表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代における魔法の定義  作者: 揚羽常時
RE:ラグナロック ~人々の黄昏~
364/545

怪物と呼ばれる者よ08


 水月は、シャッターを切った。


 ブランド服を着こなしている真理を、撮るためだ。


 二十枚ほど取った後、真理がパソコンにデータを吸い出す。


 ブログに、複数枚、画像をアップして更新。


 タイトル。


「にゃは~」


 本文。


「ボーイガールの秋服買っちゃった。可愛い割に結構安くて云々かんぬん……」


 そんな感じ。


 瞬く間に、コメントが寄せられる。


 ただ、それだけで、数十万の広告料が得られるのだから、濡れ手に粟だ。


 ましてアンデッド。


 何時までも若いままでいられる。


 永遠を手に入れたアイドルである。


 水月はエロゲをしていた。


 研究室の生徒部屋。


 ラーラの技術によって、常に最新のパソコンが常備されている。


 メモリ。


 SSD。


 素早くエロシーンに辿り着く。


 無論一番の要因は、水月の熱情だが。


「エロゲするくらいなら、私としましょうよう」


 ラーラが言った。


「兄貴! エロゲするくらいなら、俺を抱いてくれ!」


 忍も言った。


「お風呂以外でも、仲良くなりたいな」


 椿も言った。


「…………」


 真理は、アイドル活動中。


 ブログのコメントに対処しながら、カタカタと打鍵する。


 水月は、それに茶々を入れるのだった。


 エロゲと並行して。


「なら三人で襲おうよ!」


「ふむ」


「一理あるね」


 ラーラと忍と椿は、猛禽類の目をしていた。


「先輩!」


「何だ?」


「兄貴!」


「何だ?」


「水月!」


「何だ?」


「「「お覚悟!」」」


「お前らがな……」


 水月は、平然と金色夜叉を展開する。


 弾き飛ばされる三人。


 正に「アホ」としか言いようがなかった。


「何でよう!」


 ラーラが吠える。


 不満は、泥濘となって、ラーラを浸す。


「ビッチに興味はない」


「でもアクションを起こさないと、リアクションは帰ってこないし」


「一理あるな」


「いいことしよ?」


「風呂でも聞いたな」


 水月がそう云うと、


「「「……っ!」」」


 かしまし娘が、椿を睨みやる。


「困ったね」


 苦笑い。


「水月。それは僕たちだけの秘密じゃ……ないかな?」


「自業自得だ」


「水月?」


 真理が、打鍵しながら問う。


「ヤったの?」


「ご想像にお任せする」


 無論これは牽制だ。


「ゲイだ」


 と思われた方が、かしまし娘を抑えられる。


 代わりに、とんでもない十字架を背負うが。


「まさか裏ロンドンでも!」


 このラーラの疑問は、杞憂だ。


 基本的に、水月は、プライムを邪険にする。


 その上で行動しているため、間違いの起こりようはずも無い。


 が、ソレを理解してないラーラにとって、プライムはれっきとした恋敵だ。


 水月の知ったこっちゃないが。


 というより、


「不名誉を超えて侮辱の域にある」


 とさえ思う。


 面倒くさいので、言わない水月だった。


「でも」


 とは真理。


「なんだかんだで、プライムには優しかったですよね?」


「節穴だな」


 さっくり。


「兄貴?」


「何だよ」


「ゲイなのか?」


「不名誉だ……」


「僕の事は?」


「路傍の小石」


 心底から、水月は言った。


 真理しんりだ。


 神之真理かみのしんり


「ウガー!」


「ガルル!」


「キシャー!」


「フシュー!」


 それぞれに、威嚇する四人であった。


 水月にとっては、十把一絡げだ。


「はぁ……」


 嘆息するのも致し方なし……ではあろう。


 あくまで、水月の側面で見れば、だが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ