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国の混乱

議会は記者たちのシャッター音と閣僚や野党のどよめきで埋め尽くされていた。

オールドメディアの中には生中継をしていた番組もあり、テレビをリアルタイムで視聴していたソメリカ国民たちも各家庭で騒ぎ始める。

SNSでは、すでに「#UFO」「#地球外生命体」といったワードがトレンド首位にまで上がり、全世界に拡散されると切り抜きや関連投稿が止まらない事態となった。


(ヤバイヤバイ!今ソメリカ合衆国の大統領が宇宙人についての発表してるって!!)


(見た見た!切り抜きで!ヤバイよね!?なんか、宇宙人の映像とかも出てるみたいで、カエルみたいな宇宙人とか、アスパラガスみたいな宇宙人とかたくさん出てるらしいよ(笑)しかも、どれも本物とか。)


(等々、発表したか。俺はそうだと思ってたよ。ロズウェルの件にしろ、色々国が隠してる事は知ってたさ。)


全世界の国民達がそれぞれの意見を言いながら、生放送を釘付けになりながら見ていたが、その生放送は突如打ち切られることとなる。


「さて、国民の皆様およびメディアの皆様にお伝えできる内容は以上です。要は、宇宙人と我々は対峙して、危険だと判断したため、先制攻撃にて制圧したというのが今回の軍事作戦の概要となります。それでは、メディアの皆様はご退室を。」


「ちょっと!どういうことですか、大統領!あなたには、我々および国民に対して説明責任があります!知る権利があります!」


「権力の濫用だ!断固として許せません!退場を拒否します!」


大統領による突然の打ち切りにオールドメディアたちは反発する。拒否する姿勢をとり、誰一人としてその場から立ち去ろうとはしなかった。

そのような姿勢を取っていると、大統領は険しい顔をして、議会にいる警備隊たちに指示を出し始める


「ご退室を。警備隊は全員が退出できるようにサポートをしてください。」


「おい!触るな!やめろ!」


「横暴だ!暴力だ!!こんなの許されるわけがない!!」


瞬く間に、記者たちは抵抗むなしく無理やり警備員によって部屋から退場させられる。

その映像も即全て国民にも放送されることとなって、さらに不安を煽る結果となる。

SNSでは、次に「#宇宙戦争」「#地球存亡の危機」というハッシュタグがつけられていった。


「では、メディアには退場をいただいたので、ここから本題に移ろうと思う。ここから話す内容は全て国家機密案件となり、口外は即、捕縛および処刑の対象となります。」


ーーザワッ。


突然の過激な発言に議会に緊張が走る。

閣僚達の顔は強ばり、冷や汗が背中を伝う。

ここから話される内容は、間違いなくソメリカ合衆国の危機についての重要な話なのだと即座に理解したからだ。

大統領は続ける。


「我々政府は、地球外生命体についてこれまでも様々な事件を通じて、墜落したUFOなどから、その技術や生体構造などを研究することができました。それは、私がこの座に座る前からあった話です。しかし、近年、その数は大幅に増加している。」


(地球外生命体についての話は、同じ政権内にいる我々閣僚ですら、噂程度にしか聞いたことがない…。まさか、本当の話だったのか?!)


ーーゴクリ。


思わず多くの者は唾を飲み込んだ。

同じ政権内においても、その情報を詳しく知り得る者はごく一部であり、担当する省庁が全く関係のないところであれば、情報が届いていないこともあった。


「現在、NASUで確認できるだけでも、年に二千五百件余りのUFO墜落事件が各国で発生しています。

これは前例のない数です。

さらに、我々が過去に打ち上げた宇宙無人探査機――ボイジャーが、数年前に何者かの影響によって通信を遮断されました」


「月より先の宇宙空間の状況が、なぜか詳しく観測できなくなったのです。

通信が乱されており、これは人工的な干渉があったと我々は推定しています。」


「なんですって!?」


現在の政権になるまでに、UFO墜落事件というのは何度か起きていた。回数で言うと年に10件あるかどうか程度だ。しかし現在起きている事件は年に2500件余りであり、これは驚異的な数値といっても過言ではなかった。

しかし、閣僚の中には腑に落ちない者もいた。

彼らは思うのだ、太陽系外からこの地球に訪れている時点で、人類の技術力を遥かに越える文明にある存在なのにも関わらず、そのような墜落事件をいくつも起こし得るのだろうか?と。


「なぜ地球外生命体たちは、近年になって急激に墜落を? 我々の技術をはるかに超えるはずでは?」


一人の閣僚が質問すると、大統領はさらに情報を開示した。


「ええ。捕獲した地球外生命体達の中には人類の言語を即座に理解し、コミュニケーションを取れるものもいるため、その要因について尋ねてみました。すると、話すことのできる異なる種族の全員がかつては存在しなかった"この星を廻る巨大な黒い虫"が地球を中心に外から来る船を襲うと言うのです。」


「それは、本来あり得ない事であり、なぜこの太陽系にある地球にいるのかは不明なのだと。"虫"は物質を遮断する力を持ち、まるでこの星を外から隠そうとしていると彼らは言いました。…"虫"は、我々人類には測定できていない物であり、あくまでも彼らの話を真に受けたらの話ですが。」


"この星を廻る巨大な黒い虫"それについては、空を見上げても、そのような存在を目視する事はできない。科学技術をもってしても誰一人として、見つけられていない。だから信憑性に欠ける話ではあった。


「そ、そんなのが存在するのであれば、地球への攻撃もいずれあるのではないか!?国ではなく、人類の存亡に関わる話だ!」


「ええ。しかし、彼らが言うには、この"虫"と呼ばれる存在は、地球には害を与えないらしいです。それよりも、我々が危険視しているのは別の存在にあります。」


一部の閣僚からは半狂乱のような声が出始めている状況だが、大統領は、さらなる追い討ちをかけた。


「別の存在…?」


「その存在は、明確に我々人類に対し敵意を向けてきている事実がある存在です。」


「………ッ!!」


「我々はその存在を地球外知的生命体クロノア人と呼んでいます。」


「…クロノア人…?」


ここで、初めてソメリカ合衆国議員に開示されるクロノアという存在。

聞いたことのない未知の存在に議会に動揺が走る。


「はい。クロノア人と呼ばれる存在は、これまでに何度か地球を訪れており、その度に人類に対して攻撃をしてきました。ソメリカ合衆国に数年前起きた悲劇のオクトーマ殺戮事件にも、彼らの使用した人形兵器が破壊と殺戮を始めたとの情報も得ています。」


「なんですって…!?」


ガタッ…ガタガタッ…!


閣僚、野党含めた複数の議員達は一斉に席を立ち上がる。

すでに、我が国も攻撃がされていたという事実が彼らに危機感と驚愕と恐怖をもたらしたのだ。


「彼らについての詳しい情報は現在調査中です。ただ、我々は脅威に備えなければならない。きっとこの状況は偶然ではない。"虫"についても、彼らとなにかしら関係があると私は踏んでいる。」


「そして、今回の作戦では、今まで未確認だったクロノア人の本体が地球に潜入しているという情報から、起きた作戦でした。」


大統領の説明を受けている全員が、これまで感じたことのない脅威に言葉が出てこなかった。


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