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あなたを救う為に。

「このガキを連れていく。タンカーに今すぐ乗せろ!」


ソメリカ軍の医療テントにて、応急処置を受けていた幸の前にソメリカ軍第4部隊の兵士が来る。

兵士達はタンカーを持ってきており、横になっている幸をタンカーに乗せようとした。


「ちょっと!?なにすんのよ!パパは今危険な状態なんだよ!?パパに触らないで!!」


苦しむ幸を無理やりタンカーに乗せようとする兵士を紫は妨害しようとする。

しかし、屈強な兵士達には、紫の妨害など全く意味がなく、幸は抵抗むなしくタンカーに乗せられてしまった。


「隊長達の元へ行くぞ!急げ!時間が無いんだ…!」


「はっ!!」


「パパッ!このクソ野郎共が!アンタらの好きにさせない!!」


タンカーを無理やり運ぶ兵士達の服を後ろから引っ張る紫。

抵抗しながら進んでいくと、叫び声が遠くから聞こえてくる。


「ぐあああぁぁッッ!!!」


紫は、何事かとタンカーを運ぶ兵士達の隙間から奥の方を覗いた。

奥の方では、大量の兵士達が唸りを上げて倒れており、ある場所からは、ソニックブームのような物が飛び交っていた。


(なにこれ?コイツら、みんな苦しそうに倒れてる…。それに、この身に感じる力の波動みたいなものはなんなの…?私はこの力を知ってる気がする…。)


なにか懐かしいものを感じながら、力の波動がより強く感じられる中心部へと徐々に近づいていく紫達。

そして、中心部に到着すると紫は驚くべきものを見ることとなった。


(…!?…あ…れは…。ツフィア…!)


クロノア人の容姿に変貌を遂げていたノノカを見て、思わず薄く記憶に残るツフィアの姿と重なった。

驚いた紫は、一瞬思考が止まるが、顔がノノカだと分かると冷静になる。


(いや…違う!!あれは、お姉ちゃんだ。一体何が起こってるの?!なんでこんな所に!)


激しい戦闘を行うノノカ。その近くに隊長達が苦しそうな表情で、幸を乗せたタンカーを運ぶ第4部隊を呼び寄せる。


「来…たか!!…はぁ…はぁ…。よし、そいつにナイフを突きつけながら、あの宇宙人のクソガキの目の前にまで行け!俺らも追従する。そいつを人質に、あの女を拘束するぞ!」


第4部隊は、指示を受けるとそのまま実行に移した。

幸に各々がナイフを突きつけ、そのままゆっくりとノノカに近づいていくのだ。


「やめなさい!ちょっと!!お姉ちゃん!逃げてーー!!」


「……ッ!!?」


紫の叫びは、ノノカの注意を引く。

襲いかかる兵士達と戦闘していたノノカだったが、幸を運ぶ第4部隊を見つけたのだ。


「幸…さん…?」


「おい!そこのクロノア人!止まれ!!コイツのこと知ってるよな?首を掻き切られたく無かったら、無駄な抵抗をやめろ!」


大きく叫ぶのは、ボロボロの隊長達だ。皆最初の衝撃波で、足以外の全身の骨が粉砕骨折している為か動きは遅く、顔は蒼白だった。

しかし、軍の兵士としてのプライドが彼らの痛みを無くし、気力を湧き立てていた。


「おねーちゃん!!私の事わかる?!紫だよ!こいつらの言うこと聞いちゃダメ!!早く逃げて!」


「………あなたは…!幸さんは無事なんですか?!」


「……!!う、うん!!だから早く逃げて!どうせコイツらはパパを殺せない!コイツらの言うことを聞いちゃだめ!!」


ノノカは紫の事を認識していた。

言葉を実際に交えて紫は、現在のノノカが姉とは別の人物だと確信する。


(今のお姉ちゃんは、きっと()()()()()だ…!何が起こってるのか分かんないけど、とにかく逃がさないと…!!)


紫の言葉を聞いて、幸が無事なことを知ったノノカは安心する。

苦しそうにする幸を見て心配しながらも、現在の状況を見て一旦逃げることを優先する事にした。


「紫さん!幸さんをお願いします!私は、船の通信で兄様に救援を要請してみます!私の船は多分エルリクスによって修理されていると思うので!」


「エ…エルリクス…?な、なんだか分からないけど、分かったわ!!とにかく行って!!」


ノノカは強く頷きながら、自身の母船の方へ走り出す。


「貴ッ様!待て!止まれ!本当に殺すぞ!!」


兵士の脅しを聞く耳持たず、走って行くノノカ。

これは兵士達にとって予想外の事態だった。

ノノカを止められず、さらには、援軍まで呼ばれそうになっている。非常事態に他ならない。

もはや、打つ手がない兵士達に総隊長のロビンが強引な命令を出す。


「おい!全員でこの男を刺すぞ!!どうせアイツを止められないんだ。仕方がない!!」


ノノカにも聞こえる声で出された命令に、全員が従う。

喉元に突き立てられていたナイフはそのまま幸の喉に差し迫る。


「「「しねー!!!」」」


全員のナイフの先端が幸の喉元に触れた時、全員のナイフが折り曲がり、持っていた兵士達及び隊長達の足の骨が砕け散って四方八方に飛ばされた。


「紫さん……ッ!私に…着いてきて!幸さんをこんな危険な場所にやっぱり置いて…いけない!」


「…ッ!わかった!!お姉ちゃんに着いてく!!ごめんね。アイツらヤバすぎる…。」


2人は幸を乗せた担架を押しつつ、ノノカの乗ってきた母船へと走る。

無我夢中で走る2人だったが、紫は違和感に徐々に気づく。

前の方を走るノノカの息が普通とは違うほど荒くなっていっていた。

走った際の荒れ方とは違う、まるで何かに蝕まれているような感じだ。


ガハッ…ゴホッ…ぜェ…ぜェ…


息は更にどんどんと荒くなっていく。


(……!…もう…!ここの星の環境下だと、こんなにももたないの!?今倒れてしまったら、もう1人の私も、幸さんも助けることが出来ない…!)


ノノカは現在、身体を無理やりクロノア人の構造へと変異させていた。

クロノア人は、外惑星にて特殊装備無しに生命活動を維持することは困難だった。その理由は本人達も分かって居ないが、そのままの状態で活動しようとすると、徐々に呼吸困難を起こし、動けなくなってしまうのだ。


「お姉ちゃん!?どうしたの!?大丈夫!?」


「う…動いて…!動いて…お願…い!!…」


徐々に動けなくなっていったノノカは、とうとう力なく倒れた。

紫がノノカを心配し、支えようとするが、ノノカ支えを拒み、幸を見ていて欲しいと告げた。

それから、倒れてる状態で、自分自身に抵抗しているのか震えつつも這いながら母船の場所へと辿り着く。

しかし、そこにも多数の兵士達が常駐していた。


(ここにも…!?こうなれば、これしかない…。時間が無い、紫さんに伝えなければ。)


ノノカはある指示を紫に出す。

それを聞いた紫からは大反対されるが、ノノカの強い意志で聞き入れることとなる。


「お姉ちゃん、本当に本当にほんとーッに大丈夫なんだよね?信じてるよ?」


「もちろん…です。では、お願いします。…はやく…しないと…!」


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