First Weapon
バンバンバンバンバン!
「龍兄〜!学校遅れても知らんぞよ〜!」
俺の部屋をノックする?いや、叩くといったほうが正確だろうか。弟が俺を起こしにきたようだ。うるさい…。
「もう、先に行っちゃうぞょ〜!朝ドラ見ないのかそうろう〜?」
多分昨日時代劇か何かをみたのだろうが全く使えていない…。うざい…。
俺の弟は、この前中学への入学式が終わり。数週間たった今日、本格的に学校が始まるのが今日だから今このはしゃぎようなのだ。
弟も、小学のほうがいいと思うのもそう遅くはないだろう。きっと…な。
弟がうるさいから俺は朝食を食べることにした。
ドアを開けると満面の笑みを浮かべた弟が立っていた。
「キモイぞ」
「えー、それ酷くるしゅうない〜?」
「おかしいから使うのやめろ、それ友達できんぞ」
キリッ!という顔をすると弟は
「やめます!」
俺はこいつのこういう素直なとこがどこか憎めないのである。
弟と一緒に一階に降りるといつもの食パンが食卓に置いてあった。
親は共働きで朝早くから仕事に出かけていた。
だから、朝食はいつもこんな感じなのだ。
我が藤巻家の家族は四人家族で弟・俺・母・父となっている。
弟の名は、藤巻 檄。
一応大事な俺の弟だ。
時刻をみると八時半になっていた!
やばい!!急いで制服に着替えると鍵を持ちそそくさと弟と家をでた。
食器の後始末は……帰ってきてからでいいだろう!
そう勝手に自分で決めると俺は家をあとにし学校への通学路を歩き始めた。
俺の名は、藤巻 龍。
中学三年。成績 普通。部活 野球。
生まれてここまで何もなかった。
本当に何も、なかった。
学校は嫌いな訳ではないが好きでもない。
そんな俺の脳裏にある昔の記憶がぽっ、っと浮かび上がった。
俺にも大きな出来事が一つだけあった。
確かにあったのだ、戻ってやり直したい。
思い出したくない。
そんな思い出したくもない出来事を頭の中で少しだけ思い出していると気づけばもうあと数十分で学校に辿り着くところまで来ていた。
しかし、いつものところにいつもの奴がいなかった。
「あれ?王士郎くんは?」
檄が、俺の親友のうちの一人の名前をだし、聞いてきた。
「そろそろなんだかな…」
「まさかの、寝坊!!?」
「あほか!助さんは完璧主義者だぞ?」
「だよね〜•••」
俺は、腕時計をみながら少しだけ背後を確認してみたが助さんはいなかった。
「先に、行っちゃったんじゃない?」
「•••ふむ、なら、行くか」
「うん!」
俺は、檄と再び歩き出した。
そこからは、特に何もなく。
俺達は、校門をくぐり抜けた。
校門をくぐると檄がまるでテーマパークに来た子供のような顔で言った。
「じゃあね!お兄!授業さぼんないようにして!それでは!また放課後に!!」
「お、おう」
檄の言葉に気圧されながらも返事をした。
よし、今日一日頑張るか!!という気持ちのスイッチを入れると。
下駄箱に向かい、靴を履き替え、教室に向かった。
ガヤガヤと学校の廊下や階段は賑わっていた。
三年二組の教室の前についた。
教室に入ると、唯一無二の二人の親友が朝の挨拶をしてくれた。
この二人の、紹介は今度にしよう。
え、なぜかって?
時間もないし…何より眠いんだよ!
「龍くん!おはょおー!!!!」
「やっときたか、龍」
一人はまだ朝だというのにまるで観光にきた客に対してすごいテンションの高いツアーガイドさんのような挨拶。
一人は何処かの一流IT企業の冷たい社員のような挨拶かどうか微妙な挨拶。
タイプの違う挨拶が一気にきたので俺はどういう挨拶を返せばいいのかわからなくなったから。
俺は、思い切った挨拶をした。
「ボ、ボンジュール!!!!」
ああ、外したか。
「あっはは!龍くん朝からおもしろーい」
「フッ、悪くない」
内心俺は外したんじゃないか?
と、不安だったが安心したところで始業ベルが鳴った。
「龍くん!そろそろテストの準備すれば?」
「ふむ、そうすることをすすめよう」
「テ、テ、テ、テスト!?」
「まさか、三年だけでとり行われる総まとめテストがあるのを知らなかったのか?」
「一限目からあるぞ?」
確かに俺達三人以外は机の上で教科書を見つめるものもいればノートに何やら書きつけているものなど多々いた。
そんなテストがあるならメールかなんかで言ってくれよ。
俺は二人との友情に疑いを覚えた。
「しょうがない俺が絶対でるであろう問題を教えてやろう」
「僕にもね〜助さーん?」
「愚問だな」
二人との友情を疑った俺がばかだった。
やはり最高の親友だぜ!
二人のやりとりを見ながら俺は暖かい気持ちになっていた。
助さんのアドバイスを聞き、大体昔の内容を思い出したところで俺は席についた。
翔夜は頭を抱えていたが大丈夫だろうか。
ガラガラ
ドアが開くと教師が教室に入ってきた。
「起立。礼」
「おはよーございます」
いつもどうりに挨拶が行われた。
朝の挨拶が終わるとテスト用紙がいきなり配られた。
先生は、何も話さないがどうしたのだろうか?
体調でも崩したのかな?
と、先生の心配を俺は何となくしていると
先生がテスト用紙の他に何か違う物を配布しはじめた。
「なんだ?」
俺はこの時少しの不安が横切った。
配布されたのはシャープペンシルだった。
「今日は、このシャーペンだけを使ってください」
なっ!?はっ!
「このシャーペンは特別でとても使いやすく、長い時間字を書いていても疲れにくいことから今回のテストから配布されることになりました。なお、このシャーペンはテスト終了時全て回収します」
確かに 軽さ 書き心地 もうしぶんなかったが怪しすぎる。
真っ黒で、なにかを奪うかのような嫌な威圧感が俺には伝わった。
若干戸惑っている者もいたが。
「わー!書きやす〜い!」
「うおーー!すげーー!スラスラかける!」
などと浮かれている者もいた。
その中に、もちろん翔夜はいる。
アホだなやはり。
「このシャーペン以外の物は使ってはなりませんよ。あ、消しゴムは用意して下さい。」
「「「「「「ハーイ!」」」」」
みんなテストに集中し始めた。
あと数分でテストが始まる。
ふー、テストさっさと終わらせて助さんと翔夜と俺の三人でバッティングセンターにでも行こう。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
テスト開始のベルがなった。
俺は、名前から書き始めた。
テストの基本だろ?
三年二組 藤巻 龍
名前を書いた瞬間俺はとんでもない頭痛に襲われた。
キーーーーーン
頭が割れる!何も見えない!
もうろうとする意識の中で助さんは?翔夜は?みんな無事か?と必死に凡人並みの思考回路をフル回転させた。
「くっ、俺の予感が・・・当たっちまう・・・・なんて・よ・・・」
世界が真っ黒になると俺は気を失った。
すごく疲れました。
学校と小説の両立は難しいです。
まあ、学校より断然小説を読んだり書いたりする方が楽しいですけどね。
あー、疲れふっとべー!
次話も、よろしく!