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第四話

オレが目が覚めたとき、洞窟の外は丁度朝日が昇るところだった


なんとなく外へ出てみると朝日が森の彼方から昇ってきた


この世界でも朝日というのはとても綺麗で幻想的だった


そうやって朝日に見惚れていると後ろから何かが近づいてくる気配を感じた


身を構えて振り返るとそこに居たのは一体の子ゴブだった


オレはそいつに<ナンダ・・・・・・?>っと自分の意思を伝えてみると


そいつは<オレ・・・・・ナリタイ・・・・・・・>っと意思を伝えてきた


老ゴブと大ゴブにオレが意思を伝えたときの驚きようはハンパなかったからたぶん子ゴブは


意思を伝えることができないはずだからこの子ゴブは前の世界の記憶を持ってるオレとは違う本当のバグというやつだろう


しかしなりたいだけでは何のことかさっぱりわからない


こちらに意思が伝わっていないことに気付いたのか


<ツヨク・・・・・・・ナリタイ・・・・・・・>


と伝えてきたのでやっと意味がわかった


この子ゴブは強くなりたいからウルフを倒したオレに戦いかたを教えて貰おうとしているのだ


オレはコイツはゴブリンなのに誰かに教えて貰おうと思考できるのにビックリした


どうしようか少し考えたがこのまま一人で生きていくには少し無理がある


その考えに至ったオレは<ワカッタ・・・・・・・・ツイテコイ・・・・・・>っと俺は言って


洞窟の中から石斧と昨日倒したウルフの素材を持ってきて、昨日行った岩場に向かって歩き出した




何も気にせず歩けば10分くらいで行ける距離だが魔物に気を付けないとこの世界では生きていけない


だから30分くらい時間を掛けて岩場へ向かう


後ろに着いてきている子ゴブも昨日を経験したせいか周りをすごく警戒しながらオレに着いてきている


今日も運よく何も出くわさずに済んで岩場に着いた


子ゴブに大きい石を岩に叩きつけて砕くように指示してオレは防具を作るために蔓を捜しに森の中へ入った


森の中に入ると案外すぐに見つけたので何か良さそうなものがないか捜していると少し大きいが


乾いた木の棒を見つけたのでそれを持って戻ることにした


岩場に戻ってくると子ゴブが大きな石の破片を持って待っていた


オレは石を持って岩に擦りつける素振りをしてから子ゴブに<ケズレ・・・・・・>っと伝えた


すると子ゴブは理解したのかその破片を尖らせようと岩に擦りつけ始めた


そしてオレは徐に子ゴブの砕いた石の破片を手にとって尖った部分でウルフの皮を引き裂こうとしてみた


最初は全く引き裂けなかったが30回くらい振り下ろし続けたらやっと少し破れるくらいだった


ウルフの皮がだいぶ丈夫だということがわかったから防具に使う素材としては上出来だろう






いきなりだがオレは前の世界では工業大学に在籍してたから作る技術は知識としてはある


けどオレの世界での服の製造法といえば機械を使っての大量生産


人の手で作っているのは日本国内だともはや伝統工芸を引き継いでいる人くらいじゃないだろうか


オレの大学では講習で伝統工芸について色々勉強したがその作業工程は知っていても


それを出来るかと問われると俺は出来ないと応えるだろう


その作業工程や使用されている素材などの知識はあってもその技術を習得した訳でもましてや


その作業を体験もしたことが無いのにできる訳がなのである



話が脱線してしまったが、つまり何が言いたいかというと





俺は裁縫が出来ないんだ・・・・・・・・orz



そりゃそうだろ!!


今時手縫いで服作ってるとこなんてほとんど無いぞ!!


専ら機械を使っての大量生産でその中で俺は工業大学の大学生だ!!


服を縫うことなんてしねぇんだよ!!


オレの専門分野は機械なんだよ!!


服とほとんど関係ねぇんだよ!!




ハァハァ・・・・・


少し取り乱してしまったが、俺は第二の生を受けてからのある意味最大の壁にぶつかった・・・・・


前世の俺は自分で破れたカーゴパンツを綿密に作業工程まで書いて直すと何故か短パンなるという摩訶不思議な現象が起きるのだ


それ以来、母さんと妹に裁縫道具を取り上げられ二度と触るなと説教されたのだ


そんな状況から俺の裁縫のセンスは皆無だ




仕方ないから気が赴くままに石で穴を開けて蔓を通して作ってみると案外うまく出来た


何故前世ではできなかったんだろう・・・・・・





俺がそうやってこの世の不条理について考えていると子ゴブが石の破片を削り終わったようで俺に出来たと伝えてきた


あとはその破片を木の棒に蔦で括りつけて石斧の完成だ


俺はそれを子ゴブに渡して早速狩りに行くことにした


子ゴブは石斧を手にすると興味津々と石斧をみていたが俺が「ツイテ・・・コイ・・・・・」と伝えるとキチンと付いてきた



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