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現代における魔法の定義  作者: 揚羽常時
ザ・ワールド・イズ・マイ・ソング
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セナという少女08

「水月!」


 とレイが水月を呼ぶ。


「あいあい?」


 と水月はお冷を飲みながら答える。


 レイは言った。


「俺と決闘しろ!」


「決闘って何ぞ?」


 正直な水月の言に、


「…………」


 セナは沈黙し、


「「「……っ!」」」


 ガクリとレイおよびお供がずっこける。


「そんなことも知らんのか!」


 レイは激昂する。


「知らん」


 水月は遠慮なく言う。


 お冷を飲みながら。


 そして視線をセナにやる。


 セナと視線が交錯すると、


「……やれ」


 とセナは呟いて、


「決闘っていうのはこの世界における非戦闘区域での戦闘を可能にするシステムの事なのよ。説明するのも馬鹿らしいけど」


 そう心外といった様子で説明してくれる。


「決闘って言っても色々あるだろう? ガンマン同士の決闘とか……あるいはサムライ同士の決闘とか」


 そんな水月の言葉に、


「まぁルールは色々あるわね」


 セナはつまらなそうに口にする。


「で、レイだっけ? そっちのアーチャーとマジシャンは?」


「シオンだ」


「花子です」


 その瞬間、シオンと花子の頭上に緑色のポインタと名前が表示される。


 アーチャーがシオン。


 マジシャンが花子。


 そういうことらしかった。


 レイが言う。


「決闘をするぞ。まさか否とは言うまいな水月?」


「それはいいんだが……」


 考えるようなそぶりを見せた後、


「一対三って有りか?」


 そう提案する。


「はぁ?」


 と馬鹿にしたように言葉を弄すレイ。


「なめてんのか?」


 挑発ギリギリのレイの言葉に、


「いや、アーチャーやマジシャンも含めて決闘をすることができればこちらも得るモノが大きいと思ってな」


 本人の意図はどうであれ挑発で返す水月だった。


「俺たち三人を相手取って勝てると思ってんのか?」


 そんなレイの言葉は常識的だったろう。


 しかし水月は不敵に、


「いい勝負が出来ると思うぜ?」


 そう返す。


「本気なの水月?」


 これはセナの言葉。


「嘘ついてもしょうがないし見栄を張ってもしょうがない状況だろう?」


 肩をすくめて水月。


「よーくわかった」


 レイが言う。


「要するに殺されたいんだな?」


「え? 命かけなきゃならんの?」


 水月の疑問に、


「まぁハーフヒット制でいいだろう」


 とセナ。


「ハーフヒット制って?」


 首を傾げる水月。


「やれやれ」


 と首を振ってセナは、


「ヒットポイントの半分を削られたら負けっていうルールの決闘のことよ」


 と補足してくれる。


「ダメージによっては……例えば半分ギリギリまでヒットポイントを削られた後に強力な一撃で一気にヒットポイントがゼロになったりは?」


「しないわよ。自動的に半分を超えないように制限がかかる様になっている」


「なら結構」


 そして、


「しかし」


 と水月は言う。


「俺のステータス防御特化だぞ? 自分で煽っといてなんだが勝負になるか?」


「大丈夫よ。決闘にも色々ルールを設定できてね。今回の場合ならステータス均一が特に有用よ」


「ステータス均一……というと全員が同等のステータスで臨めるってことか?」


「そうよ。それから戦闘スキルのレベル制限もある。この二つのルールを使えば水月、あんたでも互角に戦えるんじゃない?」


「スキルのレベル制限はいらん」


「いや、しかし……」


 少しの驚愕に目を見開きながらセナは滔々と説明する。


「レイたちの平均レベルは70よ? 並大抵じゃないスキルを持ってるのよ?」


「むしろそれくらいでちょうどいい。抗魔剣の使い方を覚えたいからマジシャンには参加してもらいたいし、弓矢の性能も見たいからアーチャーにも参加してもらいたい。そして戦うというのなら高レベルスキルを体感するのは損とは思わない」


「…………」


 セナもレイたちも沈黙するのだった。


「で?」


 水月は問う。


「どこで決闘やるんだ? ここで始めるのか?」


 チョンチョンと腰にさした剣の柄の先を指でつつく。


「本当に三体一でいいんだな?」


 レイが問う。


「構わんよ」


 水月が答える。

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