第一話
俺はほぼ男子校のような普通の工業高校で灰色の青春を過ごし、取り敢えず受験をして、運良く大学受験に合格した
ごくごく普通の大学生だ
そんな俺は今、ありえない状況に陥っている
目の前には洞窟のようなごつごつとした岩を手作業で掘り進めて作られたかのような荒い岩肌が見え、辛うじて灯りがあるがとても薄暗くて不気味だ
俺は昨日は先輩の奢りで新年会をしてドンちゃん騒ぎのあと、ふらふらと千鳥足になりながらなんとか家に帰り
ベットに倒れこんだはずだ
しかし背中にはベットの軟らかさは無く、辛うじて敷かれている枯れ草の上で寝ていることが判る
さらに俺をビックリさせているのが周りで俺と同じように寝転がっている奴等の顔だ
鼻のでかい醜悪な顔をしている小さい人型の生き物が眠っているのだ
間違いなくその姿は俺が最近ハマっていたファンタジーゲームによく登場するゴブリンにそっくりなのだ
自分の身の回りを確認しようと俺は立ち上がってみて自分の身長が大分縮んでいることに気が付いた
手を見てみるとその手は子供のように小さく、体色は緑色になっている
嫌な予感がして顔を触ってみると自分の鼻がありえないほどにデカくなっていた
それに気付いてしばらくの間、今の自分が置かれている状況を理解したくなくて呆然としてしまった
その日、俺は何の因果かゴブリンになってしまった