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満月の夜  作者: 姫奈
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記憶は瞳の中で

こんばんは。また手に取ってくださりありがとうございます。

それでは Let's show time

『頑張れ~!』『ファイトー』『走れ走れ!』クラスの子たちの声援が響き渡る。

今の種目は唯が出ている男女混合リレー。ちなみにちょうど唯が走っています。

(唯走るの早!? あんなに早かったっけ?)

少し前まで一緒のペースで走ってたのに走っている姿を見るととても早く見えた。

「凜! やったよ私1位だよ!」

おめでとう! めっちゃ早かったね。と答えると唯は嬉しそうにニカッと笑った。

 姫様と笑い顔はとても良く似ていて思わず私は…


 「ねー唯、紗耶香 どこ回る?色んな屋台あって私決められないや」

中学生の種目が一通り終わり今から高校生の見せ所夜祭。少し後に花火もあがるみたいでみんなわくわくしてる。と思うと唯も紗耶香も彼氏が… あぁぁ、私には見えない。私には見えないよ(現実逃避)。

「やっぱ祭りといえばわたあめでしょ! どこかn…あった!」

さっきから周りをキョロキョロしていた紗耶香は綿飴の看板を見るなり目を輝かせて飛びついていく。それを追いかけるかのように空良君も後を追った。

私は最近知ったけど、空良君と紗耶香は付き合ってるみたい。中1の時に紗耶香が告白したらしく中1の夏から付き合い始めたらしい。どんなエピソードがあったのか気になるけど今はそっとしておこう(汗

唯はさっきから大西君にメロメロだし、 居づらい。

やっぱそーですよね。私みたいな異国の者には居づらい世界ですよね。

 でも、やっぱり羨ましいなぁ。 きっと今の時間が一番幸せなんだろうな。

「ごめん唯。私ちょっと席外すね」

私は気が付けば走っていた。


 『バーン』花火が打ちあがる。綺麗な星空に一つ、また一つと花火は打ちあがっていく。

少し遠めの場所にはカップルたちが屋台の周りをうろうろと花火を見上げながら回っている様子が見えた。

「私もあんな風に誰かと一緒に花火を見たいな」

ボソッとこぼした独り言。淡い光を放つ蛍に身を包ませながら花火をよなよな見ていた。

「凜、こんなところにいたのか。」

天宮先輩の声。 花火が奇麗だね なんて言いながら花火を見ていない彼の瞳は私のほうへ向けられているように感じた。 蛍もきれいですよ などと答えながらちらりと下を見る。

羨ましいオーラを放ちながら私はしばらくぼーっと花火を見ていた。

「凜は妖精っていると思うか?」

私は少し驚きながら冗談交じりに いるわけないじゃないですか そんな非現実的な(笑)。

「俺はいると思うんだ。きっと神様だっている。 世界って素晴らしいと思わないか?

水があり風があり草花がある。そして人がいて心がある。俺はこんな世界に生まれてきて良かった と言えるようになりたい。 俺実は元々天界ってところにいたんだ。妖精しかいない世界。

凜も天界から来たんだろ?」

 急に話が… 頭が混乱している凜に優しく微笑みながら

「凜、俺と一緒に天界へ帰らないか? そして俺と付き合ってくれ。」

(え、天宮先輩? んっと えっと ??)

凜は告白されていることに気が付かなかった。理解できたのは天宮先輩が同じ天界の人。

同じ妖精だということ。


 ――「はいはい。いい雰囲気のところ申し訳ございません」

手を叩きながら茶髪っぽいショートヘアの…羽がはえた? え、妖精が私の前に立っていた。

「ユン・エミルです。凜さんをお迎えに参りました。 それでは早速蓮さんと一緒に帰りましょう」

にこにことしているユンは誰かに似ているような気がした。きっと真弓に似ているのだろう。

(そういえば真弓の本名って マユ・エミル だった気がするな)

強引に手を引かれ暖かい光に包まれていく。そして私の記憶は途切れていった。

 

 目が覚めると目の前にあったのは懐かしい家の天井。微かに香る母さんの香水の香り。

それに交じって焼きたてのこんがりとしたパンのにおい。

「お姉ちゃんやっと目が覚めた」

そういいベットの隣に椅子に座っていた弟のユウ。ぶっきらぼうな性格だけど本当は優しくて自慢の弟。

母さんの呼び出しをくらって階段を下りていく。私も一緒に下りていった。

母さんはかなり驚きながら 「朝ごはんだよ」と温かく微笑んだ。

「そういえばリン。ユンさんからお手紙が届いていたよ」

丁寧に書かれた文字は私を誘っているかのようだった。

『 リン・エトワール殿。

 お目覚めになられたでしょうか?もしこの手紙が届いたのならばすぐに城下町にある第2図書館へお急ぎください。 ユン。エミル』

とのことだった。私は急げと書いてあるもののゆっくりと朝食をとり図書館へ足を運んだ。

図書館を入ったところでユンは手を振り私を呼んだ。

小声で「お待ちしておりました。それではついてきてください」

そういってユンは館内の奥へ歩いていく。かなり図書館の中は広く入り口は見えなくなりそうだった。

一冊の本をユンが手に取ろうとすると本棚が静かに音を立てながら動いていた。隠し扉だ。

「お入りください」

私は隠し部屋の中へ入る。そこで見た光景は私には見たくもない真実であった。

「今日読んだのは紛れもないレンさんのことです。レンさんは昨日、死亡しました。」

目の前が真っ暗になる。そして一番初めに思い出したのはあの花火の日。

蛍が周りをうろうろしながら周りを飛び交いきれいな星空に一つ、二つと花が咲く。

そして彼の笑い声。

「あの日のことを覚えていますか? 光に包まれた後を。」

私は首を傾げた。ユンにおもてを向け 何があったのか問いかける。

「ごめんなさい。私が不甲斐ないばかりに。 あの日魔女教に襲われたのです。

 レンさんは私たち、いやリンさんをかばって… ごめんなさい…ごめんなさい」

ユンはかなり泣いていた。その部屋にムービーカメラがおいてあり私はそれに意識を向けた。

「それ…は 記憶のカメラで…す。 リンざんのぎおぐ…が残ってる はずです…」

泣きながらも話してくれた。少し言葉がおかしくなっていたけれど私はそのカメラを手にした。

映っていたのは私の記憶と彼の記憶。

なぜか私が笑う姿が多く映っており、彼にとって私はあんな風に映っていたんだな と思わされた。

そして私の記憶の中に 彼の姿が残っていた。

花火の時の記憶のあと、いったん真っ白になり再び声と映像が流れ出す。

魔女教が襲ってきて彼が必死に引き留めようとして魔法こそ逃れたものの、のちの一人が持っていた短剣で胸部を思いっきりと突き刺され、彼から赤黒い液体、血がかなりの量を流れていた。

彼の瞳に映っていた 泣いて助けを求める私の姿に

「リン。君だけは生きてくれ」

彼はそう言っていた。

そして、それが彼の最後の言葉でした。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

このお話はこれで完結です。(少し長いお話をお聞きください)


この話は本当は バットエンド、トゥルーエンド ハッピーエンドと3つ書くつもりでした。

ですか本編を書いていく途中に少し悲しめの(自分ではそのつもり)終わり方で書いてみても

ありかなぁ?と思いそういう風にしてみました。

凜ちゃんの恋は叶うこともなかったですが、 元々蓮を凜が殺してしまう終わり方にしようとたくらんでいたので、そうならないでよかったのかな?なんて考えちゃってもいます。


またほかの作品を考えたら書いていこうと思いますので末永くお付き合いくださいm(__)m


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