三.偉い人は威厳がある
劉備「ペラペラペラペラペラ!!」
曹操「アハハハハハハハ!!」
やはり劉備は話術が巧みであった。
曹操はこの三日間、彼と話をして“つまらぬ”と思うことが一度もなかった。
彼との会話を重ねるごとに、新たな智を得て、そして新たな謎も得ている。
『話せば話すほど深みが増す。』
勤勉な曹操は、彼の一言一句が、世の教科書には載り得ない『至高の学問』のように思えた。
(劉備を味方に引き入れることが出来た事は、我が人生における最上の幸運やもしれぬ。・・・よし!決めた!!)
劉備を大いに気に入った曹操は、その日、彼と別れた後、とある準備を始めたのであった。
―――三日に渡った祝祭が終わった翌日。
この日は曹操が朝廷へ出仕する日であった。
「―――劉備殿。私と共に朝廷へ参内したまえ。帝に君のことを紹介しよう。」
早朝にて、曹操は劉備の住む宿を訪れ、彼を誘い、準備していたひとつの車に乗って出かけた。
『曹操と劉備』
今や時の人である曹操と、マイナーであるが人徳に定評のある劉備。
二人がひとつの車に乗り、宮廷への道を進んでいる様子を見た民たちは、
「アレよ!アレ!あの背の低いイケメンが曹操様よ!くぅ~~かっこいい!!」
「あっちよ!あっち!あの耳の大きい福耳男が劉備様よ!くぅ~~優しそう!!」
「「二人とも威厳たっぷり!超英雄!!」」
魅力。圧倒的魅力である。
燦々と大地を輝かす日輪の如き輝きを両者は放っている。
「うおっ!? まぶしっ!!」
と、人は眩し過ぎるモノからは目を逸らしてしまう生き物である。
民たちは香を焚いて道を浄め、面前を通る、光り輝く二人の車を拝跪するのであった。