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教団殺しは異界を彷徨う  作者: 銀闘狼
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7.取引

会話が多いです

これまでもありましたがこれからもちょくちょく修正をすると思います


 「取引をしよう」


 俺は目覚めたギルマンにそう声をかけた

 ギルマンは起き上がりながら俺の言葉に少し間をおいて言った


 「取引だと?」

 「あぁ、その前に幾つか聞きたいんだが、【フェルグリア王国】で何があったか知ってるか?」

 「…勇者の召喚の事か?」

 「あぁ、それであってるよ。俺もその国に勇者として召喚されてね」

 「その勇者様が何でこんな所にいるんだ?今頃、城で盛大にもてなされているはずだろ」

 「あいにく、俺は教団嫌いなものでね。取り敢えず、あいつらの神を罵倒して追い出されたんだわ」

 「それで、その教団嫌いの元勇者様が俺に取引とはどういう内容で?」

 「まぁ待てよ。幾つかって言っただろ?お前らは好きで盗賊をやってんのか?」

 「好きでやってる訳ねーだろ。仕事がないからやってんだよ」

 「仲間は大切か?」

 「当たり前だろ。あいつらがいなきゃ俺は何もできねーよ」

 「そうか。じゃあ、本題に入ろう。俺と取引をしよう。報酬は罪科の取り消しでどうだ?」

 「どういう事だ」

 「俺がお前の罪科を消してやるって言ってんだ。それでどうする?」

 「俺にそんな事をして要求は何だ」

 「俺の要求は一つ、俺に【フェルグリア王国】及び勇者の情報を流して欲しい。別に王城に忍び込む必要も何かを聞き出す必要もない。ただ、街とかで流れてくる噂話とかその程度でいいし、最悪奴らに俺との関係がばれてもいい。ただし出来る限り最低一日に一回報告をしてもらう」

 「どうやって報告させる気だ」

 「お前が応じれば説明するさ」

 「俺達が裏切らないと思ってんのか?」


 ギルマンのその問いに大洲は邪悪に顔を歪ませて言う


 「俺が取引しているのは【漁狗】じゃない、お前だよグレゴリー・ギルマン。お前さえ裏切らなければ何の問題もないんだ。それにどうせお前が裏切る事は出来ないしな」

 「どういう事だ」

 「お前が裏切ってその代償を払うのがお前一人だけだとでも思ってんのか?」

 「なっ!?テメー!」

 「どうする?別に拒否してもいいんだぜ?その時は首だけ持っていって金に換えるだけだしな。ただ俺の要求を呑んで素直に従えば罪科は消えるし、仲間は助かるぞ?」

 「この悪魔が…っ!」

 「別に仲間をお前の代理にしてもいい。その時はお前一人だけ逃がしてやろう。拒否した時には皆死んでもらうがな。ちなみに、この選択肢はお前だけの物だ」

 「ふざけんな!仲間を売れる訳ねーだろ!…分かった、取引に応じよう。お前に従う。だから仲間は巻き込まないでくれっ!」


 大洲はその言葉に満足そうな笑みをうかべて言った


 「気に入った」

 「はっ?」


 ギルマンが間抜けな顔でそんな声を出す


 「仲間のために自分を差し出すその精神、愚かだが嫌いじゃない。いいぜ、お前の仲間に手を出さない事を約束しよう。その代わり俺の要求を呑んでもらうぞ」

 「分かった、お前に従う」

 「まぁ、そもそもお前は俺を裏切れないんだがな」

 「どういう事だ」


 ギルマンのその言葉に大洲は呆れた顔をする


 「だって俺に一日一回、それも噂話程度でよくて、最悪王国側にばれてもいいって言ってる時点でその報告が嘘や誤情報でも俺は何の問題もないんだよ。それでどう俺を裏切るんだ?」

 「だったらお前に俺を生かす意味がねーだろ。何故そんな要求をした」

 「意味ならあるさ。お前がどんな奴かを知る事が出来る。言っただろ?気に入ったって。それに拒否さえされなきゃ真偽は兎も角何かしらの情報を得られるから問題ない」

 「俺は試されたって事か。だが、罪科の取り消しってどうする気だ?免罪符でも持ってんのかよ」

 「そんな物あんのか。一応、俺の魔法でやる気だよ」

 「そんな事が出来んのか」

 「まぁな、取り敢えずいらない剣とかないか?」

 「あるが何でだ?」

 「触媒に必要でね。どこにある?」

 「この部屋の手前の右の部屋に何本かあるぞ」

 「そうか、フェンちょっとロープがあった部屋から剣を持ってきてくれ」

 「分かった」


 少ししてギルマンが聞いた


 「あれからどうなった」

 「全員縛って金品を貰っただけだよ。だから捕まった人達は放置している」

 「何で放置してんだよ」

 「いや、だって邪魔だし…」

 「そういう問題か?」

 

 ギルマンがそんな問いをした時、フェンが剣を持って戻ってきた


 「持ってきたよ」

 「あぁ、ありがとう」


 俺はフェンから剣を受け取ると


 「じゃあ、やるぞ」

 「あぁ」

 「汝の罪科よ、剣に移りて祓われよ《転科》」


 俺がそう言うと持っている剣の刃が薄く黒ずんでいく、そしてそれが全体に広がった所でギルマンの罪科が全て消えた


 「終わったぞ」

 「…本当に無くなってやがる」

 「これから報告よろしくな」

 「それはいいんだがどうやって報告すればいいんだ?」

 「あぁ、忘れていた。この石を持って俺の事を考えればこっちに繋がる」


 そう言どうって俺は一個の拳大の水晶の原石を渡す


 「じゃあ、俺達は行くからよろしく」

 「分かった」


 そう言って俺は黒ずんだ剣を持ってフェンと洞窟から出て行った


 -----------------------------------------

 暫く歩いているとフェンが話しかけてきた

 

 「幾つか質問していい?」

 「どうぞ」

 「何で彼を助けたの?」

 「情報は武器になる。それがたとえ偽りだとしてもな。それに実験もしたかったし。後は捕まっていた奴隷に虐待や襲われた様子どころかまともに飯をやっているようだったからな」

 「《転科》なんて魔法あんの?」

 「知るか、あんな物適当にでっち上げたに決まってんだろ」

 「よくあんな詠唱がさらっと出たよね」

 「言うなよ恥ずかしい」

 「何でよ普通でしょ?」

 「元の世界だとイタイ奴扱いされんだよ」

 「ふーん。それよりもその剣どうするの?」


 そう言ってフェンは俺が持つ黒ずんだ剣を指さす


 「そういやー考えていなかったな。そもそも調べてすらいなかったから調べるか」


 そう言って俺は《旧き鍵》で剣を鑑定すると


 ------------------------------------------

 名:罪科剣【ギルマン】

 武器種:長剣/魔剣      HP260   

 スキル:治癒阻害

    :HP・MP吸収 (小) 

    :威圧

 ------------------------------------------


 「・・・」

 「どうしたの?」

 「魔剣化しちゃったけどいる?」

 「えっ?」

 「鑑定してみろよ」

 「うん…うわーないわー」

 「やっぱこの名前はないよなー」

 「そっちじゃないから、スキルの方だから」

 「弱い?」

 「いや、強いから。ねぇ大洲、少し自重しよっか」

 「善処するよ」

 「信用できない」

 「心外だ。それでいるか?」

 「一応貰っておくよ。だけど魔剣って分かると面倒だよ」

 「偽装してるから問題ない」

 「それでどこ行くの?」

 「取り敢えず隣国の【キノア王国】かな」


 そんな事を話しながら俺達は【キノア王国】を目指して歩いて行った 


 後にギルマンは奴隷商として名を残すことになる事を二人は知るよしもなかった

キノア王国に着くと思います

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