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真なる想い

遅くなってしまっており、すいません!

更新予定ですが、今週本話を含めて3話分の更新を予定しております。

よろしくお願いします!

「これから話す内容は難しい話になるので、お父様には分かりやすく簡潔にお伝えします。」


月夜はこれまでの自分の本当の正体や、そのルーツについて語り始める。

月夜の本当の名前は、ツフィア・リリアル・ファレ・クロノアという名前で、太陽系外の遥か遠くに位置する惑星からやってきた。


ツフィア達クロノア人は、星父という神のような存在から分かたれた分身らしく、クロノア人は皆兄妹であり、血が繋がっている家族そのものであるらしい。

彼らが何故、星父から分かたれたのか彼ら自身も分からないし、星父自体についてツフィアも会ったことも無い。ただ確実に()()()()事だけしか分からないとのことだ。


「難しいのぅ…。それで月夜は、この地球に一体何の調査に来たのじゃ…?星父とかいう神様に言われて来たのか…?」


造からの質問に月夜の顔が曇る。月夜は、言いにくそうな表情を浮かべながら答えた。


「私達クロノア人は、星父の傀儡です。指示をされればどんな事でもします。そして、星父はこの世に存在する生命体全てを恐れていると私は聞いております。だから……だから……。」


「月夜……?」


「星父はお父様達、人間の存在をはるか昔に感知しておりました…。よって私がこの星に降り立った理由は…この星の生命体の調査及び報告をする為なのです。それは、お父様達、人間という種族を滅ぼす為…。」


造は、話のスケールの大きさに腰を抜かす。

信じられないような事だが、もし本当の話だとしたらこれは村や国に関わらず、全人類の危機なのでは無いかと感じたからだ。

造は、続ける。


「じゃ、じゃあ、この前に地響きと声が聞こえたのは…あれは月夜を感知してこちらを神様が見ていたという事なのか…?これからワシらはどうなるんじゃ…?月夜は…?」


月夜は真剣な表情で答えた。


「私は事故で本来の身体の頭部をぶつけた際にクロノア人としての記憶や叡智、能力を全て失いました。そして、人間として、生物としての感情と理性を得て今まで楽しく生きてきたのです。しかし、本来の魂に深い影響が与えられると、それがきっかけで覚醒してしまうようで…。」


「婆さんが殺されてか…。」


「はい…。私にも何が何だか最初分からなかったのです。しかし、覚醒してしまったことで、クロノア人としての魂の繋がりが、星父に私の居場所と状況を知らせてしまったのです。そして、あの地響きの時、星父の視線を感じました。彼は遠い地から私達を見ていました。だから私は演じたのです。クロノア人としての私を。私が人間としての感情や理性を手にしてしまった事を星父が知ってしまったら、恐らくこの星に兄妹の軍勢が武装して押し寄せてきます。」


「………どうして………」


「星父という存在は、そういう存在なのです。」


造と月夜はお互いを真剣に見つめ合う。

まさか、自分の育てていた愛娘がそんな凄い存在なんて思いもせず、紫がこの事実を知らなくて良かったと少し感じていた。

月夜は、老人である造に分かりやすく伝えるため色々と省いて説明をしてくれている。

しかし、現状聞いた話だけでも身震いしてしまいそうな内容だ。

月夜は、沈黙の後に少し造を安心させるように話す。


「お父様安心してください。現状、星父には私が生きている状態だとしか伝わってません。感情を得たとは考えてないはずです。今この地球に向かってきている者達は、私が感じる限りで人数が20名程なので軍では無い事は確かです。人類に対して何かしてくる可能性はありますが軍でなければ、なんとかなるかもしれないのです。」


そして、月夜は自分のような存在を育ててしまったことを後悔したのではないかと造に尋ねた。

その回答を聞くことを恐れながらも、自分は父にとって厄災そのものの引き金になりかねない存在であることは確か。間違いなく後悔と恐れを抱いているに違いないと考えていた。

自分が最愛の家族に嫌われてしまう、自分のせいで最愛の家族を全て失うことになってしまうかもしれない。

そんな事を考えてしまう度に月夜の人間として培った心が張り裂けそうになっていた。

気丈に振舞っていた月夜だったが、毎晩耐えられなくなり、この場で涙を流していたのだ。

造からの返答を待っていると月夜が予想していない回答が返ってくる。


「ワシも婆さんも、こんなにも可愛い月夜を育てられた事、後悔したことなど今も含めて1度もない。お前はワシらの大切な子じゃ。その事実はこれからも変わりはせん。」


月夜は、それを聞いた瞬間に涙が溢れてきた。

こんなにも自分を深く愛してくれて、真実を伝えても尚自分の娘だと言ってくれる。そんな存在は造以外この世のどこにも居ない。

造の深い愛情に感謝しながら、造に泣きながら抱きつく。

造はそんな月夜を優しく暖かい手で包み込むように抱きしめた。


「う……うぅ……。お父様…お父様。こんな事になってしまって…ごめんなさい。ごめんなさい。私のせいでお母様が…。村のみんなが…。お父様にも沢山酷いこと…言いました。本当にごめんなさい。私、帰りたくない。うぅ……。このままお父様と一緒にここで過ごしたいよお…。」


月夜は幼い娘のように、またワンワンと泣いた。

そんな月夜を優しく頭を撫でてあげると、造は涙を浮かべながら力強い目で空を見上げた。


「月夜。これまで怖かったじゃろう。1人にして本当にすまんかった。これからはワシがずっと付いとる。お前を誰にも、どんな存在にも渡しはしない。」


造は、月夜を守るために何を犠牲にしても構わないと覚悟を決める。



「お父様、私はお父様を兄妹や星父から守るために密かに準備してまいりました。貴公子達に守るための道具を作るのに必要なものをそれぞれ準備させようとしましたが、この地球の文明レベル的にまだ存在してなさそうなので、簡易的な物になりますが…。」


そう言って着物の中から出てきた小型の装置のようなものは、銀色の筒のような形状をしており、先端にボタンが付いているものだ。 中央部分は透明なガラスに金色の液体が満タンに入っている。

月夜は、村の村長の家の地下に鉄の作業場が入っていることを知っていた。その場所を使い、ずっと村長の家に籠っては道具の作成に時間を割いていたのだ。


「これはなんじゃ?どうやって使う?」


造は、不思議そうにその筒のような機械を見回す。

誤って先端のボタンを押そうとして、慌てて月夜が止めた。


「お父様!待って!そのボタンはまだ押してはなりません!!それは、1度きりしか使うことが出来ない物で、1度使うと一定時間、近くにいる物を見境なく宇宙の彼方へ吹き飛ばす物です。私達の住む地球よりも、私の生まれた星よりもさらに遠くの。もしも、兄妹に襲われそうになったら使って少しでも遠くに離れてください。」


手に持った機械の恐ろしい力を聞くと造は、汗をかきながら、そっと腰巻にその機械を差し込んだ。


「月夜、ありがとな。ワシを守るためにこんなものを…。じゃあ、ワシはお前を守るために少しでも足掻かないとな。」


そうこうしていると、沈んだ太陽がいつの間にか、空を照らし始めていた。


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