やっと来てくれたね
処女作ですが、最後まで書き抜けるよう頑張るので、応援して貰えると嬉しいです。
「すみませんシャルルさん。パンツ見えてます。あと、おっぱいの輪郭が少しエロいんで気をつけてください」
この光景を俺だけのものにしておく。凡人である俺の脳内シャッターは映像なんてものは記憶できず、できるのはエロかったという思い出だけだ。
俺は後悔しない生き方を選ぶ。遠慮なんてしない。
俺は彼女に伝えた。あとはシャルルさんの返事を待つだけだ。
「・・・・・・ありがと、でも、エッチ」
冷静な声でなじられた。
シャルルさんはもしかしたら、押せばいけるタイプなのかもしれない。なんかここに連れてこられる前もパーソナルスペースの踏み込みがすごかったし。
この人のおっぱいは大きすぎず、丁度いい大きさなんだ。白銀の髪の毛はサラサラのロングヘア、大きいけど垂れている可愛い目、可愛らしい。
「シャルルさん、今度海に泳ぎに行きませんか?」
この人の水着姿多分すごい可愛いと思う。
「・・・・・・ん、いいよ。でもまず、仕事、がんばろ?」
「わかりました。じゃあ仕事頑張ります」
まずはこの人の信用を勝ち取ろう。
「・・・・・・うん。まず最初は、僕の仕事を、見てくれればいいから、緊張しないでね」
「はい、わかりました」
こうして俺の研修が始まった。
●
俺は一流大学ではないが、そこそこの大学を卒業し、外聞上はそこそこの会社に入った。
でも会社はブラックで、すぐに気づいた。この会社は俺に合ってないと。
若者だからそんなことを思うんだと、言われるだろう。俺はそれを否定はしない。でも若者だからこそ、そう思えるんだ。
少し話はそれるが、俺は勉強はそこそこ頑張ってきた。暗記物をただひたすら覚え、数学で論理的思考力を鍛えるこの学校教育は、俺は苦痛で、今の世の中でなんの意味があるのかわからなかった。
もちろんこれは、大学を卒業した程度の若者の発言だ。でも、学校の勉強はあくまで大学のためであると俺は考える。
俺が本当に必要だと思うのは、自分が必要だと思った知識を詰め込み、あらゆることを自分自身で理解するまで考える力だと思った。
そして会社に入って、社会で必要なものは人の顔色をうかがい、言いなりになることだと気づいた。
上司は気分をコロコロ変え、それに逆らっては怒られる。言いなりにならないで生きるのは、社会に反発すると同義なのだ。
だから俺は辞めた。すっぱり未練なく辞めた。すぐにニート始めました。
そして俺は祈った。家でインターネットで稼いだりしつつ、ずっと祈った。異世界に行って楽しく生きていけますように、と。
そうしたら、コンビニに行ったことが最後の記憶で、いつの間にか知らない部屋に来ていた。
そこの部屋には一つの机の上に、ボタンが三つ、手紙が一通置いてあった。
まず、手紙の中を見てみる。内容はこうだ。
「君は異世界行きの一人として選ばれた。君に二つのスキルを渡す。その二つは君の才能で決まる。スキルはスクロールが現地で手に入れることが可能。今回は外に出たら一度出てくる。机の上にあるボタンは物資を配布する。一つは食料、地図、お金、その他生活用品が入っているリュックが貰える。もう一つは武器をランダムで一つ配布、最後の一つは何も貰えない。ボタンを押したらすぐに出現する、ない時は何も出ない。受け取り終わったら右にあるドアから出ると、異世界のどこかにランダムで飛ばされる。では幸運を祈る」
まあボタンなんて悩まないで押すタイプだ。見た目は特に変わったところはない、机の下には何もないし上にもない。ならすぐに一番左のボタンを押した。
何が出るか、頼むからリュック。いきなり何も働く場所がない所に出ても困る。最低限生きていけるだけの物が欲しい。
あれ、出ない、と思ったら武器が出てきた。
終わったぁ。これは気を引き締めなければ死ぬぞ。
異世界といえばモンスターがいる。スキルが今のところわからないのが懸念すべきところだな。
俺が引いた武器は、刀だな。
別に刀とか使えるわけじゃないんだよなぁ。剣道とかやってないし、引いて斬るぐらいしか知らん。
鞘から刀身を抜いてみると、黒の中に刃紋?のようなものがあった。
じゃあ飛ぶか。いくら考えても、その場しのぎで始めるしかない。
俺はドアを豪快に開けた。
出た場所は、平野だった。
え、なんにもないんだけど。寂しくて死んじゃう。
困ったな、食べ物がない。動物もいなければ、植物は雑草しか見当たらない。
勝手に上から落ちてきたスクロールを開く。とりあえず、自分のステータスを調べよう。
スキル 『幻術』 『催眠』
ほほう。なかなかカッコイイものを手に入れたな。
幻術と催眠か、組み合わせれば強くなれる気がする。
ところで、どうやってスキル使うの?
なんだろう、とりあえず祈ってみる?
俺は目の前に猫の幻影が見えるように祈ってみたけど、なんにもならなかった。
「はぁ、とりあえず人に会うしかないな」
俺はこの世界について何も知らない。だからこんな平野はさっさと抜け出さなきゃ。
三十分、適当に歩いた。
一つの馬車を見つけた。乗っけてもらえるというありがたい展開ないかなー。
馬車を見てみると、カーテンがしてある。中を見たらなんかしてるみたいなことがないといいけど。
うん、一応遠くから声をかけよう。
「すみませーん、誰かいますかー?」
思ったんだが、言語って通用するのか?
声をかけると、すぐに女の子がでてきた。
その子は白銀の髪を鮮やかに風に流されていた。
「こんにちは、迷惑でしたよね。俺、えーと、アカザって言います。迷子なんですけど、街に連れて行って貰えたりしますか?」
緊張を隠して話す。
彼女は綺麗で可愛い女の子だが、武器は剣を所持していた。俺も武器を持っているから誤解されることを考えなければならない。
俺は念のため刀を地面に置いた。
「・・・・・・こんにちは。僕は、シャルル。君、すごい魔力だね。魔術師?」
言語は日本語で正解のようだ。
魔術師とは?魔法使いみたいなもんだろうか?
「?魔術師、とやらではないですね」
「嘘ぉ、そんなに魔力溢れているのに、魔術師じゃないなんて。もったいないね」
「そうなんですかね?俺は全くわからないんですけど」
魔力とか見えないし、この人には見えてるんだな。
「・・・・・・アカザ、僕はこれから街に戻るけど、そこまでなら乗ってもいいよ」
「ありがとうございます。とても嬉しいです」
よし、とりあえず街までは行ける。最悪この刀売って金にする。なんかすごく効果な気がするけど気にしない。
「じゃあこっち来て、僕は馬に乗るから、君は荷台に乗るといい。少し荷物が多いけど、気にしないでね」
「はい、わかりました」
荷台のカーテンをめくってみると、たくさんの荷物があった。先ほど寝ていたのか、人一人が入りそうなスペースができていたのでそこに座る。
「じゃあ行くね」
パカラパカラと走り始める。
まあ、多少の衝撃はあるけど、気にしないよ俺。
どうしよう、なんか話振っておくかな。ここの常識を少しでも知るために必要なことだ。
「この荷物ってなんですか?」
「それは、言えない」
普通は言わないか。ここの常識大してわからないけど、商人とかならないしょにするのかな?いや、でも別に隠す必要はないか?まあ言えないなら興味を持つ必要はないな。
「そうですか。ならシャルルさんは何をしてるんですか?その、魔術師ってやつなんですか?」
「・・・・・・そうだよ、僕は魔術師。君はどんな仕事をしているの?」
俺の仕事か、今はニートだからなぁ。正直に言お。
「ニートです」
「・・・・・・?ニートって何?」
おっとここには存在しない職業なのかな?
「働かないで暮らすことですよ」
「それって、無職?」
「はい」
なんか羞恥心というものを地球に置いてきた気がする。
「そっか、やっぱりもったいない。そんなに魔力あるのに」
「俺は、魔術がない生活をしていましたからね」
「そんな・・・・・・生活ができるのっ」
少し驚いたような声で聞こえる。ここでは生活の一部にも魔術が加えられているんだな。
「まあ案外できますよ?でもいいなぁ、俺も魔術覚えたいなぁ。シャルルさんはどのくらい魔術使えるんですか?」
もしかしたら教えてもらえるかもしれないし、そこは覚えたいという欲求を全面に出す。
「・・・・・・僕は、まあ人並みには使えるよ。よかったら、少しだけ教えて上げてもいい」
「本当ですか?ありがとうございます!」
よし、これで防衛手段を覚えた。
あとはスキルだな。これが使いこなせなければ意味がない。
「あと質問なんですけど、スキルってどうやって使うんですか?」
「スキルは、ん、やっぱりこれはあとで話すよ。まずは、魔術から教えてあげる」
馬車がゆっくりと止まった。
「え、今ですか?」
「ん?今だよ?魔術は、早く覚えて使いたいでしょ?」
シャルルさんが笑顔だ。なんて綺麗なんだ。
「そうですね、じゃあお願いします!」
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