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エピローグ。
はるか昔、暗黒の世界、大きな力を持った少女がいた。彼女の名は舞姫。
彼女はその力の大きさゆえに、闇の者に狙われた。
そして彼女をこよなく愛した兄、時葉は禁忌の術を行い、自らを鬼とかした。彼は闇の者となり、その頂点に君臨した。
一族に破門され、人々に忌み嫌われても構わない。妹を守るために。彼は朽葉荒流となった。
彼は闇の者たちの力を自らの内に封じ、この世界に平和をもたらした。だが、数百年に一度力が溢れ、ヒダマリを作る。地獄の業火の元となるヒダマリを。
今でも彼は妹の魂を受け継ぐものを見守っている。
いつか彼の気持ちは通じるのだろうか。
守りたい一心で禁忌を犯した兄。共に育ち、何よりも兄を慕っていた妹。
今もどこかに彼はいるのだろう。
妹と、妹の住まう世界を守るために。身のうちに闇を宿しながら。




