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ぶらんこ

作者: 皐和

キー、キー……



ゆらゆら

ゆらゆら



ふりこみたいに


行ったり来たり

行ったり来たり


あの日、あの時

あのぶらんこに、乗ったよね





「ぶらんこ貸してー」

「嫌だ、まだ乗りたいもん!」




脳裏に映る、幼い自分




「ダメでしょ、貸してあげないと」




怖いお母さんの顔


でこぴんされて、大泣きして、渋々ぶらんこを手放した、幼い自分




「いい子だね。ぶらんこは、皆で変わりばんこに乗るんだよ」




ふわりと、笑顔のお母さん

すごく嬉しくて、得意気な笑顔に変わる、幼い自分



ぶらんこって

なんか、落ち着くんだよね


ゆったりゆったり

心がぽかぽか、温かくなる




「ねぇ、どうしたの?」

「あのね、学校で……。うわあぁん……」



「あの木の葉っぱに、先に足が届いた方の勝ちだよっ!」

「よーい、スタート!」




辛い事

嬉しい事

悲しい事

泣いた事



あのぶらんこで、それらはあった



ぶらんこで交わされる

たくさんの会話


思い出


いろんな友達と

ぶらんこに乗った


たったの、七年間くらい


短かったけど

しっかり覚えてる




「明日、遊べる?」

「うん!じゃあ、ぶらんこの前で待ち合わせね」

「また明日!」




月日が、川の如く、流れていって




「引っ越しても、元気でね!」

「うん!」

「ずっと友達!」

「約束だよ!」




あの会話も

この会話も


全部、あのぶらんこの側だった


あの時は

五年前までは

ぶらんこなんて、ただの遊具でしかなかった





だけど





思い出したら

無性に乗りたくなって


まだ子供の自分を

思い出して


懐かしいなぁと思った


今もあのぶらんこは

ちゃんと、残っているかな?


そしてもう一つ

頭に浮かぶのは

大切な友達の笑顔



また、乗りたいな

あのぶらんこに


今は遠い場所にあるけど

きっと、いつか


乗れたらいいな


思い出の詰まった

ぶらんこに


会いたいな

──みんなに

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