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第二話

やっと自分の状況に理解して、何とか納得できた時


長い時間呆然としていたらしい次第に洞窟の外であろう所が明るくなってきていることに気付いた


周りのゴブリンたちも続々と起き上がってくる


それに俺は少し身を固くしてしまったが別段俺を気にした様子も無く立ち上がる


俺もなんとなく立ち上がると鉄製だと思われる錆びて刃毀れした剣を持ったリーダーらしき大きいゴブリンが


俺達の前にやってきた


おそらく大人のゴブリンなんだろう




<オマエラ・・・・・・・エサ・・・トッテコイ>




脳の中から響いてくるような声に少しビックリした


すると周りのゴブリンたちは外へ向かって歩いていく


何となく俺も着いていくが訳がわからなそうにじっとしているゴブリンは他の大人のゴブリンに外へ摘み出されていたから


外へ出ることは決定事項なんだろう


たぶんゴブリンはこんな感じで仲間と意思の疎通をしているんだろう




他のゴブリンに着いていって外に出ると見渡す限りすべて森だった


俺たち小さいゴブリン(たぶん子供のゴブリン以降【子ゴブ】)が全員外に出ると入り口に大人のゴブリン(以降【大ゴブ】)が


まるで門番のように立っている


何か食い物を採ってくるまで中には入れさせない気だろう


他の子ゴブ達はハシャグように走っていったがすぐに遠くから悲鳴が聞こえてきた


木の上にある木の実を採ろうとしたものは大きさが10倍以上あるオオグモに食べられ、


自分で採ったキノコをつまみ食いした者は毒に当てられて死んで、ある者は肉食植物に捕食された


あまりに厳しい世界の現実をまざまざと見せつけられて俺はどんな手段を使っても絶対に生き延びてやると心に誓って行動を始めた


とりあえず武器になるようなものを手に入れようと辺りを見回してみた少し離れたところに岩場を見つけたので


周りに注意しながら進んで行き時間を掛けてやっと岩場にたどり着いた


そこで今の身体でも持てる大きな石を持ち上げておもいっきり岩に向けて叩きつけた


最初は少し罅が入るだけだったが何度か叩きつけるとその大きな石は砕け散った


砕けた物の中で一番大きいものを拾い上げて岩を使って尖っているところをさらに鋭利にするためにその破片を研ぐ


ある程度目的の形になると、次の目的の物を手に入れるためにまた周りに気をつけながら森の中に戻った




周りに注意しながら移動するのは時間がかかり、なによりめんどくさいがこの厳しい自然の中で生きるために用心に超したことはない


誰に言ってるかわからない説明を頭で言いながら辺りに注意を払い、目的の物を捜す





陽が空の真ん中くらいまで昇ったくらいでやっと目的の物は見つかった


それは自分の手でも持ててある程度の長さと太さがある木の棒だ


それを拾って捜している途中で見つけておいた蔓を使って石の破片をその木に固定すると石斧の完成である


それを使ってまず小動物を狩ることから始めることにした




日が出てからずっと武器を作るために行動してたためか陽がもう天辺から少し傾き始めている


これは急がないと陽が暮れてしまう


陽が暮れてしまったら俺はたぶん終わりだ


夜には夜行性の魔物もいるだろうから、そんなのと対峙したら俺は絶対に死ねる自信がある


そうならないように獲物を早く見つけないと・・・・・・




そう少し焦りながら獲物を探していると少し離れたところに狼がいた


少し不安になって周りを見回したが辺りに仲間がいる様子はないようだ


それに風上にいるせいか此方には全く気付いていないようだ


動物的?魔物的?本能がアイツは俺より強いってことを教えてくれるがこれは絶好の機会だ


相手は俺に気付いていないし、不意打ちで襲えば俺でも勝てるかもしれない


けどもし途中で気付かれたら俺は勝てないだろう


これは賭けだ


勝てば生きるし、負ければ死ぬ


他を探すってのもあるが必ず見つかるという保障は何処にもないし、これを逃せばもう何も見つからないかもしれない


俺はこの賭けに賭けてみることにした


このままゴブリンとして生きるならこんなことはおそらくずっと続くだろう


それなら今回に賭けてみてイチかバチか賭けてみようという気になった


それに何かいいことが起こりそうな予感もするし、自分の勘に賭けてみよう





茂みや木に隠れながら周りにも注意を払いつつ狼に近づいていく


息を殺して出来るだけ気配を消して・・・・・・






あと20歩ぐらいまで近づいたがまだ狼は気付いていない様子だった


それどころか座り込んで完全にリラックスしきった状態でいた


この絶好のチャンスを逃すわけにはいかない


最初はゆっくりと息を殺し、気配を消して後ろから近づいていく


あと10歩になった時、俺は石斧を振り上げて走り出した


そのときに狼は初めて俺の存在に気付いたように慌てて起き上がろうとするがもう遅い


狼が立ち上がったときには俺は既に石斧を振り下ろしていた


肉や骨が砕けるような嫌な感触が手に伝わってくるが俺は気にせず何度も何度も石斧を振り下ろした


もう何回殴ったかわからないくらい石斧で殴り続けていると知らぬ間に狼は既に息絶えていた


すると俺の奥底から力が湧き上がってきたとも言うべきか


とにかく俺の中に何かが湧き上がってきた


するとどうだろうさっきから持ってる石斧がまるで細い木の枝を持ってるように軽くなったり、身体がすごく軽くなった


たぶんゲームで言うレベルアップというやつだろう


そして俺は思ったこのまま地道に弱い奴や不意打ちで強い奴を倒していけばどんどん強くなるんじゃないかと


それに気付いた俺は明日から己の強化に勤しむことを決めて、取り敢えず倒した狼を引きずって洞窟に持ち帰った













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