ソメリカ国議会
ノノカの事件から9日後、ソメリカ合衆国の議会にはマック·カーター長官や副大統領含めた国のトップである閣僚達が集合していた。
出席している全員が只者ではないオーラを放っており、議会内には緊張と静寂が広がっている。
閣僚達が全員集まった後、最後に大統領が議会内に入ってくると、全員が立ち上がり、大統領に頭を下げる。
「さぁ。皆、今日は臨時の議会を開くことになってしまい申し訳ない。早速始めようか。」
大統領席に大統領が挨拶をして座ると、その場に立っていた閣僚達も皆座り始めた。
今回、臨時の議会が開かれた理由は、数日前に実行された同盟国での特殊軍事作戦が実施されたからである。
国の上層部の一部とトップしか知らされていなかった今回の作戦。
武力や最新兵器を用いた、いわば戦争行為に近しいものを事前連絡もなく開始されたことに対して、実施された国の和光国の内閣府とソメリカの野党である閣僚から非難が相次いでいた。
その為、大統領による臨時の記者会見と今回の臨時の議会での説明を余儀なくされている状況だ。
(今回の件、死者も出ていると聞く。これで、共進党の政権は終わりだな。我々は大統領に是非を問わなければならない。)
(大統領、今回ばかりはどうにもなりませんぞ…。どうするつもりなんだ。)
閣僚達が各々の思惑を持ったまま、議会はマック·カーター長官によって始まった。
長官は議会席の一番前に立ち、資料をもとに話し始める。
「えー、本日はお忙しい中、議会の方にお集まり頂き、誠にありがとうございます。今回なぜ、臨時議会が開かれたかの理由については、説明は不要だと思っておりますので、省かせてもらいますね。」
マック·カーター長官は淡々とめんどくさそうに話していく。
今回の件、反発している野党の働きかけで、ソメリカの国民達にも報道されており、各州でデモが勃発する事態となっていた。
そして、そのデモの情報は現在の政権とNASUにも届いており、それがマック·カーター長官には非常に面白くないのだ。
「今回の件、軍事作戦などという他国に武力を用いた事、説明をしてください!!国民は怒っていますよ!!」
「聞くところによると、軍事作戦で我が軍に死者と甚大な被害を出したと。さらに現在も、事前連絡もなく軍事作戦を実行された和光国の首相と内閣府から講義の連絡が来ていると聞く…。どうなってるんですか!大統領!!」
議会の始まりと同時に席に座っている多くの閣僚達からヤジが飛んでくる。
この議会はマスコミも参席しており、ヤジが飛ぶと同時にカメラのシャッター音と同時にフラッシュがマック·カーター長官を襲った。
(Fuck…鬱陶しい。コイツら、何にもわかっていない平和ボケした愚か者共が。わーわー騒ぎ立てやがって。)
マック·カーター長官は心の中で愚痴りながらも、議会は続く。今回の軍事作戦についての説明が進められる。
「皆さん、色々とご不満はあるでしょうが、まず端的に申し上げます。今回の作戦は、今後起こり得る地球規模、枠組みを超えた戦争に備えるものであり、人類にとって必要不可欠なものでした。まずはこちらをご覧ください。」
説明と同時に、マック·カーター長官の背後にスクリーンが下ろされた。
そして、スクリーンに表示されたものは、地球外生命体とUFOの写真だった。
(宇宙人…?この期に及んでそんな加工写真を使い、そのような話題で今回の作戦について有耶無耶にするつもりか?)
突然見せられた地球外生命体達やUFOの写真を加工された偽物の写真だと思っている閣僚達は、なにを見せられているのだと怒りに燃える。
ふざけるなと罵声も飛び始めた頃、黙っていた大統領が口を開いた。
「カーター君、ここからは私が説明しよう。閣僚の皆さん、マスメディアの皆さん、信じがたいことだがまず真実を申し上げる。この宇宙において、我々人類は孤独ではないと宣言する。そして、その事実に基づいて話を聞いてほしい。」
議会がざわめく。
スクリーンには写真の次に音声付きの映像が流れ始めた。
それは、話の通じる地球外生命体との交流映像や、地球外生命体の技術について語る科学者達の姿だった。
「今、スクリーンに写し出されている映像や写真は、全て加工されたものでも、創作されたSFの映像でもありません。これらは、国家が保管している公式の記録映像です。」
国のトップがにわかに信じ固い報告を続ける。
それについて語る表情は真剣であり、誰もが嘘をついているとは感じないものであった。
これまでに、UFOや未確認飛行物体等の話題は公に出たことがあったが、ここまで露骨に発表される事はなかった為、陰謀論や都市伝説的な話でまとまっていたのだが、今日この場をもってそれらが公的に肯定されるものだった。
「大統領! 突然の宣言で我々は理解が追いつきません。もし事実だとするなら、今回の軍事作戦とどのような因果関係があるのですか? 国民に大きな混乱を招く恐れがあります。慎重にご回答ください!」
「大統領!ご回答を!!」
閣僚たちの問いは激しさを増す。大統領は冷静に質問を受け止め、これから国史上に残る――後に「ソメリカ史上最大のスクープ」と呼ばれるであろう公式声明を行うために口を開いた。
「マスメディアの皆様、本日の事をしっかりと国民の皆様にもお伝えください。これからお伝えする内容は全て事実の内容です。そして、我々は、それらの事実から今回の作戦の実行に至ったということを理解してください。」




