表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界還りのおっさんは終末世界で無双する【漫画版5巻6/25発売!!】  作者: 羽々音色
二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/187

六十五話


「織田さん、どうする?」


今日は、先日行った新たな食糧調達場所の探索から逆のエリアの探索に来ていた。

車のスピードを落としゆっくりと同じ建物の周辺を3周ほどまわって様子見してから、隣に座るスキンヘッドの警察官が、ハンドルを握る織田さんに声をかけた。


「正面入り口はバリケードで塞がれていて、裏手の搬入口もシャッターが閉まってる。駐車場もワゴンで塞がれているし、普通に考えて誰かいるように見えるが……何かしらの反応もない、か。」


「あぁ。見る限り何か動いている様子もなかったぜ。だよな、柳木さん。」


「……そうだな。」


髭面の警察官の言葉に、同意する。


当然だ。

ここは、昨夜俺が"掃除"したばかりのデパートだからな。


もう一度だけ、ぐるりと周辺を回りながら、織田さんは口を開いた。


「……入ってみるか。」


「入るなら駐車場からだな。やつらの姿もなさそうに見える。俺が先に行こう。」


外に出るのは俺の役目だ。

他の者に任せて何かしらのきっかけで万が一ゾンビに絡まれては困る。


率先して俺がそう言うと、車を運転する織田さん以外の二人も、渋い顔をしながらも頷くしかなかった。

誰だって、わざわざ死地かもしれない場所に降り立ちたくはないだろう。

ゾンビの姿こそ駐車場内には見えないが、あちら側に降り立った瞬間撃たれたりする想像もするだろう。

俺はそれを臆病だとは思わないし、むしろそうしてくれる方が、この先も安心出来る。


織田さんは、タイミングを見てワゴンに平行になるように寄った。


「じゃあ柳木さん、悪いが頼む。」


「あぁ。」


震災対応用活動車の車高の高さを活かし、窓を開けそこから直接ワゴンの屋根へと上る。


ゾンビに恐怖を感じていない俺はそのまま車から降りてワゴンをよじ上るつもりだったのだが、すぐさまこういう対応を考えるあたり織田さんは相変わらずしっかりしている。


駐車場内へと降り立ち、ワゴンの中に入る。


「鍵は中にあった。じゃあ、動かすから入ってくれ。」


無線機を使いそう言うと、運転席側の窓に目張りしてあるワゴンを動かす。

出来た隙間からゆっくりと織田さん達が車で入ってきて、俺はワゴンでまたそれに蓋をする。

ゾンビが一体入ってきてしまっていたが、俺はワゴンから降りて斧を振るいそれを屠ると、その足で織田さん達の車へと乗り込む。


「柳木さん、そんな一人で無茶しないでくれ。」


織田さんがそう言うのは、ゾンビを倒したことだろう。

予定では、多少ゾンビが一緒に入ってきてしまった場合、距離を一旦とってから皆で倒すことになっていた。


だが、そんなことさせるかよ。


力を見せないまま俺一人でやれることなら、全て俺がやる。

それで少しでも皆が安全でいられるならな。


「すまん。が、やつら一体程度どうということはない。」


俺はそう言って軽く謝るにとどめた。


+++++


最大限に警戒をしながらの広い店内の探索は、長い時間を要した。

緊張状態を維持する皆の顔には流石に疲れが見える。


「やつらの姿も、人の姿もない、か……これだけ防備を固めている様子なのに、何故だろう。」


「自衛隊にでも救助されたんじゃねえか?」


物資は一応すぐに持っていけるよう駐車場二階にも設置しておいたのだが、織田さんは店内の探索をしようと言い出した。

様子から、誰かがここに立てこもっているかもしれないし、そうだとしたらそれらの物資を勝手に持っていくのはまずいと思ってのことらしい。


もっともな話なんだが、そこから相も変わらずな織田さんの人の良さがうかがえた。

それを言ったら、トラブルの元にもなりかねないからね、とどうと言うこともなさげに返してきた織田さんが印象的だった。


「無くはないが、可能性は低いだろうな。市役所に来た時もこっち側には初めて来たって言ってたしなぁ。」


「そうだね……柳木さんはどう思う?」


「さあな、俺にはさっぱりだ。こういう難しい話は、織田さん達に任せるさ。」


この場所の物資を使うという結論に至っては欲しいが、俺はその判断を彼らに委ねた。


さすがにまだ全ての探索は終えていないが、一旦駐車場へと戻る。


車に入りぐったりとした様子の皆を見て、実際は安全の保たれている店内をあの状態で長い時間いさせたことに多少の罪悪感を抱くが、こればかりは仕方ないと諦めることにする。


「……取り敢えず、駐車場にある物資を今日は運んでいこう。」


そう言って織田さんはダッシュボードから紙とペンを取り出すと、さらさらとそれに何やら書き込んだ。


「書き置きを残していく。あまり時間もないし、明日またここに来よう。それで何も無いようなら、しばらくここを使っていくとしよう。」


こちらの身元は明かさないものであったが、そのメモを残し反応を見ると言う選択をしたようだった。


織田さんの決定に反対する者はおらず、そのまま皆また車を降り、荷台に物資を運んでいく。

周辺の安全が取り敢えず確保されたこの状況での作業は、店内探索の疲れが残っているとは言っても非常に順調だった。

またつい先日の満足のいかない調達とは違い、パンパンに荷台に物資を積めたとあって、皆の顔は明るかった。


それを見て、俺の顔もほころぶ。

今日の探索が、店内全てではなかったのも良かった。

今夜また、今日探索していない場所に新たに食料を運んでおくとしよう。



さすがに織田さんの部下二人に名前つけた方がいい気がしてきましたorz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓短編リンク↓

黒井さんは、腹黒い?

↑短編リンク↑
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ