第十二話
遅くなってホンマスンマセンでした!!m(_ _;)m
///慌てて直しましたがこれは自分的に直すところはほぼありませんでした
とうとうこの日がやって来たか・・・・・・・
潮が不自然にどんどん引いていく
そして海の底から見る見るうちに道が現れた・・・・・・
するとまだ目視はできないが確実に遥か彼方から魔物共のおぞましい声が響いてきた
その声を聞くだけで兵達は萎縮してしまう
その兵達を鼓舞するために俺は声を張り上げる
「とうとうこの日がやってきた!!
世界の平和、ひいてはスワロベルトの安寧のため!!
眼前からやってくる魔物共を駆逐せねばならない!!
皆は魔物を畏怖するだろう!!それは人間ならば当然のことだ!!
だがしかし我々は怯えてはならない!!
我々は恐怖してはならない!!
我々は敗北してはならない!!
我々の背中には家族がいる!!子供がいる!!妻がいる!!愛人がいる!!親がいる!!
我々の敗北は家族の死と心せよ!!
これは我々の存亡を賭けた戦いだ!!
こんな戦いが毎年毎年訪れることに正直私は嫌気が差す!!
しかし魔物共にはそんなことは関係ない!!
ならば我々は何度でも魔物共を倒そう!!
何度でも魔物共を駆逐しよう!!
何度でも魔物共を殲滅しよう!!
魔物共に・・・世界に・・・我々スワロベルト帝国の力を見せつけてやるのだ!!」
一息吐くか吐かないかの間が開いたあとに空気を振るわせるほどの兵達の歓声が上がった
「「「「「スワロベルト帝国万歳!!!!皇帝陛下万歳!!!!」」」」」
この場にいる全ての帝国兵が声を張り上げて歓声を上げている
各々の拳を空に振り上げ、既に勝利したかのような空気だ
兵達の心には既に敗北の文字はなく、勝利の二文字が燦然と輝いている
そうだ・・・・・我等に敗北は許されない・・・・・・・・
魔物共よ・・・・・今回も人間が勝たせて貰うぞ・・・・・・・・
一方エドールテラスの陣営ではそんなスワロベルトの歓声船の上で眺めている2つの影がありました
「今年もスワロベルトは士気が高いようですね」
こちらは見た目は20くらいの若い女性、月明かりに照らされてエメラルドの髪がキラキラと輝いていて、
そして潮風に晒された耳は人間とは違い横に尖っているようだ
「それはそうでしょう
あそこの皇帝はこの日の対策のために必死ですからな
それに新しく開発されたと言う兵器も兵達の士気を高めている一因でしょうな」
こちらは会議に出席していた顔の厳つい男性のようだ
「スワロベルト皇帝は兵達の前であんなに勇敢に声を張り上げ鼓舞しているのに
それに比べて私はただ此処で兵達の無事を祈ることしかできません
兵達の士気を上げるなど私にはとても出来ないことです」
「いえ、姫様
貴女様が気に病むことはありません
このグレアスめが姫様に代わって必ずや魔物共を打ち倒してみせましょうぞ」
「グレアス、また姫様などと・・・・・
私のことは議長か名前で呼んでと何時も言ってるでしょ?
何度も言うけど私は貴方より年上なのよ
それなのに何時まで私を年下扱いするつもり?」
「ははは、私にとっては姫様は姫様です
それ以外だと妹か娘のようにしか思えませんな」
「むう~
そうやって貴方はいつも私を年下扱いしますね
いくら私が人族からは若く見えるからと言っても100を超えてるんですよ?」
「エルフ族の寿命は長く生きて500歳、人族は長く生きて100歳
人にとっての20歳がエルフにとっては100歳ではありませんか
それならば貴女は私よりも幼いではありませんか?」
「え?それを言われてみれば・・・・・って!!
何を言ってるんですか!確かに人にとっての20歳がエルフにとっては100歳ですけど実年齢の
場合だったら断然年上ですよ!
それに貴方は40歳くらいで私の半分も生きてないじゃないですか!」
「そうやってムキになるところが私よりも年上に見えないのですよ」
「貴方は・・・・・
もういいです
このまま話していても埒が明きません
この話は此処で打ち切りましょう
それより魔物達に対抗する準備は整っているのですか?」
「準備については抜かりありません
既に全艦配置についております
あとは魔物共が射程距離に入るのを待つだけです」
「水生の魔物への対策は?」
「全ての船には魔法によって障壁が張られています
余程の大物が出てこない限り破られることは無いでしょう」
「そうですか・・・・・・」
「あとは姫様、いやエドールテラス諸国連合議会議長フリス・リフェレンド様が会戦の号令を出すだけです」
「・・・・・・わかりました」
そしてフリスは魔法を使って自分の声が全ての船に聞こえるようにして
「エドールテラス諸国連合に属する全ての兵に告げます
私達エドールテラス連合は魔物達から民を守るため、これより数ケルス後戦闘を行ないます
今回は艦砲射撃による陸上部隊の支援ですがけして安全と言うわけではありません・・・・・
中には損傷を受ける船があるかもしれません、中には沈む船があるかもしれません・・・・・
ですが!皆さんを一人でも多く無事に家に帰れるように私も全力を尽くします!!
そして皆さんも全力を尽くしてください!!
そしてみんなで家に帰れるようにするために私達に力を貸してください!!」
すると自分の乗っている船から遠くにある船まで笑い声に包まれた
果てには横にいるグレアスまで笑っている
フリスは何故みんなが笑っているのかわからず首を傾げるばかりだ
「ふ・・・姫様は本当に姫様らしい」
まだ笑い足りないようで口に手を押さえて笑いを堪えている
「もう、皆さん何ですか
私は真剣にお話をしているのに」
「いえ、その言葉を戴けただけで我らエドールテラスの兵は充分です
貴女のような方が上に立ってくれているからこそ我らは命を賭けて戦うことが出来るんです」
フリスはどういう意味かわからずまだ首を傾げているとグレアスは仕方ないなぁという風に
「簡単に言えば我ら兵を戦いの道具と思わず一人一人の命ある人として見てくれる貴女だからこそ
兵達は安心して命を預けることが出来るんです
普通ならこんなことを言う方が上に立つことなどありませんからね」
「上に立つ者として兵達の命を考えるのは当然のことです!!
そのような当たり前のことを考えれない方に上に立つ資格はありません!!」
グレアスはその顔には似合わない優しい目で
「姫様はいつまでもそのままでいて下さい
それこそがエドールテラスの繁栄を齎すのですから」
フリスはほんのりと顔を赤らめて
「私一人の力ではそんなことはできません
貴方はいつまでも傍にいて下さいね」
「ええ
この命果てるまで姫様のお傍でお守りしますよ」
「ありがとうグレアス」
そしてフレスは顔を引き締めて魔物が来る方角指差し
「全軍に告げます!!
私達の平和を脅かす魔物たちを追い払いなさい!!」