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NACCU対ネンネ

「ターゲット確認。捕縛行動に入る。」


「ッッ!!!!?」


「…ッ!!きゃあああああ!!」


何もなかった所から、突然足音もなく幸とノノカを襲いくる2人組。

2人の勢いよく振り下ろされた拳が幸達に当たりそうになった時、2人組の真横から勢いよく2人組に噛み付いて吹き飛ばす者が現れる。


「「ネンネ!!!」」


「グルルルルルルルッッッ!!!」


ネンネは、2人組を吹き飛ばすと自身は幸とノノカの前に佇む。

牙をむき出しにし、眉間には皺を寄せており、本気で警戒しているのが伝わる。物凄い緊張感だ。


「あれが例の害獣か?確かに良い動きをするな。」


「任務の邪魔だ。排除するぞ。」


(コイツら…。普通の人間の兵士とは違う!匂いでわかる。コイツらは捕食側だ!!)


ネンネの全身は毛が逆立つ。ネンネにとってそれは久しぶりの本気の殺し合いの体勢だ。彼女は野生の勘と言うべきなのか、目の前の人間2人組が自身を殺しかねない人間だとすぐにわかった。

だからこそ、引けない。彼女の後ろには絶対に守らなければならないノノカがいるから。

ここで、自分が倒さなければノノカが襲われるのは間違いない、これは絶対に勝たなければならない戦いなのだ。


「竹取幸、ノノカ様を連れて逃げろ!コイツらは私に任せるんだ。早く行け!!!」


「ネンネ!!やだよ!?ノノはネンネと離れたくないもん!!」


「ネンネ、すまない。ノノカは任せろ!そいつらなんかに、負けるお前じゃないことは知ってる!すぐに追いついてこい!」


「さち!?やだよ!!やだやだやだ!!!」


「ノノちゃん!大丈夫よ、ネンネさんは必ず戻ってくるから!今は行こうね!」


「お姉ちゃん!パパ!!早く早く!!時間が無いわよ!!」


嫌がるノノカを抱き抱えたまま、後ろを向いて走り出す幸。

ノノカは最後の最後までネンネの後ろ姿を見つめ、手を伸ばしながら叫び続けた。

幸達の姿が見えなくなった頃、静かに牽制し合う両者は少しづつ動き出す。相対する彼らは一寸の隙も見せない。


「さて、貴様ら、ノノカ様に対する攻撃。万死に値するぞ。ここから生きて帰れると思うな。」


物音1つ立たない中、ネンネが先に口を開いた。

ネンネの威圧を込めた言葉にも動じない2人組は、迎え撃つ姿勢を崩さない。


「ほう?私達のセリフではないか?喋る豹とは珍しい。お前も捉えて我々の大いなる実験の役に立ってもらうぞ。」


「お前の後は、あの宇宙人のガキだ。必ず捉える。我々は勝つ。これは確定事項だ。」


両者はお互いに言葉を混じえると激しくぶつかる。

2人組の訓練された連携攻撃は圧巻だ。激しさもあるが、全ての攻撃はお互いの攻撃を殺さず、正に武の極みと言うような連携だと言えた。

片方の拳が飛び交い、また片方からも蹴りや拳が飛んでくる。

ネンネは、その全てを避け、捌きながら2人のそれぞれに少しずつ牙や爪でダメージを与えつつ、4つの足も巧みに使いこなしながら戦う。


「おいおい、信じられるか!?情報には聞いていたが、NACCUの我々2人組と戦闘し一切のダメージを負うことなく我々にダメージを蓄積させているぞ。」


「あぁ。信じられないことだ。本作戦の大きな障害となると言われていた内の1つだけの事はある。」


少量のダメージを受けたNACCUの2人組は、一旦後退する。

思った以上に強い雪豹のネンネと対峙して、驚いたらしい。


キシャアアアアッッ!!グルルルルッ!!!


ネンネは瞳孔が開き、普通の人間が見るとその恐ろしさに足がすくんでしまう程の形相となっている。

しかし、それは同時にネンネ自身の余裕のなさを表していた。


(コイツら、本当に人間か?全く隙がない所か、私の攻撃を避けつつ反撃もしてくるなんて…。これまで見てきた人間と同じだとはとても思えないぞ!!)


2対1とはいえ、地球上の哺乳類の中で最も強いとされる自分の攻撃で、たった2人の人間を制圧できないという事実を彼女は受け入れられなかった。

それにより、通常の冷静な判断能力や分析能力が低下してしまい、彼女は野生の本能で戦闘してしまう事態となっていた。


威嚇するネンネを他所に、冷静なNACUUの1名は胸元から、もう1名は腰にぶら下げていた何かを取りだす。


「コイツを使うことになるとはな。おい、アルフィン!ちゃんと抑えてろよ。」


「あぁ。任せろ。おい、子猫ちゃん。お遊びは終わりだ。狩らせてもらうぞ。」


ジャラジャラジャラ


アルフィンという名前のNACCUの人間が腰にぶら下げていたものは、太く大きな鎖に、鎌のような鋭利な刃の付いた武器だ。

加えて、もう1人のNACCUの人間の手にはあまり見ない形状のハンドガンが握られていた。

勢いよく鎖を振り回し始めると、ネンネに向かって鎌の部分を投げた。

ネンネは、勢いよく投げられた鎌をすんなりと避けると、アルフィンに飛びかかろうとする。


「そんなもの使わない方が良かったんじゃないのか!!遅くてなんの障害にもならないぞ!!」


ネンネは鎖の速度を見て、これでは自分を傷つけることな不可能だと察し、アルフィンを煽る。

ただ、アルフィンの攻撃はまだ終わりではなかった。

飛んでいる鎌の部分は軌道を変え、再びネンネを襲い、さらに、かなりの長さを誇る鎖の部分は、ネンネの動きを阻害するほどネンネの周囲に意図的に展開されていた。


「威勢のいい猫だ。もうお前は、俺の支配領域に踏み込んでるんだぜ。」


「!!?」


鎌は間一髪避けられたものの、周囲に展開された鎖がネンネの左前脚を捉える。

一瞬バランスを崩したネンネに追い打ちをかけるように、もう1人の人間が持つ銃がネンネに放たれた。

その瞬間、ネンネのしっぽが思いっきり後ろに引っ張られた。


「あぎゃぁあ!!!?なんだ!?私の尻尾に触れるなああ!!!」


間一髪だった。ネンネのほんの数ミリ前の地面に銃弾は被弾していたからだ。

尻尾を後ろに引っ張ったのは、なんとノノカを守るために一緒に同行していた石作だった。


「あっぶねぇ!!!おい、あんた!!何やられてんだよ!!こんなヤツらに負けてんじゃねーよ!!」


石作は、ネンネの足に絡まった鎖をすぐさま解く。

まさかの石作の登場に驚きを隠せないネンネだったが、すぐに怒りを覚える。

危険な状況にも関わらず、守るべき主人を差し置いて、自分のところに来た事実が許せなかったからだ。


「貴様ッ!!!!なぜこんなところにいる!!ノノカ様はどうした!?分かっているのか!この状況が!!貴様がこんなところに来てどうするんだ!!!」


「ノノカ様は紫様と竹取と夢坂と一緒に逃げている!!大丈夫だ!第一悔しいが、俺一人じゃソメリカ兵達を足止めできねえ!!アンタの力が必要なんだよ!それなのになんだ、この体たらくは!!お前こそ遊んでんのか!」


「なんだと貴様ッ!!私が遊んでいるだと?後で覚えておけ!コイツら全員片付けたら、次は貴様だ!!」


2人は喧嘩していると、再び鎌がネンネと石作目掛けて飛んできた。

2人は鎌を避けると、冷静さを取り戻す。


「あんた、とりあえず一旦話はあとだ。」


「あぁ。まずは、あのクズどもを殺す。」




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