ライフ
爆音と硝煙の香りが漂い雲か煙かわからないモヤが空を覆う昼の砂漠、その中で仰向けになり寝ている男が一人
彼の腹からは血が流れていたが砂と暑さが混じり黒く、そしてドロドロになっていた
「ドジっちまったなぁ」
意識が朦朧とする中ため息を吐く様に呟いた
彼は物心付いた時には食事を取る為に戦っていた、壊れた民家から拝借した包丁を使い哨戒中の一人になった兵士を物陰や屋根から、時には交戦中の中負傷した兵士やすでに死んでいる兵士から携帯食料や水を奪う生活を送っていた
しかしいつの時期か傭兵に拾われ食事を与えられ、弾薬の運搬を手伝いつつ様々な傭兵から訓練を受けていた。とは言っても傭兵達からしたら子供と遊ぶ感覚だったが彼は幼いながらも技術を飲み込んで言った、銃の使い方や射撃は勿論格闘や狙撃弓の使い方や馬の扱い方等傭兵によって教える物は違ったが彼は傭兵になるには教える物全てが出来ないとなれない物だと当時思っていた
そんな幼少期を過ごしていた彼は傭兵になるとその活躍は凄まじかった、古株だらけの少数精鋭で成り立っていた雇い主だったが為若くて優秀な兵は宝の様な存在だった。
経験や技術はもちろん年が近かった為か若手の育成にも一役買っていた、彼は遊び感覚だった為か若手達もいつの間にか日常的に高等技術を出せる程に育っていた
暫し時が経ち、練度の高い傭兵を抱える様になった会社は次第に大きくなり、同じ様に彼も年を取っていった
この日も戦車隊の随伴兵として活動していた
随伴兵と言っても戦車の群れを仲間の所まで送り届けるだけの簡単な護衛任務のはずだった
だが事前情報で安全と言われていた場所で彼は死を迎えようとしていた
砂丘のおくに隠れていたを持ったゲリラに波状攻撃の様に奇襲され間隔を空けていた戦車が中途半端に集まり格好の的となった結果戦車の殆どがやられる程の惨状だった
戦車がやられた後も敵が押し寄せ交戦していた彼だったが銃を向けた相手が悪かった
少年だった、彼は戸惑ってしまったが銃を再び握り直す、しかし彼の人生を終わらせるには十分な時間だった…