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魔術とスキルは同体

次は明日の朝に投稿します。誤字脱字の報告などをしてもらえれば嬉しいです。

「まずね、魔術には二つ、種類があるの。一般魔術と、固有魔術の二つ」


「はぁ、なるほど」


「一般魔術は、誰にでも使える魔術。たくさんの種類があるけど、それこそ、生活で使う、のを覚えるのが多いの。それに、対して、固有魔術は、その人の、スキルが、魔術の基礎になるの。つまり、オリジナルの、魔術が使えるって、こと」


 スキルは魔術というものを媒介にしている、ということなのか?


 まあいい、俺はやって覚えるタイプ。やりながら創意工夫するのが一番だ。


「じゃあまずは一般魔術からだね」





「すごーい、こんなに早く、ライトを覚えれるなんて。やっぱり、アカザは才能あり、だね」


「そ、そうなんですか?こんな松明レベルの光ですけど」


 なんか魔術が思った以上にしょぼかった。


 一般魔術の発動は意外と簡単だった。ただ詠唱を唱えるだけ、恥ずかしくなるだけですむ。一度使えれば二度と詠唱しなくても使えるらしい。でも詠唱すれば魔力消費が抑えられるって聞いたから、そこは自分の魔力と相談だな。


「これがライトだよ。君は天才、かもしれない。魔力量も非凡だし、このまま、固有魔術も覚える?」


「あ、是非お願いしたいです」


 天才なんて、これまで一度も言われてこなかった。こう真正面から褒められると嬉しい。


「うん、と言っても、僕が教えれるのは、少しなんだけどね。固有魔術ってのは、本来自分で作るんだよ」


「・・・・・・え?自分で作るって、一からですか?」


「うん、まあ。正確には、術式を使えるようにしなきゃ、ダメなの。固有魔術は自分の魂にある、スキルという術式を基礎にして、魔術を派生していくの」


「・・・・・・つまり、どういうことですか?」


 俺には考えてもさっぱりわからなかった。


「君はまず、自分にあるスキル、を理解するために、何度も自分の魔術を使わなきゃダメ。何度も使ううちに、できること、がわかる。できない魔術も、スキルと関係が、あれば、そのうち、使える。それは、確実。魔術が使えるってことは、術式が完成したという、こと。ようは、自分のイメージと、努力次第」


 つまり、神から魔術の使い方なんてものは教えてもらえず、自分で魔術を創作していくしかないのか。


 スキルから、それぞれの魔術の術式に変化し、そこから魔術に変化する。


「面白い」


 常識にとらわれない魔術が作れるということだ。それに、俺には二つのスキルがある。魔術の混合なんてことができるかもしれない。


「試しに、僕のを少しだけ、見せてあげる」


「え、いいんですか?」


 これって、魔術を見せることは自分の手の内を明かすことになるじゃないか。


「君は優しい心配をするね。でも、大丈夫、魔術や、術式、スキルを教えること、自分に対して、“制約”を課すことで、相手に対しての魔術の威力が、上昇したりする。そういう風にわざと、縛りをつけて、自分の魔術を、強くする人はザラ。むしろミスリードも狙えるし、教えればいいことも沢山ある」


 魔術の奥が深すぎて覚えきれない気がする。


 まだ初心者の俺には制約なんて使ってはいられないな。


 シャルルさんは、俺と十数メートル離れた。


「だから、見せてあげる。これが、アクセラレーション」


「っ!」


 先ほど作った十数メートルは、瞬き一つで顔と顔がゼロ距離になった。


 え、すごいいい匂いなんだけど。甘い香りだ。


「あの、すごいけど、近いです」


「?そうかな?ごめんね」


「いや、ありがとうございます」


 美少女とこんな距離になったの初めてだから、一応お礼を言っておいた。


「ふふっ、変なの」


 シャルルさんのこの子供っぽくない、けど可愛らしい笑い顔が、一生頭の片隅に残るだろう。


「じゃあ、街を目指しませんか?俺の魔術の勉強に力入れてもらったら、日が暮れちゃいます」


「そうだね、また、ゆっくり頑張って」


「はい」


 異世界はこれからだからな。




「少し止まる、ね」


 一時間ぐらいが経過しただろうか。


 外を見てみると少し日が落ちてきた気がするが、まだ昼間だ。


 外は相変わらずの平野だ。


「なんでこんなに平野が多いんですか?」


「そうだね、確か、ここは戦争で一度焼け野原に、なったはず。その時は、土がダメになって、もう草木が生えないって、言われてたの。でも、奇跡って案外、起きるものだよね。いつの間にか、雑草が生えてきてた。たくましいよね、自然って」


 要するに、ここは戦争中平野にされたのか、何者かによって。


 それは魔術でやったのだろうか?だとしたらすごい魔術師だろう。


「戦争っていつからあったんですか?」


「僕が、生まれる前に、あったらしい。百年前だったかな?」


 意外と近い、百年の歴史は人類にはとても短い。


「僕、少しモンスター見てくる。ここはモンスターが多いんだけど、今日は少ないから、心配。この馬車はそこら辺のモンスターにバレないから、ここから出なかったら大丈夫。そう言えば、君は平野のど真ん中にいたけど、モンスターはどうしてたの?」


 あ、やべ。全然そういうの知らなかったからボロが出る予感。でも、嘘はつかないでおこう。


「いやぁ、いつの間にかあの平野にいまして、迷子になってたんです。幸い、モンスターには会いませんでした」


「・・・・・・ふーん。ついてるね、君」


 流石にキツイ言い訳だろうか?でもこれしか言いようがない。だって本当なんだから。


「じゃ、行ってくる。絶対、じっと、してろ」


 そんなに俺が心配なのだろうか。俺はそんなモンスターが沢山出るようなところに無闇に自分から出たりはしない。


 さっきから窓から景色を見る分には何も言われなかったから、多分馬車の周りまではモンスターに気づかれないんだろう。


 馬車が向かっていた方向を見ると、壁みたいなものが見えた。あれは街なのだろうか。


 寝てても大丈夫かな?いや、魔術の訓練しよ。まずは『幻術』から覚えよう、いや、『催眠』の方が使うか?


 決めきれないからどっちも練習だ。


 まずは、『幻術』のイメージから。俺が使いたい魔術は、俺の姿が幻術として見え、本体が何も見えない状態を作れれば最高かなって思う。


 あとは攻撃なんかも嘘の攻撃を相手に見せて、空いたところを攻撃するなんてのもいいかもしれない。


 そうだなぁ、目の合った敵に幻術を見せるのもいいかもしれない。


 幻術の世界に閉じ込めて、幻術だけで倒す。なかなかロマンがあるなぁ。


『催眠』もロマンの塊だ。


 相手に自分が友達や恋人なんてものに信じ込ませたり、自己催眠で強くなれたりはしないだろうか?


 でも、催眠ってやっぱり人を騙すのに特化しているよなぁ。悪いことに使いたくなる。


 想像を膨らませていると、子供のような声が二つ聞こえた。


 男の子と女の子の声、恋人か?それとも兄妹だろうか。


 ・・・・・・待てよ。外はモンスターだらけなんだよな?さっきはいなかったとはいえ、もしかしたらいるかもしれない。


 カーテンから声の方向を覗く。兄と妹なのだろうか?女の子の方が年齢が低そうだ。小学生と幼稚園児の組み合わせに見える。


 あんな二人が、モンスターを倒せるわけがない。


 どうする?声をかけるか!?

よかったら感想や評価、ブックマークをもらえるとテンションバリアゲなんでなにとぞ!

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