フィールドワーク
日が昇り始め、暖かい陽の光と澄んだ空気を元に人々が活動しだす時間、マリーは母親からどやされギルドに仕事を貰いに来たがギルドの受け付け嬢と昨日会った少女について話をしていた
このギルドは片田舎だけあってこの村一般家庭と同じくらいのとても小さい建物で職員もマリーの幼馴染一人である
「で、その後はどうなったの?」
「特に何も無かったよ、普通に家帰ってから一緒に寝たくらい」
「なーんだ、その子はまだおねんね?」
「いいや、お母さんが家の掃除するからって玄関前に追い出されて本読んでる」
「大人しくて良い子じゃない」
「玄関前で葉巻吸われてるから困ったちゃんだよ…」
「子供がタバコ吸ってるなんてとんでもない時代ね…」
「…スミマセン、ワタシガウリマシタ」
「あんたねぇ…」
昨日出会ったリリー改めローチの話を2人がカウンター越しで話しているとギルドの扉が開けられる
「あら…あの子が?」
受付が小さくローチを指さす
「ん?ああそうそう、ローチちゃんどうしたの?」
そう言いながらマリーは近づいて来るローチの方を向きカウンターに寄りかかる
ローチはカウンターの右側の壁沿いにある依頼版に向い依頼表を眺め始める
「お前がちゃんと仕事に行ってるか見てこいと言われた…」
「げぇ‼︎」
「ップ…あんた言われてるよ」
「今から行くから!お母さんには言わないで‼︎」
「あんたねぇ…」
「お母さんは何してた⁉︎」
「洗濯」
マリーが狼狽えている中ローチが依頼版の紙をいくつか手に取りマリー達の方へ寄り手に持っている紙をマリー達に差し出す
「これはなんだ?」
「それは依頼票よ、そこに書かれているお仕事をするとお金が貰えるのよ」
カウンターに胸を押し付けるようにもたれかかり受付がローチを見下ろす
「だとしたら仕事が全く片付いていないぞ」
そう言ってローチは紙をヒラヒラと揺らす
「いーのよそんな慌ててやるもんでもないし、その内おっちゃん達が小金稼ぎで受けに来るから」
「…」
そう言われカウンターの上まで挙げていた手を下げ依頼票を見つめると…
「じゃあこの仕事、俺がやる」
「「はぁ⁉︎」」
「なんだ、悪いか?」
驚きの声を上げた2人に対して不服そうな顔で見上げるローチ
「村の外は危険だからダーメ」
「まぁ良いじゃないの、ゴブリン達の活動期まではまだ少しあるし持ってる依頼票もたかが薬草取りなわけだし一緒に行ってきなよ」
「でもぉ…」
「とっとと行くぞ」
「え?、も〜待ってよ〜」
ローチがそう言い依頼票を持ったままギルドから出て行きマリーはその後をついて行くしか無かった…
場所は変わり村から南に数キロ離れた平原でリリー達はいた
「この葉っぱをあつめるのよ」
「ん、こいつなら前に見た事あるな」
「ならよかった、あとお花の部分と最後の葉っぱは取っちゃダメよ、来年取れなくなっちゃうから」
「了解」
「あとゴブリンが出たら絶対に逃げること、あんまり遠くまで行かないこと、お日様がてっぺんに来たら私のとこに戻ること…」
「…了解」
「それじゃあ始めましょうか!」
………………
(集め入れての繰り返し。前にやったのは面倒だったが…雑で良いこっちの方が楽だ)
(しかし…まさかパラサイトファイターゴブリンがいるとはな…しかし飛行中のゴブリンを目視できたらもはや手遅れではないか?そもそもゴブリンは護衛機と聞いていたが…)
(村にも対空砲の1つも無かった、魔法とやらでミサイルでも出すのだろうか…)
そう思いながら目的の薬草を千切っては村を出る前に渡された籠に入れて回ってると遠くに誰かいるのに気付いた
(緑肌の人種とはな…まぁ別世界と考えたら無理もないか)
そこにいたのはローチよりも一回り大きいゴブリン3匹だったがローチの中のゴブリンは人づてに聞いた航空機の方であり、目の前を通り過ぎているゴブリンはこの世界特有の人種だと思っていた
しかしローチの姿を発見したゴブリンは奇声を上げるや否やローチの方へ走って来るのに対してローチは惰性にまみれつつ薄っすらと察する
(あー思い出したぞ…バリーの持ってたゲームで同じ名前の奴がいたな、たしか棍棒棍棒片手に中世の蛮族よろしく村を襲ってきてたな)
そう思い出してる間に既にゴブリンの一匹はローチに向かって棍棒を振り下ろしていた
「こっちもこっちで…世知辛いぜ全く…」




