枚という大金を支払うことを義務付けされている。
金額は、基本的に大金貨1000枚は妥当の額らしい。
ただ、余りにも大金過ぎでは無かろうか。
一応、魔界の神という立場上、それなりに資金は持ち合わせているが、底が見え始めているのは、事実である。
≪イキカエルノダ≫
魔界の神殿に仕える、神官之人は御年50歳を迎えた、ベテランの神官である。
あくまでも、自称・50歳らしい。
魔界は、時の流れが異なるから。
千切りの如くで刻まれ、無残な形として遺体となって魔界へと舞い戻って来た、魔王の蘇生を行っていた。
蘇生魔法≪イキカエルノダ≫とは、マナリアルを使用し、蘇生魔法なのである。
見るみると、身体は元の形へと復元し、魔王は目が醒めるなり「我、ふっかーーーーーーーーーつ!!!!!」と叫んだ所、パンッ!と魔界の神によってハリセンで叩かれてしまったのだった。
「いきなりデカい声で叫ぶバカがいるかい!このバカたれ魔王!」
それよりも神官に向かって謝りな!
魔界の神は、とんだバカたれ魔王だと何度も言ったのだ。
「す、すみませんでした!」
「い、いえ。い、いいんですよ。せっかく生き返ったのですから…」
それに大金貨1000枚分もあれば、当分は生活も困りませんし…と、神官之人は、通販のカタログを取り出しながら返したのである。