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現代における魔法の定義  作者: 揚羽常時
冬のある日の唄
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スノーマジックファンタジー22


 轟音が鳴り響いた。


 別段考慮に値しない現象ではあったが、戦闘に特化した水月は覚醒せざるを得なかった。


 回るベッドで真理と二人寝ているところにコレである。


 用件はわかっている。


 クリスタルの殺害。


 イクスカレッジ中にばらまかれた指名手配。


 その一番槍だろう事は水月とて察せる。


 その上で結界を探知および反転でき、なおクリスタルを滅却出来る人材に水月は心当たりがあった。


 炎術師。


 フレイム=クーパー。


「おい!」


 と氷の女王とクリスタルの部屋に押し入る。


「あ……」


「え……」


「ああ……」


 脱力してパタンと扉を閉める。


 水月は廊下側だ。


 氷の女王……アイス=カレイドとクリスタルは夜も良い頃だというのにハッスルしていた。


 当然爆発音は聞いているはずだが、性的興奮を途中で止めるのも難しいのだろう。


 百合百合な空気に当てられて水月が仕切り直しするのも必然だ。


「ふむ」


 しばし悩む水月だった。


「いったいどちらが『お姉様』なのだろう?」


 と。


 特に意味も意義もない疑問だったが。


「いいですよ~」


 言われて入室する。


 真理も少し遅れて合流した。


 ちなみに水月と真理の間には何も起きてはいない。


 真理の方に打算が働いても、そう云うのは共同作業であるため、相手方の了承を得なければどうしても片手落ちになる。


「ともあれ」


 百合百合な交合はこの際置いておき、


「とりあえず対応するぞ」


「クリスタルちゃんを狙う賊ですか?」


「賊というのならクリスタルの方だろうがな」


 水月も中々に辛辣だ。


「まだアイスがいってないよ?」


「…………」


 真理のジト目。


 状況認識の齟齬に対するツッコミでは無い。


 水月と事に至れなかったとばっちりである。


 水月は軽くスルーしたが。


 吹雪の中、服を整えると、


「どうしましょう?」


 氷の女王は進展を水月に問うた。


「籠城か迎撃か。二つに一つだな」


「ふむ……」


 水月としては、


「面倒な奴らは皆殺し」


 が信条であるため迎撃したいのだが、そうなると今度はクリスタルを危険に晒す。


 ソコまで述べて、


「後はお前らで決めろ」


 氷の女王とクリスタルに委ねる。


 どちらにせよ脅威の排除は必須事項だ。


 早いか遅いか。


 明確な違いではあるが結果論に頼るならば同一でもある。


「では迎撃しましょうか」


「よしきた!」


 氷の女王とクリスタルはそんな結論を良しとした。


 であれば、


「俺としてはフォローするだけだ」


 水月は言う。


 真理も同意した。


「とりあえず反転するぞ」


「え? 基準世界に?」


「軽んじる命は多い方が良い」


 要するに、


「攻撃を止めないならイクスカレッジを襲う猛吹雪も止まないぞ」


 と云う脅迫だ。


 実質的な考慮については実はあまり考えていないのだが、ともあれシュプレヒコールとしては威力を持つ。


 そんなわけで基準世界に反転。


 クリスタルによる猛吹雪がイクスカレッジを襲った。


「ちなみに」


 と水月。


「ラーラと忍は大丈夫かね?」


「聡い二人ですから心丈夫かと」


 真理が朗らかに答えた。


「だぁな」


 宿舎にはコタツも布団もある。


 猛吹雪にも耐えられるだろう。


 そしてソレは何もラーラたちに限った話ではない。


 ホテルを出ると辺り一面が炎の海と化していた。


「パウダーフィールド……!」


 氷の女王が戦慄する。


 パウダーフィールド。


 炎の庭。


 即ち領域を区切った結界の一種。


「テステス」


 気楽な声が聞こえた。


「役先生が荷担してるのは聞いていたが……さすがに上手く事は運ばんか……」


 シンメトリカルツイントライアングルからの情報だろう。


 炎の一現ひとうつつ


 炎術師ことフレイム=クーパーが炎の海を背にして対峙していた。


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