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教団殺しは異界を彷徨う  作者: 銀闘狼
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1.召喚と脱出

初投稿です

誤字脱字等々の不慣れな所がございますが宜しくお願い致します

 俺-大洲たいす 拓郎たくろうは周りのクラスメイトが戸惑う声を聞きながら状況確認をしていた

 見知らぬ石畳の敷かれている事や周囲の鎧を着た人物が何人も立つ石壁、そして正面の城にも外国にある大聖堂にも見える建物がある事から先程までいた高校の教室でないことは明確だった


 そこまで俺が状況を把握すると建物の二階辺りのベランダから鎧を着た数人の男と純白のドレスを着た金髪碧眼の美女が出てきて


 「皆様お聞きください。わたくしは【聖フェルグリア王国】王女メイアスと申します。勇者様方、どうか魔王を倒しこの世界に平和をもたらしてください」


と言った


 その言葉を聞いたクラスメイト達が騒がしくなる。それはそうだろう。突然の事に加え、小説や漫画ではよくある展開だが、自分達が異世界召喚される経験などないためとても信じられないだろう--しかし、何事にも例外というものが存在する


 「知ったことか。さっさと元の世界に帰らせろ」


 俺がそういうと、メイアスは


 「申し訳ありませんがそれはできません。あなた方は偉大なる神・【ゼノス】様のお力によって召喚されたのです。なので、全てが終われば【ゼノス】様の神託によってその方法が分かるでしょう」


 と答えた。そして目に涙を浮かべ


 「すみません。しかし、あなた方が頼りなのです」


と言った


 その言葉と、浮かべた涙をみてクラスメイト達が俺を非難する様な視線を向けた


 俺はこの国に対して不信感を抱いていた。

 何故なら、仮に魔王を倒しても、神託によってその方法が分かる可能性があるのであって、確実に帰れる保障がない。何よりメイアスは「全てが終われば」と言っていた。魔王の討伐以外にも何かやらせる可能性がある。さらに最後に浮かべた涙をこれまでの経験が嘘であると断じていた


 そのため、俺はここから出るためにメイアスの逆鱗に触れるであろう言葉を言った


 「魔王を自由にさせている挙句、他の世界から誘拐してその尻拭いをさせようとするとは【ゼノス】って奴は神にしてはあまりに無能過ぎやしないか?」


 メイアスは一瞬、無表情になると次の瞬間憤怒に顔を赤く染めた


 「偉大なる【ゼノス】様に何て事を!この無礼者を叩き出しなさい!」


その怒声が終わると同時にメイアスの後ろに控えていた鎧を着た男達の内の二人が俺に近寄り、皆が黙って見ている中で両腕を掴んで外に向かって引きずっていった


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 大洲が二人の騎士に引きずられて行った後、メイアスは咳払いした後、恥ずかしそうに頬を赤く染め、目の前にいるクラスメイト達に頭を下げ、謝罪した


 「お見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした。【ゼノス】様を侮辱されるとどうしても熱くなってしまいまして。それでは勇者様方どうぞ中へお入りください」


 メイアスがそう言うと目の前の建物の両開きの重厚な扉が開かれた。クラスメイト達はメイアスの言葉に促される様に中に入っていった


 中は西洋の大聖堂の様な造りになっており、中央には拳程の大きさの水晶が5つ横一列に並べられていた。クラスメイト達がそれを興味深そうに見ていると下に降りてきたメイアスが説明した


 「これは鑑定水晶という魔道具アーティファクトです。これに手を当て魔力を流すとその人物のステータスを映す事が出来ます。ご覧の通り5つありますのでお試しください」

 「王女様。魔力ってどうやって流せばいいんだ?」

 「その様子だと勇者様方の世界には魔法がなかったようですね。そうですねぇ、手を当てた水晶に力を伝えるといった感じでしょうか」

 「分かりました。試してみます」


 そう言ってクラスメイトの一人――天星勇輝あまほしゆうきが前に出て水晶に手を当てる。そして力を籠めると水晶が青白く輝きだし、真上の中空に水晶の輝きと同じ色の5m程の文字が書かれた板が現れた。そこにはこう書かれていた

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 名:天星勇輝

 性別:男           ・STR 1500   

 種族:人間(異世界人)   ・CON 1800

 スキル:祝福ギフト《勇者》    ・DEX 2000

    :火属性魔法     ・POW 1600

    :水属性魔法     ・DEF 1900

    :風属性魔法     ・MDE 2000

    :土属性魔法     ・HP 27000

    :光属性魔法     ・MP 30000

    :鑑定

    :限界突破

    :異世界言語理解

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 祝福《勇者》

 ・勇者固有祝福(ギフト)。《剣術》、《身体能力強化》、《聖属性魔法》、《頑丈》、《HP、MP回復(小)》の複合スキル

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 そのファンタジー感のある光景に他のクラスメイト達はどよめくと共に、彼が勇者である事を納得していた。何故なら彼は学校では正義感が強く、容姿端麗、文武両道と評判で女子にもてていたからだ。思い込みが強い所もあるが皆、その事は大して気にしていなかった


 彼のステータス公開をきっかけに他のクラスメイト達も水晶に手を当て一喜一憂していた。その姿を陰で欲望と悪意が入り混じった不気味な笑みで見ているメイアスにはこの場の誰も気付きもしていなかった

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 しばらくして、俺は城(推定)から出て街を抜け、森が見えると男達に問いかけた


 「なぁ、俺はこれからどうなるんだ?」

 「お前の様な奴は魔物の巣に捨ててえさにするんだ。誰も助けに来る事はないから安心しろ」

 「そうか…。じゃあ、お疲れ様」


 俺はそう言い能力を起動する。それと同時に二人の男が金属音を立てて倒れた。俺はそれに一瞥することなく森に向かって歩きだした。後に残ったのは一瞬で年を取ったようなやせ細った二つの死体だけだあった


彼女達は知らなかった。元の世界で彼がダ〇ン秘密教団をはじめとした幾つもの邪神教団を少数または単独で壊滅させ、狂信者達から【教団殺し】として恐れられているという事を。そして、その力は下級の旧支配者グレートオールドワンを単独で屠るほどだという事を


今、【教団殺し】と呼ばれた探索者が異世界に解き放たれた



次回、大洲のステータス公開予定です

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