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他星人

「アクナエリィ?なんだそれは。お前達、クロノア人についてどれぐらい知っている?」


怯え、俯きながら答えたシュタール族。彼が言うアクナエリィとは何なのか?2人の好奇心は最高に高まっていた。

ペイラについては、もはや興奮して息が荒くなっているようだ。


ドンッ…ドンッ…ドンッッ!!!


ガラスを叩く音に混じって、警報音が甲高く鳴り響く。

収容ルーム内は赤い警告灯で照らされ、異様な空気が漂っていた。


先程からガラスを叩き割ろうとする他の地球外生命体達は、叩いた衝撃で血だらけになりながらも、ただただ怒りに任せてガラスにぶつかっている。


「コの…せカい…すむもノ…しらナい…ナい…。クロノあ…アクナエリィ…そレ…せカい…なノダ…。」


「そうなのか?というか、お前達はクロノア人を神格化してるのか?全く別の星の異星人だろ。そもそもアイツらとどういう関係だというんだ。」


「ヲまえ…たち…せカい…ヲかした。ホし……は…シをむ…かえル…。ワたしたち…ダせ…!!」


情報を聞けるだけ聞こうとするが、一切会話にならない。

とうとう、シュタール族も両手をガラスに付けながら、ガラスを叩きはじめた。

警報音がさらに強まり、部屋全体が震動する。


「おい、質問に答えろ。死を迎える?予言みたいな事言いはじめやがって。上等だ、俺がクロノア人は全滅させてやるから、そうならないとここに宣言するぞ。」


「ダせ……!!!ダせ…ェェェ!!!ニンげン!!!!」


ピッビーーッ!!!


次第に激しくなっていく抵抗に、慌ててペイラは、携帯している無線司令機にてシュタール族達の居る収容ルーム内に、催眠ガスを流すように指示した。


「緊急指示、収容No.448に催眠ガスを散布しなさい。収容されている生態の異常行動確認よ。」


シュゥゥゥーッ


収容ルームの天井から射出口が複数出てくると、ものすごい勢いで催眠ガスが部屋いっぱいに噴射された。

苦しみながら、徐々に中にいた者達は倒れていく。

シュタール族も効いているようで、徐々に体勢が崩れていく。


「かナらず…クる…。」


「………?」


「かナ…らず…。ワすれる…ナ…。ヲまえ…たチのツ…みを…。」


そう言い残し、シュタール族もその場に倒れた。

最後の声が消えると、静寂だけが残った。

どこか胸の奥に残る不快なざわめきを抱えながら、二人は部屋を後にする。

地球外生命体達の異常な反応――あのようなことは、これまで一度もなかった。

先程の地球外生命体達の行動は異常だ。

2人は動揺を隠せない。


(アクナエリィ…一体何者なんだ。クロノア人とどう関係している…?まだまだ情報を奴らから引き出す必要があるな。)


長官が思考を巡らせながら隣を見ると、普段明るく呑気なペイラも少し神妙な面持ちで何かを考えている様子だった。


「なぁ。さっきのどう思う、ペイラ。」


長官が声をかけると、ペイラは小さく肩を跳ねさせ、我に返った。

どうやら、彼女も初めて聞いたアクナエリィという謎の存在について考えていたようだ。

それぞれ他の惑星からやってきた地球外生命体達がクロノア人について、恐らく同じ認識を持っている。そんなことが有り得るのか?と。

考えれば考えるほど、彼女の興味は尽きなかった。


「危険な存在である事は間違いないと思うねー。私のね、これまでの調査でもそんな存在について語ってくれることは無かった。とっても興味深いんだよね!」


「やはりか。奴らにはまだ存在価値があるようだ。ペイラ、必ずクロノア人の情報を引き出せ。いずれくる戦争に必ず必要になるだろうからな。」


「はいはぁーい!」


長官はペイラにそう言い残すと、次に回収したノノカの母船とクリオネ型ロボットを保管している、宇宙技術開発室へ向かった。


「あっ…長官。お疲れ様です。作戦が成功して安心…しましたっ。」


宇宙技術開発室の室長 クロネ・アンニードが立ち上がり、丁寧に挨拶をした。

白衣の袖を握りしめたまま、どこか緊張した様子だ。


クロネもまた、NASUきっての天才の1人であり、ペイラに匹敵する頭脳を持つ。

そんな彼女のいる研究室には、今まさにふたつの“収穫物”が眠っていた。

だが、その解析は難航していた。


「クロネ、未だに状況の進展が見られないようだな?お前にしては珍しい。」


「…はぃ…。わ、私も全力を尽くしていますが、この母船には解明できないシールドのようなものが常に張られており、手出しができない状況…なんです。あのロボットについては少しずつ進んでいるものの、よく分からない構造みたいで…自己修復機能が付いているのか…もはや傷ひとつ見当たらないんです…。ただ動く気配ないんですけど…。」


ノノカの母船は、衝撃を外部から与えようとすると触れた箇所を融解させるシールドが張られていた。

その為に、母船内部に入ることも外部や内部の素材やシステムについて調査する事もままならない。


「そうか。なかなか難しそうだな。今後も時間をかけても構わない、調査を進めてくれ。後、気になってたんだが…あのロボットについては以前壊したロボットとは随分と違うようだな?以前のやつには傷を直す機能なんてなかったはずだが。」


「あ、えっと…そうなんです…!ち、違うなんてものじゃないです!完全に別物…だと…思いますっ。」


「なに…?どういうことだ…?」


クロネはそう言うと、長官にPCの画面を見せながら説明を行った。


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