第4部
今夜の月も、黄色く丸い。
今日で、5日目となるこの異常な夜に別れを告げる為に。
「それじゃ、こんな夜とも、さよならしにいこっか。」
「ん。最初から、この作戦をすればよかったのに、誰かさんが・・・。」
「う、うっさいわね。私だってもう少しやる気だせば・・・簡単に・・・やれたわよ。うん、多分」
「本当に、大丈夫なんでしょうか。このメンバーで・・・。」
「じゃあ、配置についてー」
桃花のすぐ両隣にしづると、浩二が配置につく。少し離れた位置に、睦月がつく。
「ミッションー」
桃花を中心とした、周辺の魔素が焦げる。
「開始ー。」
空気が焼けて、焼けて、虹色に発光する。強大な魔力を発している証拠。
桃花を中心に魔方陣が展開される、
「ん。見つけた。けど、小さい反応が多すぎる。」
「多分、今回の魔王と一緒にきた小物だよね。一掃しちゃお。」
浩二の一言に、睦月は子供がいたずらを思いついたような顔で、右手に魔力を集める。
「りょーっかい。」
魔力を花火のように、右の上空に打ち上げ、破裂させる。
膨大な魔力反応に、弱き魔物が街を離れる。
しかし、中途半端な強さを持ってしまっている魔物は、恐れを知らずに魔力の塊に向かってくる。
「じゃあ、あたしは、いってくるから。後よろしく。」
「え?え?」
しづるの疑問符を、完全無視して睦月は夜の宴に踊りゆく。
「あれ・・・雑魚処理は私で、魔王担当がお二人じゃ・・・。」
心配そうなしづるの声に、浩二が声をかける。
「大丈夫だよー、いつものことだからー。」
「ん。今夜の獲物が、来る。」
心配していたしづるに、緊張感が走る。聖剣に力を込めて、敵を待つ。
すぐにその者はきた。2枚の蝙蝠羽根を付けて、一本角を生やした男。
「貴様らが、俺に喧嘩を売ったやつらか。こんな空気を震わせやがって。俺の名前を知ってなお、挑むか?」
桃花ちゃんが敷いた魔方陣は、至ってシンプル。この街一帯の魔素をかき乱す魔法。
1日ほど魔法が使いにくくなる程度の規模だが、月を止めてまで縄張り意識を持つ魔王が黙っている訳がないのだ。
「うん。知らないんだけど、月をもとに戻して欲しいんだ。」
浩二は、恐れることもなく、この街の新しい魔王に、そう言い放つ。しづるの心臓が張り裂けそうなほほど脈数を上げる。
更に、続ける。
「この街は、君のものじゃないんだよ。」
そこらへんの小説なら前書きになりかねない長さです。
文章がちっとも進まないワンダーフォレストです。どうも。
短すぎて、すいません・・・。