子狸ポンキチと落ち葉たき
ぽかぽか森の動物たちが、秋の食べ物をたき火でやいていました。
霜月透子様主催のひだまり童話館だより*「ぱちぱちな話」と、
武 頼庵(藤谷 K介)様主催の「24秋特別企画 収穫祭&味覚祭り!!」
に参加しています。
ぽかぽか森では木の葉が茶色や赤に変わっていました。だんだん冬が近づいています。広場では、動物たちが落ち葉を集めて焚火をしています。
火をかこむように大きな石がならべられています。子狸のポンキチくんと子狐のウカミちゃんは、そこに大きな金アミをおきました。
「ポンキチくん。クリをあらってきたブー」
子ブタのブウスケくんとイノシシのボタンちゃんが大きなバケツをもってきました。
バケツにはたくさんクリが入っています。
今日はポンキチくんとブウスケくんたちがひろってきたものです。
イガグリに入っているのを苦労して取り出しました。
なんかいかトゲがささって悲鳴があがりました。
ボタンちゃんがポンキチくんに声をかけます。
「あのねぇ。ポンキチくんに言われたとおりにぃ、水にしずんだクリだけをもってきたよ。ういてたのはすてていいんだよねぇ」
「んとね。水にうくやつは虫がはいってたり、おいしくないやつなの。しずんだやつだけでいいの」
ポンキチくんが答えました。
ブウスケがバケツをたき火のそばにおきました。
「じゃあ、クリをやくブー」
「ブウスケくん、ちょっと待って。クリの皮に切れ目をいれないとダメなの。んとね。そのままやくとパーンってはじけて、とってもあぶないの」
ポンキチくんはナイフを二本とり出して、一本をブウスケくんにわたしました。
そして、ポンキチくんはクリを1つとって、ナイフで切れ目をいれました。
ブウスケくんもまねをして切れ目をつけていきます。
子狐のウカミちゃんがかわいく首をかしげました。
「ポンキチくん。あたしたちも手つだうことある?」
「んとね。ウカミちゃんとボタンちゃんは、バケツのクリをもういちどよく見てほしいの。もしあながあいてるのがあったら、虫がはいってたり悪くなってるやつだから、すててほしいの」
「うん。いいよ」
「なるほどねぇ。やってみるぅ」
ウカミちゃんとボタンちゃんがクリを調べていきました。
あながあいているのが何こかみつかり、それはすてることにしました。
ポンキチくんとブウスケくんは、切れ目をいれたクリをたき日の上の金アミにおいていきました。
全部のクリを金アミに乗せると、みんなはたき火をかこんですわりました。
たき火がぱちぱちと音をたててもえています。
ウカミちゃんが言いました。
「クリがやけるまでしばらくかかるよね。みんなでなぞなぞをやろうよ」
ぽかぽか森の動物たちはなぞなぞが大すきです。
さいしょにボタンちゃんが問題をだしました。
「着ることはできないんだけどぉ。ぬぐことはできるものってなーんだ?」
みんなで考えました。ポンキチくんはすぐわかったみたいで、にこっとしました。
すこしたってブウスケくんが言いました。
「タマネギだと思うブー。皮をぬがせることはできるけど、いちどやぶるともどせないブー」
「ざんねんー。おもしろいこたえだけどぉ、はずれー」
ウカミちゃんがポンキチくんにききました。
「ポンキチくんはわかったみたいだね。あたしわかんない。答えは何?」
「んとね。こたえはクツシタなの。はくものだから、きれないの」
それをきいて、ボタンちゃんはわらいました。
「あはは……。クツシタでも正解かな。あたしはパンツのつもりだったんだけどぉ」
それからブウスケくんがいいました。
「つぎはぼくが問題をだすブー。いつつの玉を集めるともらえるたべものは?」
ポンキチくんはすぐわかったみたいでにこにこしています。
ウカミちゃんとボタンちゃんも少し考えて、ふたりとも「わかった」と言いました。
そんなにふたりを見てポンキチくんは言いました。
「んとね。じゃあ、みんなで答えを言うの。せーの……」
「「たまごっ」」
「正解だブー。かんたんすぎたかな」
ポンキチくんは木のぼうを使って、アミの上のクリを転がしていきました。
なんとなく、クリのやけるいいにおいがしています。
「それじゃあ、こんどはあたしが問題を出すね」
ウカミちゃんが言いました。
「運動会で、かならず一番がふたりいるものって、なーに?」
ぽかぽか森でも、ときどき運動会が開かれます。
ポンキチくんとブウスケくんとボタンちゃんは、答えは何か考えていました。
ブウスケくんが言いました。
「かけっこかな。一番早い子と、一番おそいこがいるブー」
「ちがうよ。それだとどんな種目でもそうなると思う」
つづいてボタンちゃんが言いました。
「つなひきかなぁー。四人が二人づづ分かれて、つなを引っぱりっこするんだー」
ウカミちゃんは首を横にふりました。
「ちがうよ。面白い答えだけど、そういうつなひきは、この森でもやったことないでしょ。あ、ポンキチくんはわかったかな」
「うん。答えは二人三脚だと思うの」
「せいかーい。さすがポンキチくんだね」
「んとね。ボタンちゃんの答えをきいて思いついたの」
クリがだんだんやけて、切れ目が大きくわれてきました。
食べごろになったクリをぼうを二本使って、お皿にどけていきました。
ポンキチくんたちは、少しさましたクリをとって、皮をわりました。
口にいれると、あまさが広がります。
「やきたてのクリはおいしいブー」
ブウスケくんがうれしそうに言いました。
ボタンちゃんもクリを食べながら、あれー? と首をかしげました。
「なぞなぞってー、ポンキチくんがまだ問題をだしてないよねー」
「うん。さいごはぼくの番なの。いくらにげてもおいかけてくるもの。さわることはできるけどつかめないものってなーに?」
ブウスケくんたちは考えこみました。
なかなか答えがわかりません。
「もしかしたらお月さまかな。にげてもおいかけてくるブー」
ブウスケくんが首をかしげながら答えました。
「お月さまってどうやってさわるの?」
ウカミちゃんがききました。
「水たまりにうつったお月さま…… たぶんちがうと思うブー」
「うん。はずれなの」
ボタンちゃんもしばらく考えて言いました。
「むずかしいねー。ほかにヒントはないかなー。それって、ふだんは遠くにいるものなのー?」
「んとね。ふだんはすぐちかくっていうか、くっついているの。ひるまだと、ジャンプするとちょっとだけはなれるの」
ブウスケくんとボタンちゃんは、よけいわからなくなったみたいで首をかしげています。
ウカミちゃんが立ち上がって、ためしにぴょんぴょんとジャンプしました。
「あれれ?」
ウカミちゃんは自分の長いしっぽをふりふりしました。
そして、じっと地面を見ています。
「ポンキチくん、わかったよ。答えはカゲだよね」
「んとね。ウカミちゃん、せいかいなの」
ポンキチくんとブウスケくん、ボタンちゃんはパチパチと拍手をしました。