表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

【魔改造の5】だるまさんの後日談

わしは、だるま弁当のカラ。

この物語は、蜜柑山みかんやま家の一人息子ひろしが、わしをいろいろと魔改造まかいぞうして面白がるという話じゃ。つまり、冒険ぼうけんするのは、いやさせられるのはわしじゃ。ひろしではないぞ。

 ラジコンバギー、ホバークラフト、横軸縦回転翼飛行機よこじくたてかいてんよくひこうき

 うん、こうしてみるとなんだ。

 わし、陸・海(ていうか池)・空と、全部これ制覇せいはしておるではないか。

 まあ、それがどうかしたのか、と言われればそれまでじゃが。


 ◇


 で、いまわしがどこにおるかというと、ここ。ル〇バの上じゃ。

 わしが上に乗っておると、蜜柑山家の飼い猫の「ゆべし」が警戒して上に乗ってこないらしい。どうやって乗っておるかというと、なに、吸盤ではりつけておるだけじゃ。

 ひろしもわしを魔改造まかいぞうするのにようやく飽きたらしく、最近はほったらかされておる。


 ようやく、わしにも弁当箱としての穏やかな余生が戻って来たかの。

 ちなみにル〇バが動いていないときは、机の上で置物になっておる。

 ただ、目の所の赤いLEDはいまだについたままじゃ。ひろしに言わせれば、取ると目の所の穴が、なんだか怖い感じになるのだそうじゃが。


 いやあ、わしは赤いLEDの方がブキミだと思うがな。


 ◇


 ひろしはその後、東京の大学の工学部へ進学して、卒業後は建設会社で働いておる。

 とうちゃんによると、なかなか優秀な技術者になったらしいぞ。

 年に一度、盆か正月のどっちかには家に帰ってくる。帰ってくると、同じ技術者同士ぎじゅつしゃどうし、とうちゃんと良く仕事の話をしているようだが、わしにはもうむずかしくて話の中身は理解りかいできん。


 ◇


 さて、今年もひろしが帰って来た。あ、今年は正月のほうじゃったな。


 ひろし、今年はやけに機嫌きげんがいい。帰って来てからずっとにっこにこじゃ。東京で何かいいことでもあったんじゃろうか。

 夕飯のあと、とうちゃんと飲むために買って来たらしい、なんだか高そうな酒をテーブルに置く。とうちゃん、いそいそとグラスを2つ持ってくる。つまみはするめと〇の種じゃ。とうちゃんも報告を聞くのが楽しみなようだ。だいたいの話は先に電話で聞いているようだが、こういうのはやはり、本人の口からじかに

聞かんとな。


「お父さん、ぼく、火星に行くことになったよ。」


 なに???

 ちなみにわしは今初めて聞いた。いやびっくりしたのなんのって。なんじゃそれ?


「いろんな国のいろんな技術者ぎじゅつしゃを集めて、火星に人が住める所をつくるんだ。僕は会社の推薦すいせんで行けることになったんだ。」


 えええすごいじゃないかひろし。


「火星は遠いから、行ったら5年くらい帰ってこれなくなるけど、メールは送れるみたいだから、向こうからまめに連絡するよ。」

「そうか、すごいな。蜜柑山家みかんやまけからついに宇宙飛行士うちゅうひこうしがでるとはなあ……。いやあ、めでたいな。がんばって来いよ。」

 とうちゃん、感極かんきわまってちょっと泣きそうじゃ。

 わしも、思わす赤いLEDが点滅てんめつしてしまいそうじゃ。


 ひろし、がんばってこいよ。


 ◇


 それから一年くらい、ひろしはアメリカで訓練くんれんをうけた。

 その訓練くんれんも終わって帰国したひろしは、実家に帰って来た。

 二週間後に、いよいよ火星に行くらしい。


 がんばれよ。


 と、ひろしが突然とつぜん机の隅からわしをとりだして、フタを開けた。

 中に何か機械きかいを取り付けておる。

 どうやら、わしを目覚めざまし時計に改造かいぞうして、火星に持ってゆくつもりらしい。そういえばひろし、朝は弱いんじゃった。


 わしもつれて行ってくれるのか!やった!

 うれしいぞひろし。

 向こうについたら、毎朝ねちっこく起こしてやるからな。


 



 ではとうちゃん、行ってきます。


(終)












 




 









はい、唐突ですよね。自分でもそう思います。ごめんなさい。反省してます。

でも、こうするしかなかったんです。「Indigo sunset~」に登場させちゃったんで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
男の子は好奇心いっぱいで、いろんなことをやってみたくなりますよねー。にゃはは(*´꒳`*)
2025/02/07 12:59 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ